稲見には追いかける古江のヒタヒタという足音が聞こえている!?
渋野日向子の劇的な優勝で終わった樋口久子 三菱電機レディスを終えた国内女子ツアーは、残すところ4試合。佳境に入った賞金女王争いは、有利だったはずの1位稲見が腰痛で2試合を棒に振ったことで混とんとし始めている。

2週連続優勝の後、樋口久子 三菱電機レディスでも3位タイに入った古江は、賞金を1億9759万7575円として、2億1448万6649円稼いでいる稲見との差を約1688万円と縮めている。
今後のタイトル争いに、大きなカギを握ることになるのが次戦、TOTOジャパンクラシック(4~7日、滋賀・瀬田GC北C)だ。賞金額が総額2億2000万円、優勝3300万円とそれ以降の2試合の約2倍、最終戦のツアーチャンピオンシップ(優勝賞金3000万円)と同等の金額があるからだ。勝てばほぼ2試合分の賞金が稼げることになる。
稲見の腰の状態がよくなって出場できたとしても、結果次第で古江が逆転できる可能性がある。
2020-21年は、コロナ禍で異例のロングシーズンとなったが、古江は6月以降しか試合がなかった20年にまず3勝を挙げている。21年になると前半はいいところまで行くもののなかなか勝てずにいた。
それが、アマチュアだった19年に優勝し、昨年も2位だった得意大会の富士通レディスで勝つと、続く高額賞金大会NOBUTA GROUPマスターズGCレディスでも優勝。一気に稲見に迫っている。その勢いはとまることなく、樋口久子・三菱電機レディス最終日も4つスコアを伸ばして3位タイ。520万円を稼いでいる。
タイトル争いの向こう側にある米女子ツアー挑戦
それでも、タイトル争いについて聞かれるたびに「全然考えていない。自分のプレーができればいいと思っています」と、宣言している。日本のタイトル争いの向こうに目標があるからだ。
それは、来季、米女子ツアーでプレーすること。12月に2週間にわたって行われるQシリーズにエントリーしている。144ホール戦って20位タイに入らなくてはならない厳しい戦いに向かって突き進んでいる。その過程で、1打1打に集中した結果がこの好成績というわけだ。
稲見VS古江の構図だけではない。ランキング3位には小祝さくら(獲得賞金1億7759万4583円)4位には西村優菜(同1億6822万389円)がおり、油断は禁物だ。
泣いても笑っても、残りはたった4試合。ライバルの動向を気にしていても仕方ない。古江は最後までマイペースで戦い続ける。その向こうの米女子ツアー挑戦を思いながら。