高木優奈が“4度目の正直”に向けて合格圏内に浮上
2021年度JLPGA最終プロテスト2日目(3日、京都・城陽CC)、高木は3バーディー、1ボギーの70でプレーして通算1オーバー19位タイ。53位タイと出遅れた初日の遅れを取り戻した。

最終プロテストは、112人が4日間72ホールをプレーして、20位タイまでが合格というサバイバルゲーム。これまで3度、挑戦していずれも最終テストで涙を呑んでいる高木は、すでにプロツアーで何度もプレーしている。
1998年5月生まれの”黄金世代“。プロテストに合格しなくても試合に出られるJLPGAの単年登録制度により、19年にはステップアップツアーで優勝。
その資格で19年末のQT(クオリファイングトーナメント)に出場し、54位になっている。コロナ禍により長丁場となった2020~21年シーズンでは43試合でプレーしており、賞金ランキング56位とシーズン終了後50位以内に与えられるシード権まであと一歩に迫っている。
その一方で、現在高木が使っている単年登録制度は、JLPGAの制度変更により来年から使えなくなる。例外を除き、プロテストに合格したJLPGA会員以外はQTすら受けられず、試合への門戸が閉ざされることになるのだ。
プロテストに合格するかシード権を獲得しない限り、来年への道は開けない。高木は、今年6月に延期された2020年度のプロテスト受験か、日程が重なる高額大会のアースモンダミンカップ出場かを迷った末、試合への出場を選択。26位タイに入って169万5000円を稼いでいる。
今回も、日程が重なる賞金総額2億2000万円のTOTOジャパンクラシックに出場してシード獲得に賭けるか、プロテストに出るかをギリギリまで悩んだが、今回はプロテストを選択した。
タイミング的にJLPGAの制度変更に振り回された格好となっているが、だからこそ、今度こそ合格したいところだ。
山口すず夏、梶谷翼は巻き返しが必要
初日3アンダー首位タイでスタートした高久みなみが、スコアを4つ伸ばし、通算7アンダー単独首位。1打差2位につけた天本遥香も、前半、後半別人のようなゴルフで好位置をキープ。

高久と同じ3アンダー最終組でスタートしながら、前半は2ボギーの38。「何も考えずに1打1打に集中しました」と、折り返した10番から怒涛の5連続バーディーを決めた。後半の31が効いて2日連続の69。通算6アンダー2位で、今年の日本女子アマ勝者・尾関彩美悠、泉田琴菜と並んでいる。
2019年には、日本で行われた最終予選を突破し、全米女子オープンでのプレーも経験している天本。この日後半の集中力で一気に合格を狙う。
日本女子オープンローアマで平瀬真由美の姪、竹田麗央が2アンダー6位タイ、スタンレーレディスで4人プレーオフに進出しながら渋野日向子に敗れて2位タイとなった佐藤心結が1アンダー8位タイと好位置につけている。
36ホールを終わっての“合格ライン”は、高木のいる1オーバー19位タイだが、ここまでに26人がひしめいている。1ストロークで順位がガラリと変わる混戦模様は、最終日まで続きそうだ。
米ツアーを経験してプロテストに挑んでいる山口すず夏は、この日4つスコアを落として通算5オーバー44位タイに後退。オーガスタ女子アマ優勝の梶谷翼も、4つスコアを落として通算10オーバー82位タイと、いずれも残り2日間での巻き返しが必要な状況に追い込まれている。