途中棄権したマスターズGCレディースからの復帰戦
賞金ランキング1位の稲見萌寧は、古江彩佳を猛追するも最後は逃げ切られた。
TOTOジャパンクラシック最終日、稲見は3バーディー・1ボギーの70で回り、通算13アンダーの2位で大会を終えた。優勝した古江彩佳には3打差だったが、賞金女王争いを繰り広げる負けられない相手にどうにか2位を死守した。
腰の痛みで途中棄権していたNOBUTA GROUP マスターズGCレディース以降、体調が万全でないなかで優勝争いを演じた。
「久しぶりに最終組で回れた感覚があって、その中で4日間をしっかりと最後まで無事に回り切れて良かったです」
腰痛がまたいつ再発するか分からないなかでのプレーだったが、どうにかやり切った安堵感が稲見の表情からうかがえた。それに今大会での古江のプレーに稲見は脱帽しっぱなしで、「単独2位で上がれたのは良かった」と思うしかなかったほどだ。
「自分が落としてとか、ミスしてというよりも、古江彩佳ちゃんが本当に隙のないゴルフでミスをしないのに、さらにパターが全部入るイメージが出ているので……。ショットもすごいけれど、パターとアプローチが本当にうまい。ショートゲームがめちゃくちゃ上手だなと感じます」
悔しさを通り越すほどに、相手のプレーが一枚も二枚も上回っていたことを素直に認めていたが、賞金ランキング1位の稲見には、追ってくる古江の存在は気がかりでしょうがない。獲得賞金の差は約397万円にまで縮まり、残り3戦という状況だ。
「(賞金女王争いについて)そこを一番に気にしている感じではないんですけれど、最終的な結果のために1試合1試合なるべく勝てるようにがんばりたい」
古江に「次こそは負けない」と雪辱を誓う
ただ、「賞金女王争いを気にしていない」とは言っても、周囲の雰囲気から自然と意識させられることも。多少は焦りがあるからこそ「気になる」が本音だろう。
稲見と古江のデッドヒートの様相を呈している賞金女王争い。稲見は体調が万全でない中で残り3試合を迎える。賞金女王争いが過熱するのは見ている側にとっては楽しいかもしれないが、稲見にとっては苦痛以外の何物でもない。
「もう自分でいっぱいいっぱいなので……(笑)」と心境を口にしていたが、古江との戦いにこのままやられっぱなしではいられない。
「でも、今年は(古江彩佳と)一緒に回る数も多いので、本当に仲も良いですし、楽しく回れています。残り3試合も回る機会があると思うので、その時はリベンジしたいです」
破竹の勢いで追い上げてきた古江に対して、「次こそは負けない」と雪辱を誓っていた。