最終日7バーディー・ノーボギーの完璧なゴルフ
異次元の強さだった。最終日の稲見萌寧は2位に1打差リードでスタートした。前半2つのバーディーを奪い、後半は12番から3連続を含む5つのバーディーで65をマークした。気が付けば通算17アンダーで2位に9打差をつける圧勝。今季9勝目、ツアー通算10勝目を手にした。

今大会、初日は前半にボギーとダブルボギーを一つずつ叩いたが、その後から最終日まではノーボギーの完璧なゴルフを展開。腰痛が完治しない中での圧勝劇は見事としか言いようがなく、今季の好調ぶりをまざまざと見せつけた。
「今年の目標は2ケタ優勝だったので、そこは達成できてよかったなと思います。それがすごくうれしいです」と笑顔を見せる。
腰痛の影響については「1ラウンドに腰に負担があったのですが、うまく痛みを感じないように自分でも姿勢を意識したりとか、痛み止めを飲んでなんとかなったりとか、プレー中はそこまで影響していないと思います」と語る。まだ完全なコンディションではないが、強じんなメンタルで勝利を手繰り寄せた。
優勝賞金1800万円を獲得し、賞金ランキング1位を死守した稲見の賞金総額は2億5256万6049円となり、昨年からの統合シーズンという事情もあるが、1シーズンとして歴代最高(過去最高は2015年にイ・ボミが記録した2億3049万7057円)を記録した。
初の賞金女王へ視界良好な稲見。2位の古江彩佳との差は1696万8474円に開いたが、ここで気を緩めるわけにはいかない。というのも次戦も優勝すれば、最終戦を待たずして初の賞金女王が確定する可能性が出てきたからだ。
“稲見対古江”の一騎打ち。「(賞金女王は)結果的になれたらいいなという感じです」と意に介さないが、周囲の雰囲気に嫌でも意識はさせられる。残り2試合でどんなドラマが待っているのかに注目したい。