「まだ伸びしろがある」と思えたシーズンだった
今シーズン国内最終戦となった渋野日向子。最終日は5バーディー、2ボギーの68、通算9アンダーの12位タイで締めくくった。
「内容的には途中まですごく安定していたのですが、個人的には悔しい」と結果を悔やんでいた。
会心のゴルフで締めくくり、いざ渡米といきたかったところ。というのも、今週のJLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップには出場せず、12月2日から始まる最終予選会(Qシリーズ)に挑戦するからだ。
やはり今はそのことで頭がいっぱいだろう。渋野はまず今シーズンをこう振り返った。
「2020年6月のアース・モンダミンカップの予選落ちから始まって今に至りますが、本当に1年半、すごくゴルフの内容がガラっと変わったと思いますし自分の気持ちの持ちようも変わったと思います」
「1年半の間に2、3カ月の遠征を2回もさせて頂いて、自分の足りないものを見つけて、もっと自分を変えたいと思ってスイング改造にも挑みました。それから2勝できて、色々と考えると自分自身も少しずつ大人のゴルフが出来るようになったと感じています」
「でも要所、要所では悔いの残る1年半だったと思います。でも、まだ伸びしろがたくさんあるな、と思えるシーズンだったかなと思います」
渋野にとって2020年と21年は短いようで長かったはずだ。試行錯誤を重ねてたどり着いたスイング改造もようやく自分のものになりつつあるが、「完成度といっても日に日に変わります。再現性っていわれると半分以下」と納得いくものにはなっていない。
それでも「まだこれから伸びしろはあります」と、これからも成長できることを確信しているのは、今季2勝と結果を出ているからでもあろう。
これから渋野は12月の米ツアーQシリーズに向けて準備を進めるが、すでに緊張感はあるという。
「今は日に日にQTに近づいているので、緊張感が前よりも増してきています。約2週間後なので、まだ実感はないですが、やっぱりアメリカに行ってみないと、って感じですね」
それにしてもゴルフ界における渋野への米ツアー挑戦への関心の高さは、かなり異様なものと感じるが、これだけ注目されるのも人気選手の宿命だろう。
渋野にとっては「(Qシリーズが)集大成という感覚はありません。むしろスタート地点」との捉え方だ。米ツアー出場権を得るのがすべてではなく、大事なのはツアーに出られた後のだろう。最終予選会挑戦も通過点に過ぎないからだ。
「(Qシリーズも)本当に生きている中の一つだと思ってやりたいです。でも、そういう気持ちにはなれないくらいの緊張感はあるので、そう思いたい」
そう自分に言い聞かせた渋野。2週間後のアメリカで“シブコスマイル”が見られるのを期待したいところだ。