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- 12年目で初Vの苦労人サイ・ペイインが振り返る初優勝までの道のり「今はゴルフが楽しくなった」
今季、国内女子ツアー第2戦「明治安田生命レディス ヨコハマタイヤゴルフトーナメント」で台湾のサイ・ペイインが通算13アンダーのトーナメントレコードで逆転優勝。日本ツアー初優勝を手にした。12年目での初優勝で日本での様々な苦労を振り返った。
来日1年目に直面した言葉やマナーの壁
最終日は西郷真央や堀琴音の最終組に注目が集まるなか、首位と4打差、5位から出た2つ後ろの組で回っていた台湾のサイ・ペイインが淡々とスコアを伸ばしていた。
前半で3つバーディーを奪取し、後半は13番から3連続を含む4バーディー。7バーディー、ノーボギーの65、通算13アンダーでホールアウトした。
プレーオフに備えていたが、最終組が追いつけず優勝が決まった。日本ツアー初優勝で13アンダーはトーナメントレコード。
「ほんとに不思議というか、なんか回ってきたのかなという感じがします」と優勝を噛みしめた。涙はなかった。
「涙は出ませんでした(笑)。思ったより。興奮する方が大きいかなと思います」。
12年前の2011年に初めて日本ツアーに足を踏み入れた。
2人の「師」と出会えたことでゴルフが楽しくなった
「当時は18歳、19歳の頃で、昔は台湾の先輩が日本ツアーにたくさん出ていて、私はアメリカや日本がどうなってるか分からなかったから、お父さんが台湾の先輩、テイ・ミキさんを紹介してくれて、日本のQTに連れて行ってくれたんです。それがスタートですね」
長い日本生活で様々な経験をした。もちろん海外生活に慣れるのはそう簡単なことではない。
「初めて日本に来た頃、日本語も分からない時、日本ツアーは世界中のテレビで流れないんです。米ツアーは見られますが、日本ツアーは台湾ではテレビで見れなくって……。想像もできないままで日本に入ってきて、5試合出て1試合予選通るか通らないかでした。自分の技術が通用しないことを思い知らされて」
外国人選手が直面する言葉の壁。それに台湾と日本ではマナー面でも多少の違いはある。
「マナーやプロアマのルールも分からないことがあって、環境への適応も難しく1年目だけは本当にしんどかったです」とにかく練習をしながら乗り越えるしかなかった。
そこで出会ったのが今も指導を受けるプロゴルファーの島袋美幸(日本女子オープンなどツアー通算5勝)とキャディーとして帯同する河野清子だった。
「色んな考え方を新しく教えてもらいました。特に島袋さんは結果を見ず、ボギーを打つ原因を徹底的に追及する方です。その日に仕上げること、絶対に次の日には残さないのが島袋さんの教え。ゴルフの楽しさも教えてもらいました。内容を追求していくのでゴルフが楽しくなりました」
まずは内容、そして次に結果。結果を求めすぎるあまり、周りが見えなくなる選手も多いが、サイ・ペイインはコツコツと着実に実力を積み上げてレギュラーツアー初優勝を手にした。
「今年の目標は優勝することでした。それは達成できたので、もう1 勝とは言わないですけど、次はメジャーで活躍できるように臨んでいきたい」
今年4月で31歳。異国の地で培われたたくましさで2勝目、3勝目を目指す。
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