脇元華「3パットの神様見た」どん底から平均パット数を2打も縮められた理由とは? | e!Golf(イーゴルフ)|総合ゴルフ情報サイト

脇元華「3パットの神様見た」どん底から平均パット数を2打も縮められた理由とは?

ステップ・アップ・ツアーのシーズン第2戦、Hanasaka Ladies Yanmar Golf Tournamentでプロ初優勝を果たした脇元華。パターの不調に苦しんでいた脇元が平均パット数を2打も縮めて浮上のきっかけをつかめた理由とは?

思いつめて試した「アームロック」にも裏切られ……

◆国内女子プロゴルフ<Hanasaka Ladies Yanmar Golf Tournament 4月7~9日 琵琶湖カントリー倶楽部・三上コース(滋賀県) 6360ヤード・パー72>

 先輩たちの“いいとこ取り”。ステップ・アップ・ツアーのシーズン第2戦、Hanasaka Ladies Yanmar Golf Tournamentでの脇元華プロ初優勝の裏には、オフシーズンの“ぜいたくな”練習が隠されていた。

優勝カップを手に笑顔がこぼれる脇元華 写真:Getty Images

 2018年にプロとなった脇元は、19年に賞金ランキング47位でシード権を獲得。だが、シード選手として初めて臨んだ20年は、コロナ禍で序盤戦すべてが吹っ飛んだ。ツアー再開後は、21年までのロングシーズンに必死で挑んだが、賞金ランキング75位でシード落ち。QTも79位と上位に入れず、今季は、レギュラーツアーでは限られた試合で結果を出すしかない状況に置かれている。並行してステップ・アップ・ツアーにも出場し、2戦目で優勝を手にした。

「(20-21年の)2年間は、本当に私の中では最下点。ドン底でした。何か試さなきゃ、変えなきゃって思っていました」と振り返る苦しかったシーズン。特にパッティングの不調はひどく、左腕にパターを固定して打つアームロックというスタイルまで試したほどだ。だが「QTではアームロックに裏切られた」と、さらに苦しい状況に陥った。そのまま突入したオフシーズンは、地元宮崎で過ごした。

 温暖で練習環境の良い宮崎には、オフのキャンプに男女を問わず多くのトッププレーヤーが集まる。脇元に限らず、地元で練習している宮崎の若手たちは、経験豊富な先輩たちと交わる機会に恵まれている。

谷原、岩田、上井、上田からパットのコツを“いいとこどり”

 どん底だった脇元は、この環境を存分に生かした。「(先輩」一人一人からいいところ取りしたんです。谷原(秀人)さんのタッチ、(岩田)寛さんのアドレス。上井(邦弘)さんの(ラインの)読み方(上田)桃子さんのリズム……。これで、パターのストレスがだいぶなくなりました。最初は“3パットの神様見た”くらいだったのが、徐々に良くなった)と笑顔を見せて、試合に臨んだ。

 20-21年レギュラーツアーでの平均パット数は、31.0088。22年はまだレギュラーツアー2試合にしか出場していないので単純比較はできないが、平均すると29.000パットに収まっている。ステップ・アップ・ツアーは優勝したこの試合の記録しかないが、ここも3日間の平均が29.000パット。表情が明るくなるのも当然だろう。

 大会最終日は、前半3バーディーの後、10番、11番で連続ボギー。流れが悪くなりかけた12番でも、セカンドショットをオーバーするピンチに見舞われた。だが、奥のカラーから7メートルの下りフックラインをカップインさせるバーディー奪取。自らの手で流れを引き戻した。

 16番でとどめのバーディーを決めて、通算7アンダー。終わってみれば2位の西山ゆかりに3打差をつける優勝だった。

 パッティングの不安が解消されれば、ショットへのプレッシャーも軽減される。上昇気流に乗るきっかけとなったオフの“いいとこどり”。さらなる飛躍へのステップにしたいところだ。

脇元 華(わきもと・はな)

1997年10月4日生まれ、宮崎県出身。2018年にプロテスト合格し、2019年にツアーデビュー。同年の地元開催アクサレディスゴルフトーナメント in MIYAZAKIで4位タイに入るなど前半戦で安定した成績を残し、賞金ランキング47位で初年度からシードを獲得した。GMOインターネットグループ所属。

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プロとして初めて獲得した優勝カップに口づけする脇元華 写真:Getty Images
堀琴音(左)と「キュンです」ポーズの脇元華 写真:Getty Images
脇元華 写真:Getty Images
脇元華 写真:Getty Images
脇元華 写真:Getty Images
優勝カップを手に笑顔がこぼれる脇元華 写真:Getty Images

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