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- “ほんわか”雰囲気の小祝さくらはなぜ“強行日程”でも全米女子オープン出場を決めたのか?
国内女子ツアーのリゾートトラストレディス最終日に単独首位で出た小祝さくらが2バーディー、1ボギーの71で回り、通算17アンダーで今季初優勝、ツアー通算7勝目を手にした。翌日には全米女子オープン出場のため渡米した。
持ち球をドローからフェードに変更
「なかなかうまくいかない1日でしたが、すごく長くも感じました。気温も暑かったりしてタフな1日でした」
リゾートトラストレディスの最終日をそう振り返った小祝さくら。2位から出た同組のサイ・ペイインに3番で追いつかれると「自分は伸ばすことができなくて、今日は厳しいんじゃないかなと思った」という。
ただ、追いつかれても表情は淡々としていて冷静さを失っていなかった。前半は4番パー4でバーディーを奪って、残りのホールはパーでしのいだ。後半も11番パー4をボギーとしたが、13番パー4で7メートルのバーディーパットを沈めて悪い流れを断ち切った。
「(同組の桑木)志帆ちゃんのラインが参考になったので、そこで自信を持って打つことができました。1カップ分曲がるスライスライン。強めに打ってしまったのですが、運よく入ってくれました。このバーディーが優勝には影響があったホールだと思います」
バーディー合戦となった試合は小祝が通算17アンダーで逃げ切って今季初優勝を手にした。
勝負の決め手となったのは「持ち球をドローからフェードに変えたこと」。
昨年の後半からドローボールが曲がり気味で、「どんどん荒れている感じがあった」という小祝。そこで思い切ってフェードに変える練習に取り組んだ。
「コーチを変えたり、スイングを変えたりしながらやっていたので、そううまくはいかないだろうなと思ってやっていました。良い方向に行くか、悪い方向に行くか分からない不安はありましたが、今年はそうしたチャレンジをした中で、前半戦で優勝することができたのでうれしいです」
全米女子オープンは「チャンスがあれば出たいと思っていた」
フェードに変えていいイメージのショットができているという小祝。今大会を終えた翌日には、メジャーの全米女子オープン(6月2~5日、米ノースカロライナ州パインニードルズロッジ&GC)出場に向けて渡米する。
「全英女子オープンや全米女子オープンは毎年出れるってわけではないので、チャンスがあるときに出たいなと思っていました。今年は前半戦からショットの調子が良かったのもありますし、せっかく行くからにはベストな状態で臨めるように頑張りたい。経験をたくさん積んでいきたい」
全米女子オープンに出場する日本勢の中で、これほどの強行日程を組んでいるのは小祝だけだ。コースへの適応や時差の解消などを考慮して早く現地入りしてもいいのだが、試合を休まないのは彼女のポリシーでもある。
「出られる試合は出ないともったいない」
かつて休まず試合に出続ける理由についてそう語っていたが、今もそれを貫き通している。
ただ、2018年から続けている国内ツアーの連続試合出場は「142」(歴代4位)で途切れた。それでも「休めばよかったと思う試合は一つもありません」と語っていた。
表情は“ほんわか”なのに疲れ知らずで、優勝も手にしてしまうところが彼女の強み。全米女子オープンも“マイペース”で「まずは予選通過が目標」だ。
小祝 さくら(こいわい・さくら)
1998年4月15日生まれ、北海道出身。98年度生まれの“黄金世代”の1人として2017年にプロ入り。19年サマンサタバサガールズコレクション・レディースで初優勝し、20-21シーズンには5勝を挙げて賞金ランキング、メルセデスランキングともに3位に。ニトリ所属。
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