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- 渋野日向子が単独首位発進!「風の中でもいいスイングができた」18ホールを振り返る
渋野日向子の名前を世界に知らしめた全英女子オープン。2019年に海外メジャー初挑戦で初優勝を果たした特別な大会で、6アンダーの単独首位発進を果たした。
渋野日向子が歴代優勝者の存在感を見せる
◆米国女子プロゴルフ<AIG全英女子オープン 8月4~7日 ミュアフィールド(スコットランド) 6649ヤード・パー71>
2017年まで女性会員を受け入れずにいたミュアフィールド(スコットランド)で、初めて女子メジャーが行われるという歴史的な大会となったAIG全英女子オープン初日。歴代優勝者として臨んだ渋野は、レインウエア着用でティーイングエリアに登場した。
徐々に和らぐ寒さの中で午前7時36分にスタートすると、8バーディー、2ボギーの6アンダー65でプレー。ジェシカ・コルダ(米)に1打差の単独首位に立った。
1番パー4で7メートルを沈めると、2番パー4では5メートルのきついフックラインをねじ込んだ。3番パー4では30センチにピタリとつけて3連続バーディー。予選落ち、棄権、予選落ち、予選落ちと苦しんでいた最近のゴルフから一転した冴えわたるゴルフに、トレードマークの笑顔が弾けた。
4番パー3で8メートルから3パットボギーを叩いて勢いが止まったかにも見えたが、逆に気持ちは落ち着いた。すぐに切り替えて、パー5の5番では7メートルに2オン。きっちりと2パットのバーディーとしてバウンスバックした。
ピンがしなるほど強く吹くリンクスらしい風をものともせず、9番パー5のバーディーで4アンダーまでスコアを伸ばし、気分良くバックナインへ。
「風との戦いになると思ったのでそこに集中しました。風の中でもいいスイングができた」と、作戦通り天候も味方につけてバーディーを重ねていく。11番パー4で4メートル、16番パー3は1メートル、17番パー5でも1メートルとパットを入れまくり、6アンダーでホールアウトした。
2019年の同大会がメジャー初出場。ここで優勝して彗星のごとく世界の舞台に飛び出した。“スマイリング・シンデレラ”。このニックネームは世界を駆け巡り、その後日本でも活躍して、今季は米ツアーにルーキーとして臨んでいる。
だが、前述のように悩み、苦しむ日々が続いている。特に欧州に舞台を移したここ2試合はいずれも予選落ち。アムンディエビアン選手権では日本から来た西郷真央が3位に食い込み、トラストゴルフ・スコティッシュ女子オープンでは古江彩佳が優勝と日本選手が活躍するのを尻目に、いずれも予選落ちしている。
それだけに、久々の好発進には誰よりも本人が一番驚いているが、そこは歴代優勝者。ターゲットはもちろん優勝だ。
午後になってさらに風も強くなり、スコアがあまり伸びず、単独首位のまま2日目を迎える渋野。大会初優勝の後、ゴルフとより深く向き合ってきた時間を支えに、残り3日間に挑む。
山下が10位タイ、畑岡は26位タイで初日を終える
渋野より約30分早くスタートした山下美夢有が、2アンダー10位タイと好発進。畑岡奈紗は遅いスタートにもかかわらず、途中3アンダーまでスコアを伸ばした。だが、13番からの3ホールで、ボギー、ダボ、ボギーとでスコアを吐き出してしまい、17番で何とか1つ取り戻してイーブンパー26位タイ。メジャー制覇に向けて踏ん張った。
西郷、堀琴音、高橋彩華は揃って1オーバー44位タイ。アマチュアの橋本美月は2オーバー56位タイにいる。
急遽、出場が決まった後、日本で圧勝した勢いのある勝みなみは、3オーバー74位タイと奮闘。先週優勝の古江、2021年全米女子オープン優勝の笹生優花は4オーバー86位とやや苦戦している。
史上最多の12人出場している日本勢の中で西村優菜は6オーバー118位タイ、藤田さいきは9オーバー140位タイと、2日目の大きな巻き返しが必要な初日となった。
17番のイーグルで5アンダーと渋野に迫ったコルダは、開催地ミュアフィールドのハットをかぶり、パンツは借り物でプレーした。移動の際、スイス・チューリッヒで荷物が置き去りになってしまったからだ。ツアー6勝だが、今年は未勝利。「この位置をキープしたい」と、メジャー初優勝へ意欲を燃やしていた。
ミュアフィールドで新たに刻まれる女子ゴルフの歴史。その1ページに名を刻むのは誰か。最もそこに近い位置にいる渋野を中心にした戦いの幕が切って落とされた。
渋野日向子(しぶの・ひなこ)
1998年生まれ、岡山県出身。2019年のAIG全英女子オープンでメジャー初制覇。同年は国内ツアーでも4勝をマークし、賞金ランキング2位と躍進した。2020-21シーズンは、日本ツアーで2勝。同年に米国女子ツアーのファイナルQTを20位で突破し、今季から米ツアーを主戦場に戦う。国内6勝、海外1勝。サントリー所属。
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