リッキー・ファウラー“15回目の2位”で思い出す 松山英樹に競り負けた日の品格ある振る舞い

ZOZOチャンピオンシップ最終日、単独首位からスタートし、3年ぶりの優勝を目指したリッキー・ファウラーだったが、スコアを伸ばせず2位に終わった。しかし、悔しさを隠して優勝したキーガン・ブラッドリーをたたえる姿は松山英樹に惜敗したときのグッドルーザーぶりを思い起こさせた。

ともに数年ぶりの優勝を目指した最終組の3人

 ZOZOチャンピオンシップ最終日の優勝争いは、最終組で回っていた3人の選手による文字通りの三つ巴となった。

最終日の勝負服、オレンジのウエアを着てプレーするリッキー・ファウラー 写真:Getty Images
最終日の勝負服、オレンジのウエアを着てプレーするリッキー・ファウラー 写真:Getty Images

 その戦いぶりは、スーパーショットを放って観衆を沸かせる熱戦というよりは、プレッシャーによって誘発されるミスをいかに小さく抑えるか、いかに補っていくかというギリギリのせめぎ合いの様相だった。

 33歳のアンドリュー・パットナムは2018年バラクーダ選手権以来、36歳のキーガン・ブラッドリーは18年BMW選手権以来、そして33歳のリッキー・ファウラーは19年フェニックスオープン以来の勝利を目指し、誰もが多大なるプレッシャーを感じていた。

 ブラッドリーの16番のシャンクは、まさに、重圧によって思わぬミスが出ることの何よりの表れだった。

「あのバンカーからのシャンクは、これまでやったことがないほどのキャリアで初めてのミスだった」

 11年全米プロを制したメジャー覇者、すでに通算4勝の実力者でさえ、コントロール不能の状態に陥る。

 そうやって3人が3人とも「久しぶりの優勝」を目前にして胸を高鳴らせながら戦った最終日、一進一退の混戦を制したのは、ブラッドリーだった。

 2日目は首位タイ、3日目は単独首位に立ち、優勝に一番近そうだと見られていた通算5勝のファウラーは、残念ながら1打及ばず、2位に甘んじた。

 祖父は日本人。その祖父と同じ「ユタカ」という名をミドルネームに持つファウラーは、腕に「豊」という漢字のタトゥーを入れているほどで、彼にとって日本は特別な意味を持つ国だ。

 その日本で3年ぶりの復活優勝を果たすことができれば、それはファウラーにとって忘れがたき「スペシャルな優勝」となっていたことだろう。

 その想いが叶わなかったとき、それでも彼が毅然と見せた言動こそは、日本のゴルフファンへの最高の置き土産になった。

「ヒデキ、またやろうな!」
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