国内8勝すべてが9月以降! 古江彩佳は最強の“秋女”
女子ツアー史上最強の“秋女”が本領を発揮した。
富士通レディース最終日、単独首位で出た古江彩佳が猛烈な勢いで追い上げてきた岩井明愛に一時はその座を譲ったが16番のバーディーで追いつき、18番のバーディーで突き放す劇的な勝利。富士通所属プロとしての重責も見事に果たして大会連覇を飾った。
これで古江は国内通算8勝目である。実はこの8勝、すべてが9月以降に挙げたものなのだ。

初優勝はまだアマチュアだった2019年10月の富士通レディース。1打差2位で迎えた最終日に67をマークし、稲見萌寧と三ヶ島かなを2打抑えて女子ツアー史上7人目のアマチュア優勝を成し遂げた。
2020年は9月のデサントレディース東海クラシックでプロ初勝利を挙げると11月に伊藤園レディス、大王製紙エリエールレディスで2週連続優勝。2021年は10月に富士通レディース、NOBUTA GROUPマスターズGCレディースで連勝し、11月にはTOTOジャパンクラシックを制覇した。
主戦場を米女子ツアーに移した今年は一時帰国して出場した7月のニッポンハムレディスこそ26位に甘んじたが、その後、米女子ツアー初優勝を飾っての凱旋帰国初戦となった先週の富士通レディースでしっかりと実力を示したわけだ。
女子ツアー8勝以上の選手は古江で53人目だが、8勝時点ですべてが9月以降というのは初めて。まさに女子ツアー史上最強の“秋女”なのである。
古江と近い世代の選手と比較してみよう。通算12勝の稲見は3月から11月までツアーが開催されているすべての月で優勝がある。古江と同じ通算8勝の小祝さくらや勝みなみも季節による偏りはない。古江のような例は極めて稀なのだ。
初優勝した2019年以降、古江は9月以降の国内トーナメントに30試合出場しており、8勝のほか2位が4回、3位が3回ある。つまり、3位以内が30試合中15試合とちょうど半分ということ。驚異的な好成績である。