蝉川泰果が95年ぶりに日本オープンをアマチュア制覇! データで読み解く非凡な才能とは?

国内男子ツアーの公式戦である日本オープンゴルフ選手権最終日、2位以下に6打差をつけてスタートした東北福祉大4年の蝉川泰果が、2バーディー、2ボギー、1トリプルボギーの73でホールアウト。パナソニックオープン以来、ツアー2勝目を飾った。アマチュアが2勝を挙げたのは史上初で、日本オープンを制したのは赤星六郎以来2人目。

土壇場で見せた起死回生のバンカーショット

 普通なら得意のドライバーショットを使ってバーディーを狙いたいところだが、あえて3番ウッドを手にして確実にフェアウェイをとらえる作戦をとったのだ。

「9番の後、勝ちたいという気持ちよりも、いいプレーをしたいという気持ちのほうが強かったです。それだけを考えて回りました」

 目の前の1打に集中すること、それしか頭になかった。それでも、自分の中のアドレナリンを調整することができず、アイアンショットの距離感に苦しめられる。9番で第2打をグリーンオーバーしたことも影響したのか、今度はグリーン左手前のバンカーに打ち込んだ。ピンまでは約30ヤードあったが、見事なバンカーショットでOKの距離に寄せる。

「あの1打が大きかったですね」と自ら振り返るほどのスーパーショットだったが、このホールでボギーを叩いていれば、そのままズルズルとスコアを落とすことも十分考えられただけに本当に大きな1打だった。

 実は、大会前にハン・リーからバンカーショットのコツをアドバイスされていた。「手を使うよりもゆっくりとしたボディターンで打ったほうがスピンの効いたいい球が出るよと。それを自分なりにアレンジしたらいい球を打てるようになりました」と蝉川。

 この1年で驚くほどのスピードで成長を遂げている蝉川だが、飽くなき向上心がその原動力となっているのだろう。

 偶然にも蝉川が達成したアマ2勝はどちらも地元兵庫県での開催だった。その兵庫県で開催される2週後のマイナビABCチャンピオンシップでプロデビューを飾る予定だが、それさえもあっさり制してしまうほどの勢いが今の蝉川にはある。

蝉川泰果(せみかわ・たいが)

2001年1月11日生まれ、兵庫県出身。東北福祉大4年生。2022年4月に開催された「関西オープン」では首位で予選通過を果たすなど、プロトーナメントでも実績を残してきた。その後、6月にはABEMAツアー「ジャパンクリエイトチャレンジin福岡・雷山」でアマチュア優勝。「パナソニックオープン」では史上6人目となるレギュラーツアーでのアマチュア優勝、「日本オープン」では史上初のアマチュアでのツアー2勝目を飾った。

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