シード権獲得まで残り3試合! 金田久美子がガケっぷちからの復活優勝を狙う

国内女子ツアーの「樋口久子 三菱電機レディスゴルフトーナメント」2日目。4位タイでスタートした金田久美子が67で回り、通算9アンダーの単独首位で最終日を迎える。勝てば、11年フジサンケイレディスクラシック以来のツアー2勝目だが、ツアー制度施行後最長となるブランク優勝記録(11年189日)となる。

苦手だったツマ先上がりのライをついに克服!?

◆国内女子プロゴルフ〈樋口久子 三菱電機レディスゴルフトーナメント 10月28日~10月30日 武蔵丘ゴルフコース (埼玉県) 6650ヤード・パー72〉

 今回のように3日間大会に出場する場合、火曜日から開催コースで練習ラウンドを行うツアープロは少なくない。プロ11年目の金田久美子もその一人だ。しかし、今週はあえてそのスケジュールを変更したという。

「本当にショットの調子がよくなかったので、岐阜県のニューキャピタルゴルフ倶楽部で火、水曜日に練習してからコースに入りました」と金田。

普段とは違うルーティンで会場入り。それが功を奏して最終日を首位で迎えた金田久美子 写真:Getty Images
普段とは違うルーティンで会場入り。それが功を奏して最終日を首位で迎えた金田久美子 写真:Getty Images

 大会前日の木曜日にコース入りして、ハーフをラウンド。アプローチとパットの練習をして初日を迎えた。課題を持って練習したいと考えても、いざトーナメント会場に足を踏み入れると、どうしても他のことに気を取られてしまう。

 それでは何の解決にもならないと考えたのだ。ある意味賭けではあったが、2日目に単独首位に立ったことを考えれば、大成功と言えるだろう。
 
 金田がそこまで修正したかったのは、ツマ先上がりからのショットだという。

「前週の試合で全然うまく打てず、グリーンに乗せることができませんでした」。もちろん、普通に打つことはできるが、ピンに寄せるレベルまでには至っていなかった。

 知っているゴルフ場なら、ある程度は自由な練習をすることが可能なため、ツマ先上がりのライを探して、そこから納得のいくまでボールを打った。その甲斐あって、この日は3番パー4と17番パー4の2打目でツマ先上がりのライを迎えたが、しっかりとグリーンをとらえて見せた。

 完全に苦手意識を克服したわけではないが、火、水曜の練習がなければ、違った成績になっていたかもしれない。

苦労したからこそ、うれし涙を流してもいいんです!

 イメージ的には何年もシード権を保持しているように感じるが、実は17年にシード落ちして以来、シード権は一度も手にしていない。今年も現時点でのメルセデスランキングが70位とシード権獲得への道は険しい。

「今週を含めてあと3試合ですが、最後まであきらめずに頑張ろうっていう気持ちでずっとやっているんですけどね……」と、歯切れが悪い。今回優勝すると、11年189日ぶりという、ツアー制度施行後最長となるブランク優勝となるが、「2位との3打差はあってないようなもの」と控えめだ。

 かつては天才ゴルフ少女として騒がれた金田だが、今年の8月で33歳を迎えた。最近は若手の躍進が目覚ましいが、「すごいなー、いいなーって思いながら見ています」と笑う。

 ただ、1つだけ気になることがあるという。川崎春花にしろ、尾関彩美悠にしても、優勝して涙を見せなかったことだ。

「初優勝を飾っても泣いてないんですよ。だから2勝目もすぐできるのかなって」

 確かに金田もそうだったが、ひと昔前なら初優勝の際に涙を見せる選手は少なくなかった。メンタルの強さに違いがあるのかもしれないが、今の若手には初優勝を完全な通過点としてしかとらえていない傾向はある。

「明日は自分を信じてプレー出来たらなと思います」という金田。おそらく今回優勝した場合は号泣するだろう。しかし、その涙には大きな意味と価値があるだけに、存分にうれし涙を流してもらいたいものだ。

金田 久美子(かねだ・くみこ)

1989年生まれ、愛知県名古屋市出身。3歳からゴルフを始め、8歳の時には世界ジュニア選手権で優勝。タイガー・ウッズに並ぶ記録で“天才少女”として注目を浴びる。アマチュアとして出場した2002年のリゾートトラストレディスで、12歳9カ月での最年少予選通過記録を樹立。08年のプロテスト初挑戦は1打足りずに不合格も、同年のファイナルQTをトップ通過してツアー出場権を得る。プロ3年目のフジサンケイレディスクラシックで初優勝。愛称は“キンクミ”。その風貌から“ギャルファー”の異名を取った。スタンレー電気所属。

【写真】「ギャルファー魂炸裂!」キンクミの「ノースリーブ」ウエアコレクション

画像ギャラリー

前からだとノースリーブというよりホルターネックのように見えるウエアを着てプレーする金田久美子(2015年CAT Ladiesにて) 写真:Getty Images
2018年センチュリー21レディスでの金田久美子 写真:Getty Images
2019年デサントレディース東海クラシックでの金田久美子 写真:Getty Images
2021年大東建託・いい部屋ネットレディスでの金田久美子 写真:Getty Images
2022年アース・モンダミンカップでの金田久美子 写真:Getty Images
2022年アース・モンダミンカップでの金田久美子 写真:Getty Images
2022年住友生命Vitalityレディス 東海クラシックでの金田久美子 写真:Getty Images
2021年日本女子オープンではヒョウ柄や迷彩柄で異彩を放った金田久美子 写真:Getty Images
2021年日本女子オープンではヒョウ柄や迷彩柄で異彩を放った金田久美子 写真:Getty Images
父・弘吉さんと仲良くツーショットに収まる金田久美子 写真:本人提供
2011年フジサンケイレディスクラシックで5打差を大逆転して初優勝した金田久美子 写真:時事
今年の日本女子オープンで幼少時にレッスンした馬場咲希と再会。金田久美子も166センチと決して身長が低いほうではないが、並ぶと馬場がいかに大きいか分かる 写真:本人提供
トレードマークのようになっているノースリーブのウエアを着てプレーする金田久美子(写真は2015年センチュリー21レディス) 写真:Getty Images
普段とは違うルーティンで会場入り。それが功を奏して最終日を首位で迎えた金田久美子 写真:Getty Images

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