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ミケルソンを欠く「ザ・マッチ」 ノーマンを欠く「ノーマンの大会」 不在が際立たせたゴルフ界の損失
先週の米ゴルフ界は、世紀の対決「ザ・マッチ」と多様な選手たちが集う伝統溢れるチーム戦「QBEシュートアウト」の2試合が開催されたが、それぞれフィル・ミケルソンとグレッグ・ノーマンという創設の功労者を欠いての、どこかさびしい大会となってしまった。
第1回のタイガー対ミケルソンは視聴者がペイ・パー・ビューに殺到
先週の米ゴルフ界は、世紀の対決「ザ・マッチ」と多様な選手たちが集う伝統溢れるチーム戦「QBEシュートアウト」の2試合が開催され、賑やかな1週間だったが、その一方で実に皮肉めいた1週間でもあった。
創設以来、7度目の開催となった今年のザ・マッチは、12月10日の土曜日に米フロリダ州のペリカンGCで行なわれ、タイガー・ウッズとローリー・マキロイがペアを組み、ジョーダン・スピースとジャスティン・トーマスのぺアと対決した。
ウッズは今年7月の全英オープン以来の試合出場となり、交通事故で重傷を負った右足の回復具合や前週のヒーロー・ワールドチャレンジを開幕直前で欠場する原因になった足底筋膜炎の状態が心配されていた。
だが、ウッズは思いのほか元気な様子で現れ、「どんなショットでも打てる。今、僕ができないのは歩くことだけだ」と語った。
そんなウッズと昨季のPGAツアーの年間王者に輝いたマキロイは、驚いたことに、これまで一度もペアを組んだことがなく、ウッズ&マキロイの初ペアとスピース&トーマスのジュニア時代からの親友ペアが繰り広げる熱い戦いに期待が寄せられていた。
蓋を開けてみれば、3&2で勝利したのはスピース&トーマスのペアだった。試合勘が薄れていたせいか、ウッズは小さなミスが目立ち、マキロイもそれをカバーしきれなかったが、その分、ビッグな2人のユーモラスなトークが際立ち、ファンを楽しませていた。
とはいえ、ザ・マッチが創設された当時のドキドキ感はなく、本来ならザ・マッチの試合会場にあるべきフィル・ミケルソンの姿もないことが、ことさらにさびしく感じられた。
そもそも、ザ・マッチはウッズとミケルソンの「世紀の対決」と銘打たれ、2018年に創設されたもの。長年、「最大のライバル」と呼ばれ、「犬猿の仲」とも言われてきたウッズとミケルソンが公式大会のラウンド以外で直接対決するのは「史上初」という打ち出しと、勝利したほうが9ミリオンのビッグな賞金をすべて取るという「勝者総取り」の形式、そして2人は犬猿の仲ではなく、4度目の腰の手術や逮捕劇からのウッズの復活を陰で親身に激励してきたのはミケルソンだったという秘話は、あまりにも衝撃的だった。
試合の中継は課金方式の有料テレビ(ペイ・パー・ビュー)だったが、それでも大勢の視聴者が一気に殺到し、試合開始直後に中継が乱れるなどの大混乱になった。それほどウッズとミケルソンが対決するザ・マッチは大きな注目を集めた。
そして、大会発案者であるミケルソンがウッズに勝利し、9ミリオンを手に入れて満面の笑顔を輝かせた。
そうしたすべてがゴルフファンを沸かせ、釘付けにした。あの頃の米ゴルフ界は、とにかく熱い世界だった。
しかし、今年6月にリブゴルフへ移籍したミケルソンの姿は、もはや今年の「ザ・マッチ」からは消えてしまった。
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