開幕戦優勝者は活躍できないシーズンが続いている
米女子ツアー今季開幕戦のヒルトングランドバケーションズトーナメント・オブ・チャンピオンズを制したのはブルック・ヘンダーソン(カナダ)だった。世界ランキング7位の実力者がさらなる飛躍の年にすべく好スタートを切ったわけだが、実は開幕戦優勝者には不吉なジンクスがあるのだ。
新しいシーズンを迎えた時は、誰しもが多かれ少なかれ不安を抱えているものだ。どんなビッグネームでも「今年も勝てるだろうか」という思いが頭をよぎる。そんな不安も、シーズンの早い段階で結果を出せれば払しょくできる。まして、開幕戦で優勝でもすれば、これ以上ない勢いがつくはずだ。
ところが、米女子ツアーではこのところ開幕戦優勝者がそのシーズンは低迷してしまう現象が続いている。2012年のジェシカ・コルダ(米国)以降、昨年のダニエル・カン(米国)まで11年連続でシーズンを終えてみると賞金ランキング10位以内に入っていないのだ。
2012年のジェシカ・コルダは当時18歳で初優勝だった。「新星現る」と大きな期待を寄せられたが、その後は好成績を残せずに賞金ランキングは41位に終わっている。コルダは2014、21年にも開幕戦で優勝するが、当該年の賞金ランキングは16位と23位だった。
2013年には世界ランキング1位経験者の申ジエ(韓国)が勝ったが、これが米女子ツアーでも最後の優勝となってしまい、賞金ランキングは22位。翌年からは日本を主戦場にしている。
昨年開幕戦を制したダニエル・カンはその後、脊髄の病を発症して一時戦線離脱。賞金ランキングは25位だった。
2012年以降の開幕戦優勝者の賞金ランキング最上位は2014年ジェシカ・コルダの16位。同じ年にもう1勝した例は2014年のコルダと15年のチェ・ナヨン(韓国)の2例だけ。2016年以降は皆、開幕戦の1勝で終わっているのだ。