日米通算100試合出場の渋野日向子 “デビュー戦エース”や“プレーオフ全勝”などの偉業を振り返る

渋野日向子が「ホンダLPGAタイランド」で2023年のスタートを切ります。この試合が渋野にとって節目の日米通算100試合目。そこで、これまでの彼女の偉業を振り返ってみました。

全英女子での快挙はプロ20試合目の出来事

 渋野日向子が今週の米女子ツアー、ホンダLPGAタイランドで2023年のスタートを切る。実は渋野にとって今週がプロ入り後日米通算100試合の節目でもある。そこで、これまでの歩みを振り返ってみたい。

 渋野のプロ初陣は2018年6月のアース・モンダミンカップだった。前年のプロテストでは不合格で、クォリファイングトーナメントからの単年登録という立場だった。

直近の優勝は70試合目の出場となった2021年の「樋口久子三菱電機レディス」 写真:Getty Images
直近の優勝は70試合目の出場となった2021年の「樋口久子三菱電機レディス」 写真:Getty Images

 この時点で同い年の黄金世代では勝みなみ、畑岡奈紗、新垣比菜がツアー優勝を果たしており、小祝さくらや原英莉花、大里桃子は上位を経験。渋野は彼女らのように注目を集める存在ではなく、ひっそりと予選落ちしている。

 2度目の挑戦でプロテストに合格したのはこの翌月。2019年から本格的にプロとしての歩みを始め、5月に国内メジャーのワールドレディスチャンピオンシップサロンパスカップで初優勝を果たす。プロ10試合目、20歳178日の大会最年少優勝記録を樹立した。

 7月、プロ17試合目の資生堂アネッサレディスで初めてプレーオフを戦って2勝目を挙げる。その後、渡英して全英女子オープンに挑み、歴史的快挙を成し遂げるわけだ。プロ20試合目での出来事だった。

 2019年は日米合わせて5勝を挙げ、国内賞金ランキングは2位と大ブレーク。コロナ禍に見舞われた2020年は未勝利に終わり、2021年も苦戦が続いたが10月のスタンレーレディスで当時アマチュアだった佐藤心結らとの4人プレーオフを制して涙の復活V。プロ67試合目のことである。

 この3週間後、プロ70試合目の樋口久子三菱電機レディスではペソンウとのプレーオフで劇的イーグル。これが今のところ直近の優勝歴だ。

 昨年まで日本女子ツアーで59試合、米女子ツアーで40試合戦ってきた(日米共催のTOTOジャパンクラシックは2019年日本、2022年米でカウント)。日米通算7勝でトップ10は計33試合を数える。

 優勝した7試合を分析すると、2打差が1試合、1打差が3試合、プレーオフが3試合である。大差勝ちはなく、すべて接戦を制してのものだ。唯一の2打差勝ちである2019年のデサントレディース東海クラシックは8打差20位からの大逆転。ストローク差で歴代2位、順位で歴代4位となる記録的な逆転勝利だった。

 プレーオフは3戦全勝。計4ホールプレーしてイーグル1個、バーディー2個、パー1個という内容で、恐るべき勝負強さである。

レギュラーツアー初陣でいきなりホールインワン達成
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