- ゴルフのニュース|総合ゴルフ情報サイト
- 記事一覧
- ツアー
- 「応援が伝わってくるのに応えられない」イ・ボミ無念の予選落ちの裏にある“日本がホーム”の事情
「応援が伝わってくるのに応えられない」イ・ボミ無念の予選落ちの裏にある“日本がホーム”の事情
アクサレディスゴルフトーナメント in MIYAZAKI2日目、今季限りでの日本ツアー引退を表明しているイ・ボミは通算3オーバーの76位タイで無念の予選落ちとなった。
「言葉にできない悲しい気持ち。みんなに申し訳ない」
◆国内女子プロゴルフ<アクサレディスゴルフトーナメント in MIYAZAKI 3月24~26日 UMKカントリークラブ(宮崎県) 6565ヤード・パー72>
「応援が伝わってくるのに、応えられない、言葉にできない悲しい気持ち。みんなに申し訳ない」。イ・ボミが、笑顔を曇らせた。

今季限りでの日本ツアー引退を表明しているイ・ボミの2戦目は「アクサレディスゴルフトーナメント in MIYAZAKI」。イーブンパー41位タイからのスタートとなったの2日目は、思うようなプレーができずにノーバーディー、3ボギー。「今日はパットが入らなくて流れが悪かったです」と振り返るプレーで、通算3オーバーの76位タイで予選落ちとなった。
今季開幕直前に、自ら日本のかな文字でSNSに寄せた日本撤退宣言にもあるように、2011年の参戦から13年目。
「ふりかえると、とてもながいじかんだったとおもうし、だれよりたのしくしあわせにツアーせいかつをおくりました」(一部抜粋。原文ママ)とあるように、ファンを着実に増やし、応援された日々だった。
どれほど日本に腰を落ち着けてやってきたかが分かる話がある。コロナ禍で日本に戻ることができず、シード権も失い、韓国で過ごす時間が増えた。試合と試合の合間は戻って練習するのだが、決まった練習場所がないというのだ。「韓国で練習場に行くけど、通い続けているところがないんです。ずっとここ(日本)で練習してたから」。シーズン中はほとんど試合会場で練習し、合間も所属先が経営するマスターズGCなどで練習するのが当たり前だった。それが、ツアー通算21勝、2年連続賞金女王(15、16年)を築く土台となった。
母国韓国よりも、日本が“ホーム”だった13年間。そこを離れる寂しさと、思うようなプレーができないもどかしさを抱えている。
「コースに来たらいいスイングできない。闘争心は、スイングができてからのもの。スイングに自信のない状態なんです。スイングと気持ちとどっちが先なのか分からない。勝ちたい気持ちを整えて練習したいんですけど」と、唇を噛む。
この日も、横断幕を持ち、ボミTシャツを着用したファンをはじめ、多くの人がプレーを見守った。書かれていたのは「ボミ、あえてよかった」「いつまでもおうえんします」の文字。イ・ボミの“さよなら日本ツアー”行脚は続く。笑顔だけでなく、元賞金女王の光るプレーを見せるための戦いは、まだ終わらない。
イ・ボミ
1988年8月21日生まれ、韓国出身。2010年に韓国女子ツアー賞金女王となり、11年から日本ツアーに参戦。15年に7勝、16年は5勝して2年連続で賞金女王となる。ツアー通算21勝。19年12月に俳優イ・ワン氏と結婚。23年シーズンをもって日本ツアーからの引退を発表した。愛称は“スマイル・キャンディ”。延田グループ所属。
最新の記事
pick up
ranking