マスターズで優勝するのはどんな選手? 日本にはない指標「ストロークス・ゲインド」で見えた傾向とは?

いよいよ開幕する“ゴルフの祭典”マスターズ。一昨年の松山英樹の優勝は記憶に新しいですが、今年は誰が優勝候補なのか? PGAツアーで重視されている「ストロークス・ゲインド(SG)」を基に、予想してみました。

“うまさ”を数値化できる!? 「ストロークス・ゲインド(SG)」って何?

 ツツジとハナミズキの花が咲き誇るオーガスタの4月。いよいよマスターズが開幕します。今回は注目の今季メジャー初戦を前に、過去10大会の優勝者のスタッツ(プレーのデータ)の傾向から優勝者予想をしていこうと思います。

2021年覇者の松山英樹にグリーンジャケットを着せてもらうスコッティ・シェフラー 写真:Getty Images
2021年覇者の松山英樹にグリーンジャケットを着せてもらうスコッティ・シェフラー 写真:Getty Images

2022年:スコッティ・シェフラー(米国)
2021年:松山英樹 (日本)
2020年:ダスティン・ジョンソン(米国)
2019年:タイガー・ウッズ (米国)
2018年:パトリック・リード (米国)
2017年:セルヒオ・ガルシア (スペイン)
2016年:ダニー・ウィレット (英国)
2015年:ジョーダン・スピース (米国)
2014年:バッバ・ワトソン (米国)
2013年:アダム・スコット (オーストラリア)

 上記の選手たちの特徴を、PGAツアーのスタッツを見て分析してみましょう。PGAツアーでは、「ストロークス・ゲインド(SG)」という指標を用いて、選手のアビリティーを数値化しています。

 ストロークス・ゲインドは、プレーヤーのパフォーマンスレベルを他のプレーヤーと比較して、あらゆる面から分析する方法です。

 ラウンドのホールの長さ、ショットの距離、各ショットとパットのライ(フェアウェイやラフなど)や距離を考慮して、ゴルファーのパフォーマンスを測定します。

 ストロークス・ゲインドは、それぞれのショットが平均よりも優れているか劣っているかを計算し、そのショットに対して+/-の数値を用いて数値化しています。プラスの数値であれば、出場選手の平均よりも高い技量があり、その分野でその数値分のストロークを他の選手よりも稼いでいる、ということになります。

 例えば、ある分野で選手のストローク・ゲインドが「1.06」だとすれば、出場選手の平均よりも、そのショットの分野で「1.06」ストローク分稼いだ、ということです。

 ストロークス・ゲインドはPGAツアーや欧州ツアーで広く使用されており、中継でも統計を基に解説をしています。

ストロークス・ゲインド(SG)の主要なデータって?

 ストロークス・ゲインドの主要なデータは下記の通りです。

SG:トータル 
1ラウンドにおいて、出場選手の平均と比べて稼ぐ(または失う)ストローク数。平均ストローク数と似たデータですが、コースの難易度にとらわれずにデータ化しているため、実力がより明確に表れる。

SG:オフ・ザ・ティー
ティーショットで稼ぐ(または失う)ストローク数。

SG:ティー・トゥ・グリーン 
ティーショットからグリーンオンするまでに稼ぐ(または失う)ストローク数。

SG:アプローチ・ザ・グリーン 
グリーンを狙うショット(パー4なら2打目)で稼ぐ(または失う)ストローク数。

SG:アラウンド・ザ・グリーン 
グリーン周りで稼ぐ(または失う)ストローク数。

SG:パッティング 
グリーン上で稼ぐ(または失う)ストローク数。

2021年の松山英樹と22年のシェフラーのスタッツは?

 昨年のチャンピオン、スコッティ・シェフラーの2021-22シーズンの主要スタッツを見てみましょう。

SG:トータル 2.283(ツアー2位)
SG:オフ・ザ・ティー 0.356(ツアー37位)
SG:ティ・トゥ・グリーン 2.268(ツアー1位)
SG:アプローチ・ザ・グリーン 0.931(ツアー6位)
SG:アラウンド・ザ・グリーン 0.347(ツアー24位)
SG:パッティング 0.16(ツアー98位)

 以上の通り、昨シーズンは、ティーショットからグリーンまでのショットが驚異的に良かったことが分かります。SG:パッティングのデータは目立ったものではありませんが、それでもツアーの平均よりは少し上、といったところです。

 21年の王者、松山英樹の20-21シーズンのスタッツも見てみましょう。

SG:トータル 0.641(ツアー48位)
SG:オフ・ザ・ティー 0.240(ツアー50位) 
SG:ティー・トゥ・グリーン 1.074(ツアー15位)
SG:アプローチ・ザ・グリーン 0.614(ツアー17位)
SG:アラウンド・ザ・グリーン 0.220(ツアー39位)
SG:パッティング -0.433(ツアー175位)

 シェフラーの驚異的なシーズンのスタッツに比べると数値は低いですが、ティーからグリーンまでのスタッツはツアー屈指のデータです。

 シーズンを通したパッティングのスタッツは決して良くありませんでしたが、優勝したマスターズでは、同週の平均パット数が10位タイと好調だったことが勝因に挙げられるでしょう。

過去10年間の優勝者のスタッツ

【写真】ウソ! サンドイッチが1.5ドル!? マスターズ会場のフードメニュー

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マスターズの会場内に数カ所あるコンセッションスタンド(売店)
カメラを向けると笑顔で応えてくれたスタッフの皆さん
右手にビール、左手には飲み終わった大量のカップを持つパトロン
スナック類の品揃えが豊富で安い
「マスターズクラブ」という名のついたハムとチーズのサンドイッチ
2022年大会のメニュー表
2021年覇者の松山英樹にグリーンジャケットを着せてもらうスコッティ・シェフラー 写真:Getty Images
ショット力に強みを持つ選手が多いマスターズ覇者の中、グリーン上でのスタッツが群を抜く2015年優勝のジョーダン・スピース 写真:Getty Images
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