「ツアー中継でやってたから」で勘違いしがち! グリーン周りのスプリンクラー正しい救済の受け方

トーナメント中継を見ていて、プロがグリーン周りのスプリンクラーヘッドにかかる場合に、無罰で救済を受けている様子を目にした記憶がある人もいるのではないでしょうか。その印象が強いため、自分のプレーでも同じ処置をしている人もいるかもしれませんが、実は知らず知らずのうちに違反している可能性があるのです。

先週のPGAツアー競技でも救済を受けるシーンが

 多くのゴルフ場のグリーン周りには散水設備のスプリンクラーヘッドが敷設されています。そのスプリンクラーヘッドの上にボールが止まったり、スタンスがかかる。あるいは、意図するスイングの障害になるときは、「動かせない障害物」による障害が生じているとして、無罰の救済を受けることができます。その際には、次に使用するクラブを使って「完全な救済のニヤレストポイント」を決め、その地点を基点に、ホールに近づかない1クラブレングス(通常は使用するドライバーの長さ)の救済エリアにドロップしなければなりません。

スプリンクラーヘッドに載ってしまった場合はもちろん救済が受けられるが… 写真:GettyImages
スプリンクラーヘッドに載ってしまった場合はもちろん救済が受けられるが… 写真:GettyImages

 この救済は、多くのゴルファーが経験していると思います。

 ルールでは、規則16.1a「救済が認められる場合」で、「プレーヤーの球が異常なコース状態に触れている、またはその状態の中や上にある」。あるいは、「異常なコース状態がプレーヤーの意図するスタンス区域や意図するスイング区域の物理的な障害となる」ときは、規則上、異常なコース状態(「動かせない障害物」が含まれる)による障害が生じているとされ、救済が認められています。

 これに加え、プロのトーナメントでは、グリーン周りのスプリンクラーヘッドがランニングアプローチの線上で、かつボールのすぐ先にあるとき、プレーヤーが救済を受けるシーンを見たことはないでしょうか?

 先週のPGAツアー競技「メキシコオープン」の最終日にも、勝利したジェイク・ナップと激しい優勝争いを続けていたサミ・ヴァリマキが17番パー3で、グリーン右手前の芝が短く刈られたエリアからパターでアプローチを試みる際に、ボールのすぐ先にあったスプリンクラーヘッドがプレーの障害になることが認められ、救済を受けるシーンがテレビ中継に映されていました。

ローカルルールによる救済で、厳格な条件も付されている

 ただし、この救済はPGAツアーが採用するローカルルールによるもので、ジェネラルルールではありません。つまり、同様の状況になれば、必ず受けられる救済ではないのです。プレーするゴルフ場や競技の委員会が同ローカルルールを採用しているときにのみ、救済のフリードロップができるわけです。

 しかし、先の「メキシコオープン」のヴァリマキの救済シーンでも、「ローカルルールでの救済」との解説・説明がありませんでしたから、ジェネラルルールと勘違いしている一般ゴルファーがいるかもしれません。

 しかも、この救済には通常、厳格な条件が付されてありますから、安易に「このスプリンクラーヘッドがライン上にあるから、ドロップするね」と処置しないように。

 では、その規則「ローカルルールのひな形F-5」を見てみましょう。

【ローカルルールひな型F-5 パッティンググリーンに近接する動かせない障害物】
〈球がパッティンググリーン以外の場所にある場合、プレーヤーのプレーの線上にある動かせない障害物それ自体は、規則16.1に基づく障害ではありません。通常、罰なしの救済は認められません。
 しかし、パッティンググリーンを外れたところからパットすることが一般的なストロークの選択肢となるくらいにパッティンググリーンのエプロンやフリンジが十分刈られている場合、そのパッティンググリーンに近接する動かせない障害物はそうしたストロークの障害となる可能性があります。
 そうした場合、委員会はプレーヤーの球がジェネラルエリアにあり、そのパッティンググリーンに近接する障害物がそのプレーヤーのプレーの線上となる場合に、規則16.1に基づく追加の救済の選択肢を与えることを選ぶことができます〉

 つまり、この救済が認められるのは、まずボールがグリーン手前のエプロン(=花道)やグリーン周りのフリンジ(=カラー)にあり、その地点が「芝が短く刈られてある」ため、パターでのアプローチが一般的なときなのです。あくまでも「パターでのアプローチ」が一般的なシチュエーションです。

 そして、グリーンに近接する「動かせない障害物」がプレーヤーの「プレーの線上」にあり、ストロークの障害になる場合に限られています。ローカルルールのひな形F-5では、プレーの線上にあって、グリーンから2クラブレングス以内にあり、かつボールから2クラブレングス以内にあること、となっています。

 競技でプレーする際には、この救済はより慎重に!

【動画】これがスプリンクラーで無罰ドロップをしていいときとダメなときの解説映像です

【図解】後方線上ドロップの正しい処置と2023年ルール改訂3つの変更点をおさらい

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球がレッドペナルティーエリアにあることが分かっているか、事実上確実で、プレー ヤーが救済を受けたい場合、プレーヤーには3つの選択肢がある。それぞれ1罰打で、 プレーヤーは次のことができる。 (1)直前のストロークを行った場所に基づき救済エリアから球をプレーすることによっ てストロークと距離の救済を受ける。 (2)ホールとX点を結んだ後方線上のペナルティーエリアの外に球をドロップすること によって後方線上の救済を受ける。 (3)ラテラル救済を受ける(レッドペナルティーエリアに限る)。救済を受けるための基点 はX点で、球は2クラブレングスでX点よりホールに近づかない救済エリアの中にド ロップし、その中からプレーしなければならない。(ゴルフ規則 17.1dより抜粋)
1.後方線上の救済は「線の上」にドロップしなければならなくなった
2.救済後、風でボールが再び池に入ったら「無罰でリプレース」
3.間違ってインプレーでない球をリプレースしてパットした「2罰打→1罰打」
スプリンクラーヘッドに載ってしまった場合はもちろん救済が受けられるが… 写真:GettyImages
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