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- 人手不足に加え「ゴルフブーム」も遠因か…!? ゴルフ場での痛ましい“死亡事故”が相次いだ理由とは?
2024年4月は、ゴルフ場での事故のニュースが相次ぎました。
ゴルフ場のコース管理部門は人手不足が慢性化している
4月12日の15時40分ごろ、神奈川県のゴルフ場でコース管理作業車が転倒し、20歳の男性従業員が亡くなりました。19日の5時30分ごろには、愛知県のゴルフ場で25歳の男性従業員が横転したトラクターの下敷きになり、外傷性ショックで亡くなっています。

コース管理作業の中には危険が伴う行為もあるでしょうが、だからこそ、ヘルメットを着用するなどの安全対策もしているはずです。それなのに、なぜ痛ましい事故が起こってしまったのでしょうか。ゴルフ場関係者に聞いてみました。
「まず前提としてうちのゴルフ場で起こったことではありませんから、あくまでも推測であることを承知のうえで話をさせてください。今回は残念な事故が2件も起きてしまいましたが、コース管理作業車が斜面に乗り上げてひっくり返ったりすることは、死亡事故にまではなっていないだけでうちのコースでもありますし、おそらくどこのゴルフ場でも同じです」
「なぜそのような事故が起きてしまうかというと、『これくらいなら大丈夫じゃないか』という気の緩みが原因であることが多いです。それに加え、近年はうちに限らずどこのゴルフ場でも、コース管理部門の人手不足が慢性化しています」
「今回は亡くなったのがいずれも20代の方でしたが、うちでは若い人に入ってほしくても、なかなか入ってくれる人がいません。そのためベテランスタッフがさまざまな作業を手分けしながら行っていますが、先ほど申し上げたように、熟練者でも気の緩みが原因で事故が起こることがあります」
「若い方の場合はもしかしたら気の緩みだけでなく、コース管理作業車の操作が未熟だったことで、最悪の結果を招いてしまったのかもしれません」
早朝プレーや薄暮プレーでコース管理に使える時間が減ったのも原因の一つか
また、前出のゴルフ場関係者は、昨今のコース管理作業事情について次のように指摘します。
「早朝プレーや薄暮プレーが普及する前は、ゴルフ場はお客様がスタートする前とホールアウトした後にゆっくりとコース管理作業を行うことができました。でも今は、4時30分〜5時に早朝プレーがスタートし、13時30分以降は薄暮プレーがスタートしますから、その合間にコース管理作業を行います」
「お客様から『どうしてプレー中にコース管理作業を行っているのですか』と聞かれることがありますが、『その時間しか作業ができないから』というのが答えです。もちろん、お客様がプレーする際には邪魔にならない場所で待機することになっていますが、それすら目障りに感じる人もいるでしょう」
「それでもまだうちは、お客様のプレーの合間にコース管理作業をする時間があるほうです。今回事故が起こったのはいずれも大手ゴルフ場運営会社の系列コースです。大手さんはコースが空いている時間をなるべくなくすように早朝プレーや薄暮プレーを充実させてきましたから、『一体どのタイミングでコース管理作業をするのか?』と思うことがあります。愛知県の事故は朝の5時30分ごろに発生していますが、もしかしたら時間に追われながら作業をしなければならないプレッシャーもあったのかな…と感じます」
どちらのゴルフ場も再発防止に向けて何らかの対策を行うはずですが、集客を優先するとコース管理に負担がかかるというのが事故の背景にありそうです。
この問題を解決するには、一部のゴルフ場では導入されている「無人芝刈り機」で夜間にコース管理作業をし、日中の作業を減らして効率化を図るなど、新たな取り組みが必要になるかもしれません。
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