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- 「日本女子OPでも検査」ゴルフ界のアンチ・ドーピング 過去の違反者や検査頻度は? 五輪代表になると?
「パリ五輪」でのドーピング検査が全選手中39%の4150人に行われ、過去最多となったというニュースをみなさんはどうお聞きになったでしょうか。8月末には、総合格闘技「RIZIN」のタイトルマッチではドーピング疑惑が浮上しました。今回はゴルフ界におけるアンチドーピングの活動を取材しました。
総合格闘技「RIZIN」でドーピング疑惑が浮上した
「パリ五輪」でのドーピング検査が全選手中39%の4150人に行われ、過去最多となったというニュースをみなさんはどうお聞きになったでしょうか。8月末には、7月に行われた総合格闘技「RIZIN」のタイトルマッチでのドーピング疑惑が浮上。その後、名指しされた選手が否定会見を行っています。検査結果は“シロ”だという発表がされましたが、疑惑をめぐりさまざまな憶測が飛び交う事態になりました。
基本的なことですが、ドーピングとは「スポーツにおいて禁止されている物質や方法によって競技能力を高め、意図的に自分だけが優位に立ち、勝利を得ようとする行為」(日本アンチ・ドーピング機構=JADAオフィシャルウェブサイトより)。意図的であるか否かに関わらず、ルールに反する行為で競技能力を高めたり、そのことを隠すことも、ドーピングと呼ばれます。
スポーツをスポーツとして成り立たせるために、このドーピングに反対し、教育、啓発、検査などをするさまざまな活動をするのがアンチ・ドーピング。スポーツをフェアに行うため、そしてアスリートの健康を守るために、現在では当たり前のこととして広がりつつあります。
アンチ・ドーピングについては、1999年にIOC(国際オリンピック委員会)を中心に必要性が認識され、設立されたのが世界アンチ・ドーピング機構(WADA)。2年後に日本アンチ・ドーピング機構(JADA)ができています。
各ツアーがアンチ・ドーピングを行っている
ゴルフの世界でもアンチ・ドーピングの活動はもちろん広がっています。当然ですが、ツアーもアンチ・ドーピングを行っています。
女子ツアーを主管する日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)は「スポーツの基本理念であるフェアプレー精神に則り、JLPGAが主催、公認、後援するツアー競技において、JLPGAドーピング防止規程に基づいたドーピング検査を実施しています」とオフィシャルウェブサイトでうたっています。毎年、シーズン前にはそのことを選手たちに告知。抜き打ちで検査をしないと意味がないことから、検査の頻度などは公表していませんが「年に複数回、行っています」(JLPGA)とのこと。2010年3月に規定を制定、以後、アンチ・ドーピング委員会をつくっています。
男子ツアーはどうでしょうか。こちらも2009年10月の「コカ・コーラ東海クラシック」最終日に、初めてドーピング検査を実施。現在は、毎年QTセミナーで選手に詳細を告知。各会場のロッカー付近にポスターを張るなどの啓蒙活動を行うなどしています。JLPGA同様、頻度などは非公表ですが、年に複数回の検査実施を続けています。
男女両ツアー共に違反者が出た場合、公開報告することになっていますが、今のところその事例はないとのことです。
JLPGA、JGTOはいずれもJADAには加盟していませんが、ゴルフ団体で唯一、JADAに加盟しているのが日本ゴルフ協会(JGA)です。2005年にJOC(日本オリンピック委員会)加盟団体となったゴルフのNF(National Federation=国内競技連盟)でもあるので当然と言えば当然です。「(JGA主催の)日本オープン、日本女子オープン、日本アマ、日本女子アマチュアでは検査をしています。優勝者を含む5~6人。ナショナルチームの合宿でも研修をしています」(山中博史専務執行役)というのが現状です。
オリンピックの代表になると……
ただし、リオ、東京、パリ、そして2028年のロサンゼルスと正式競技になったオリンピックの代表になった時点でいきなり厳しいルールの下に置かれることになります。「居場所情報を提供し、いつ検査を受けてもいい状態にしなくてはなりません」(前述山中氏)。IOCのアンチ・ドーピングへの活動は、冒頭に書いたパリでの検査人数の多さにつながっています。
JGA主催のナショナルオープンも含めて、女子ではほぼ毎週、男子も多くの試合が行われている状況を踏まえ、国際的なアンチ・ドーピングのルールに準ずる形で、独自の規定をつくって対応しているというのが現在のツアーということになります。
薬物などによる不正に競技能力を高めることは、アンフェアであると同時に、時にアスリートの健康に大きく影響を及ぼすことは、もはや常識。オリンピック競技であればなおさらです。個人競技であるゴルフでは、アスリートそれぞれが強いアンチ・ドーピングの意識を持つことが、より求められていくことでしょう。
取材・文/小川淳子
ゴルフジャーナリスト。1988年東京スポーツ入社。10年間ゴルフ担当記者として日米欧のトーナメントを取材する。1999年4月よりフリーランスとしてゴルフ雑誌やネットメディアなどに幅広く寄稿。
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