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- JGTOとPGAって何が違うの? 「Hitachi 3Tours」を見た女性ゴルファーの疑問から見えてきた男子ツアーの“問題点”とは?
12月8日に開催された国内プロゴルフツアー対抗戦「Hitachi 3Tours Championship」を見ていたとき、「これが男子ツアーが女子ツアーに比べてイマイチ盛り上がっていない理由の一つなのでは?」と思うことがありました。
JLPGAに比べるとJGTO・PGAの選手の知名度は低い
12月8日に開催された国内プロゴルフツアー対抗戦「Hitachi 3Tours Championship」。試合を見ていて、「これが日本プロゴルフ界の男女の人気差の一因ではないか」と思うことがありました。
先日「Hitachi 3Tours Championship」の開会式をCS放送のスカイAで視聴していたら、妻が「これ、何の試合?」と興味を示しました。
「男子ツアーと女子ツアーとシニアツアー(50歳以上の男子プロゴルファーを対象にしたツアー)で今年活躍した選手たちが集まって、対抗戦をやるんだよ」と説明したところさらに興味を持ったらしく、洗濯物を干しながら第1組から第3組まで全選手のティーショットを見ていました。ちょうどいい機会なので、出場している18選手の中で知っている選手と知らない選手を教えてもらいました。
妻は今年ツアー復帰した大山志保選手と同学年の1977年生まれで、ゴルフ歴は約15年です。今は小学生の子どもが2人いることもあり年間ラウンド数は1〜2回程度ですが、夫(筆者)がゴルフの原稿を書く仕事をしているので、土日の朝は基本的にCS放送のゴルフネットワークがテレビに映っています。月曜日の朝は海外メジャートーナメントの最終日を見ることもあり、一般的な女性ゴルファーよりもプロゴルフトーナメントを視聴する機会は多いと思います。
妻の答えは次のとおりでした。
「JLPGA(日本女子プロゴルフ協会)チームは6人全員知っている(竹田麗央選手、小祝さくら選手、桑木志帆選手、河本結選手、古江彩佳選手、佐久間朱莉選手)」
「JGTO(日本ゴルフツアー機構)チームは2人しか知らない(今平周吾選手と岩田寛選手)。PGA(日本プロゴルフ協会)チームも2人しか知らない(片山晋呉選手と藤田寛之選手)」
JGTOチームの米澤蓮選手、小木曽喬選手、幡地隆寛選手、清水大成選手と、PGAチームの増田伸洋選手、兼本貴司選手、平塚哲二選手、伊澤利光選手のことは知りませんでした。
JGTOとPGAのすみ分けがゴルフファンに伝わっていない
出場した選手が各チームのベストメンバーではないことはもちろん承知しています。JGTOチームは賞金王の金谷拓実選手とツアー通算20勝の石川遼選手がPGAツアー(米国男子ツアー)の来季出場権をかけたQスクール(予選会)セカンドステージ出場のため不在でした。PGAチームも、賞金ランキング1位の宮本勝昌選手が出場していませんでした。
しかし、それはJLPGAチームも同じです。メルセデス・ランキング2位の山下美夢有選手、3位の岩井明愛選手、5位の岩井千怜選手がLPGAツアー(米国女子ツアー)の来季出場権をかけたQシリーズ(予選会)のファイナルクォリファイングステージ出場のため不在でした。それでも6人全員の顔と名前が一致するのが、女子ツアーの選手層の厚さを示しています。
また、妻から受けた次の質問が男子プロゴルフ界の分かりにくさを物語っていると思いました。
「女子ツアーはJLPGAが管轄しているのに、男子ツアーはなんでPGAが管轄していないの? JGTOって何なの?」
JGTOは、PGAのトーナメント部門が分離独立して1999年に発足しました。しかしながら、今となってはそれが正しい選択だったのかどうか分かりません。当時は30試合以上あった男子ツアーは2024年には23試合まで減り、女子ツアーの37試合に大きく水をあけられています。
JGTOとPGAを再統合しようとする動きも過去にはありましたが、実現しませんでした。結局、JGTOがレギュラーツアーを管轄し、PGAがシニアツアーを管轄するスタイルが20年以上続いています。
女子ツアーも近年、レジェンズツアー(45歳以上の女子プロゴルファーを対象にしたツアー)の試合数を増やしていますが、こちらはレギュラーツアーもシニアツアーもJLPGAの管轄です。そうなると、男子プロゴルフ界の仕組みがますます分かりにくい印象です。
もしかすると、男子プロゴルフの人気を回復するためには、もっとシンプルで分かりやすい仕組みに“再編”するのが近道なのかもしれません。
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