フジサンケイレディス開催の“はずだった”伊東市はいま？ 「1000泊キャンセル」「ツアー仕様の川奈に空き」で穴場に!?

　春爛漫。観戦にも最高のシーズンだというのに、今週末は女子プロゴルフトーナメントがありません。さて、あなたはどう過ごしますか？

　4月25日から27日まで、静岡県伊東市の川奈ホテルゴルフコース富士コースで行われるはずだった女子プロゴルフトーナメント「43rdフジサンケイレディスクラシック」が中止になったニュースをご記憶の方も多いでしょう。

　2月25日公開の「日刊ゲンダイデジタル」は中止の理由として「元タレントの中居正広氏の女性トラブルを巡る一連のフジテレビの問題で存続を危ぶむ声が出ていた中、関係者は開催に向けて準備を進めていたが、開幕が2カ月後に迫って中止の決断をせざるを得なかった」と報じています。

　このスクープ前日まで「開催に向けて準備を進めています」というフジテレビ企業広報部の言葉を信じ、例年通り関係者や観戦客の受け入れ準備を進めていた地元・伊東市の関係者の多くにとって、文字どおり寝耳に水の出来事。筆者の取材にも「何も知りません。報道で知ったような状況ですから」と、多くの関係者が不安と動揺を口にしていました。

　大会中止によって、例年トーナメント関係で来訪する人々で埋まっていた伊東の宿泊枠が白紙に戻ります。その時点で「伊東温泉旅館ホテル協同組合」の関係者は「ここ（組合）を通して予約しているのは（のべ）泊数で650から700くらい。大会関係者や学生アルバイトの方が多いので、大部分が大会期間中に連泊する方々。プロとかキャディーさんとかは定宿があるので、ここを通さない方も結構いらっしゃるはずです」と語っていましたが、やはり事態はもっと深刻でした。

　それから2週間後の3月12日、都内で取材に応じた同大会のゼネラルプロデューサー・戸張捷氏は「のべ1000泊のキャンセルが出た」と具体的な数字を明かしています。地元にとっては緊急事態となりました。

　そのため戸張氏らも「何とか1日だけでも地元でイベントを開催できないか」と働きかけたようですが、実現には至らず。春休みとゴールデンウイークの谷間であるこの時期に、多くの経済効果をもたらしていたフジサンケイレディスクラシックの中止は、今年に限り大打撃となる可能性が大でした。

　実際のところ、4月22日の段階で予約は前年比「5割くらいまで戻った程度」（伊東温泉旅館ホテル協同組合の話）。深刻な状況が続いたまま、幻の“トーナメントウイーク”を迎えてしまったわけです。

　伊東商工会議所の石井裕介専務理事も「観光協会さんとか旅組（伊東温泉旅館ホテル協同組合）さんとか行政（伊東市）にも『みんなでリカバリーしていきましょう』とお声がけをして、『何かお手伝いはできないか』というスタンスで話もしたんですが」と声を落とします。

　それだけに地元の人々の最大の関心事は、来年、川奈にフジサンケイレディスが戻ってくるのかどうか。しかし、フジテレビの企業広報は「現時点で決まっていることはございません」と語るのみ。地元の人々の不安は募るばかりです。