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- “100万Vポイント”に“コメ6俵”… 日本のゴルフツアーが“副賞大国”になった理由とは?
ホールインワンで100万ポイント、優勝すれば車やブランド牛まで……。日本のゴルフトーナメントは賞金だけでなく、個性豊かな副賞も大きな魅力です。選手を喜ばせ、スポンサーや地域PRにもつながる“もう一つの主役”に迫ります。
「○○をいくら分」は選手がSNSで発信しやすい
ホールインワン達成なら「Vポイント」100万ポイント、ベストスコアも100万ポイント、ドラコン賞はヤーデージ×1000ポイント。おなじみの“ポイ活”とは桁違いの数字が並びます。
20日開幕の国内女子ツアー「Vポイント×SMBCレディス」(千葉県・紫カントリークラブすみれコース)の特別賞です。Vポイントを扱う主催者(CCCMKホールディングス、カルチュア・コンビニエンス・クラブ)ならではの特色あるものになっています。Vポイントの前身であるTポイント時代、ホールインワン賞(2017年)をもらった表純子選手が、コンビニでポイントを使おうとしたところ、レジのスタッフに仰天されたというエピソードがあるほどで、毎年、話題となっています。
これは特別賞の例ですが、優勝副賞も含めて日本のゴルフトーナメントには、スポンサー色だけでなく地域色あふれるもの多く、大会の個性が出ています。

トーナメント関係者の一人が、その裏事情を話してくれました。
「選手はもちろん賞金が一番大切だと思いますが、車や記念品などは、誰かにプレゼントすることもできるし、現金とは違うワクワク感があるようです。『○○をいくら分』というような賞だと、選手がSNSで発信してくれるPR効果もあります。『あの大会といえば、あの賞』のようにイメージが定着するのもいいですね。大会としては、そういう副賞や特別賞を贈呈することで、スポンサーに表彰式に出てもらう機会をつくれるんです」。もらう側と贈る側双方に、金額以上の効果がある、とういわけです。
冒頭のVポイントは今週の大会ですが、それ以外を昨年の例で眺めてみましょう。女子の開幕戦「ダイキンオーキッドレディス」では、ルームエアコンやプレジャーボート、琉球ガラスなどの優勝副賞が並んでいます。
「アクサレディス in MIYAZAKI」は宮崎牛1頭分。同じ宮崎開催の最終戦「JLPGAツアーチャンピオンシップ リコーカップ」や、男子の「ダンロップフェニックス」でも宮崎牛の副賞があり、選手の間でかなりの人気となっています。
自動車の副賞が会場に飾られているのは以前から定番です。1973年からの歴史を持つ男子ツアーの「中日クラウンズ」がいい例です。1960年に「中部日本招待 全日本アマ・プロゴルフ選手権」として始まり、65年の第6回大会からの優勝副賞はトヨタ・クラウン。翌66年からは大会名が「中日クラウンズ」に変わりました。地元・名古屋財界を代表するトヨタ自動車協賛のもと、地元色と時代の色が濃く出た大会は、2026年が65回目の開催となります。
過去には副賞の“和牛”がつながれていた大会も
変わり種では「TOTOジャパンクラシック」のウォシュレット一体型便器。日本で目覚ましい進化を遂げた温水洗浄機付き便座は、近年、日本を訪れる観光客の多くが感動ポイントとして挙げるほど広がっています。米女子ツアーの1戦でもあるだけに、目を輝かせる外人選手もたくさんいる副賞となっています。
また、毎年、選手のSNSで話題になるのが「CATレディス」の副賞、ミニホイールローダ。ショベルカーといわれることもありますが、掘る、ではなくすくう、積み込む、運ぶが得意なのがホイールローダ。自宅で使う、という選手も時折いますが、お世話になったゴルフ場などにプレゼントするケースが多く、感謝されるようです。
開催地の自治体が後援している大会も多く、宮崎牛や飛騨牛、土佐和牛などの特産品が並ぶのもおなじみの光景です。すでに姿を消してしまった大会ですが、熊本県で行われていた「ブリヂストン阿蘇オープン」(1978~93年)では、副賞が地元名産の赤牛。大会期間中は18番の近くにデモンストレーションとしてつながれており、毎年話題になったものでした。
日本のツアーらしく、お米が優勝副賞や特別賞となる試合もたくさんあります。以前からのことですが、昨年はこれがとても喜ばれました。そう、米不足、それに伴う価格高騰があったからです。
新潟県開催で、主催者も同地の企業であるヨネックスレディスでは、6俵(約360kg相当)もの米が副賞になっています。地元や、関係ある施設に寄付したりもしますが、自らのエネルギー源としておいしく頂く選手もいます。
果物などの季節の農産物、ニチレイ商品1年分(ニチレイレディス)や資生堂化粧品100万円分(資生堂・JALレディス)、エリエール商品1年分(大王製紙エリエールレディス)などの実用的なものもあります。
賞金額に注目するだけでなく、副賞や特別賞に着目すると、いつもは退屈な表彰式も、興味深く見ることができるかもしれません。名産品お取り寄せやふるさと納税の参考にもなるかも……。
取材・文/小川淳子
ゴルフジャーナリスト。1988年東京スポーツ入社。10年間ゴルフ担当記者として日米欧のトーナメントを取材する。1999年4月よりフリーランスとしてゴルフ雑誌やネットメディアなどに幅広く寄稿。
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