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ゴルフを教育課程に初採用! 中1生の“仲間づくり”に個人スポーツを組み込む狙いとは?【小川朗 ゴルフ現場主義!】
栃木県鹿沼市の中学校で4月28日、R&A公認の「コミュニティゴルフ」を教育課程に組み込む初めての学校行事が行われました。ゴルフを初めて体験する中学1年生たちの反応は?
“ゴルフのまち”を標榜している鹿沼市ですら経験者は29分の4
学校教育の現場にゴルフを取り入れる。そのモデルとなることが期待されているR&A公認の「コミュニティゴルフ」が4月28日、教育課程に初めて組み込まれました。
鹿沼市立北中学校(栃木県)の1年生が参加した「自然生活体験学習」の一環として実施されたもので、会場となった鹿沼市の自然体験交流センター(わくわくネイチャーランド)には同市の松井正一市長と中村仁教育長も駆け付け、子供たちの弾ける笑顔を見守りました。鹿沼市と教育委員会の強力なバックアップによって、子供たちにゴルフを体験する機会が生み出されたのです。
朝9時。周囲を森に囲まれた広場に、体験学習2日目(2泊3日)の朝食を終えた中学生58人が出てきました。29人ずつ2つのグループに分かれ、コミュニティゴルフ組が、日本で唯一のナショナルチューター(CGI=コミュニティゴルフ・インストラクターの育成担当)である長嶋淳治さんからの説明に真剣な様子で耳を傾けました。

CGIからゴルフの基本を楽しく学びながら、生きていくうえで役立つライフスキルを学ぶのが「コミュニティゴルフ」です。長嶋さんの「ゴルフをやったことがある人~?」の問いに、手を挙げたのはわずか4人。市内に12コースもあり“ゴルフのまち”を標榜している鹿沼市ですら、ゴルフ経験者は29分の4という割合は少し寂しい気がします。それでも残りの25人にとってはこの日がゴルフ初体験。新1年生たちが抱いているワクワク感は、その表情からも伝わってきました。
29人は6チームに分かれて、まずチーム名を決めます。6つの小学校から進学した新1年生は、前日からの宿泊行事で少しずつ親しくなってはいるものの、まだまだぎこちなさが残ります。それでも、自分たちで話し合ってつけたチーム名は「まなにゃんLOVE」「白米」「菊池先生神神」「なまず」「ギシギシポプラ」「エフレックス」と、バラエティーに富んだもの。みんなの前でその由来を明かすうちに、笑い声も生まれます。チーム名が決まったら、いよいよプレーのスタートです。
クラブはプラスチック製で、使用球はテニスボール。キャッチボールでウォーミングアップしていくと、あちこちから歓声が上がるようになっていきます。ゲームに先立つ基本的なルールは「赤(マーク)は止まれ。黄色は用具を置いておくところ。青(緑)がプレー位置」というもの。プラスチック製の道具でも、安全のために、これを守ることを徹底します。それ以外は、点数も含めてCGIから「みんな、ここはどうする?」と尋ねられた生徒たちが決めていきます。自主性を育むスタイルです。
最初はボールを転がしてターゲットを狙うパッティングの「ドミノ」。その後、空中に飛ばして的を狙うチッピングの「ダーツ」、フルスイングで飛ばしを競う「ドライビング」で大盛り上がり。800ポイントで並んだ2チームによるプレーオフは、息を飲む緊張感の中、おいしく食べた朝ごはんの白米が由来の「チーム白米」が見事優勝。チームメイトのきずなが優勝で深まったことは、ハイタッチをしている様子からも伝わってきました。
勝てなかったチームも、最初に比べて仲間との距離が近くなっていることが手に取るように伝わってきます。残りの29人も、第2部で同様にコミュニティゴルフを楽しみました。
鹿沼市のすべての中学校から1年生が参加するわくわくネイチャーランドの「自然生活体験学習」は、児童や生徒が自然や社会に関する理解を深めると同時に、人と人とのふれあいを図ることで「生きる力」を育成することが目的。地元の企業である鹿沼グループが推進しているコミュニティゴルフとも親和性が高いため、プログラムの一つに初導入されました。
インクルーシブ(包括的)、エンパシー(共感力)という価値観
北中の1年生は約120人。2回に分かれて参加した子供たちはみな、コミュニティゴルフを経験しましたが、学校にも年間の枠組みが決まっており、そのハードルを乗り越える苦労は教育委員会側にもあった様子。中村仁教育長は「学校の方も年間のカリキュラムとかは決まっているところだったので(コミュニティゴルフを)やっていただけて助かりました。われわれも本当に一安心です」と顔をほころばせました。

現場サイドの協力もありました。「自然生活体験学習の打ち合わせで(鹿沼自然交流)センターの先生と打ち合わせした時に、もともと予定を入れてなかったんですけど、『実は鹿沼市の方がゴルフのまちを目指していて、こんな活動があるんです』と紹介をされたんです。センターの方も『まだ中学生対象には実際にプログラムでやったことがない』ということだったので、協力する意味と、ゴルフって子どもたちもなかなか経験しない子はしないで終わっちゃうんで、経験するもいいかなと思って、ぜひにと言って入れてもらったんです」と語るのは荻原悟学年主任。
さらに「今回の自然生活体験学習の狙いの一つが仲間作りっていうところから、あとは集団としての規律を高めていくっていうのが狙いなので、これも仲間作りの要素も含まれながら、やっぱり赤で止まるとか、黄色、青とかルールを守らないと楽しさは生まれない。それが体験できているので、すごくいいなと思います」と今回の成果を強調しました。
松井正市長も視察に訪れ、子どもたちを気さくに連続ハイタッチでねぎらうと、子どもたちも「市長!」「市長!」とすっかり仲良しに。市長も手ごたえを十分に感じた様子で「どんどんお子さんたちに体験してもらったり、コミュニティの方々も体験したり、いい傾向に展開が3世代になってますね。徐々にいろんな方に裾野を広げていって、ますますコミュニティゴルフの推進を図っていきたいと思います」と活動の拡大路線を明言しました。
JGAを通じてチューターからの指導を受け、CGIを自社で養成している鹿沼グループの福島範治社長は「本当にこのプログラムは子どもたちの教育課程にもすごく合っていると思います。コミュニティゴルフの持つ、誰でも安心して参加できるというインクルーシブ(包括的。誰も取り残さないこと)、仲間たちの心に寄り添いながら楽しくやるというエンパシー(共感力)という価値観は、自然体験交流センターでの学習の一環とも通じているな、と見ていて感じました」と手ごたえをつかんだ様子。
さらに「今後もいくつかの中学校や小学校が参加する自然体験交流センターでのプログラムが開催されます。われわれ鹿沼グループとしても、積極的にこのインストラクターを派遣しながら協力してまいりたいと思います」と活動を継続していくことを明かしました。
JGA、鹿沼市、そして地元企業の鹿沼グループががっちりスクラムを組んで、中学生の教育にゴルフのエッセンスを盛り込んだ体験でサポート。こうした実績が積み上がり、全国に広がって行けばゴルフが学習指導要領に採用され、授業に組み込まれる可能性も一気に跳ね上がるはずです。
ゴルフを通じて子供たちを健やかに育てる。その確かな一歩が、ついに踏み出されました。
取材・文/小川朗
日本ゴルフジャーナリスト協会会長。東京スポーツ新聞社「世界一速いゴルフ速報」の海外特派員として男女メジャーなど通算300試合以上を取材。同社で運動部長、文化部長、広告局長を歴任後独立。東京運動記者クラブ会友。新聞、雑誌、ネットメディアに幅広く寄稿。(一社)終活カウンセラー協会の終活認定講師、終活ジャーナリストとしての顔も持つ。日本自殺予防学会会員。(株)清流舎代表取締役。
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