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- 3メートルのウイニングパットもわずか6秒! 全英覇者の“速すぎる”始動に学ぶプレッシャー対策
PGAツアーの解説も務めるゴルフスイングコンサルタント・吉田洋一郎氏が、ツアーの第一線で活躍する選手のプレーを独自の視点で分析。今回は、「全英オープン」でメジャー初制覇を飾ったライアン・フォックス選手のルーティンに注目しました。
早い始動の理由「時間をかけると余計なことを考えてしまう
今年の「全英オープン」は、ニュージーランド出身のライアン・フォックス選手の優勝で幕を閉じました。
初日は2オーバーの「72」で85位タイと出遅れましたが、2日目に2アンダーの「68」をマークして52位タイに浮上。さらに3日目には「62」と猛チャージをかけ、一気に優勝争いへと加わりました。
最終日は首位と2打差の2位タイからスタートし、「68」をマーク。2位のキャメロン・ヤング選手に1打差をつけ、通算10アンダーで自身初のメジャー制覇を成し遂げました。

フォックス選手は、プレーが速いことでも知られています。今大会、3メートルのウイニングパットを打った場面でも、そのスピードは変わりませんでした。
ツアーの公式SNSには、最後のパットの様子がストップウォッチ表示付きで公開されています。
最終組で同組だったサム・バーンズ選手がパーパットを沈めた瞬間に計測がスタートし、フォックス選手がストロークを始めるまでに要した時間は22秒23。素振りを終えてから始動するまでは、わずか6~7秒程度でした。
本人によれば、早くプレーする理由は「時間をかけると余計なことを考えてしまうから」だそうです。
アマチュアはアドレスから15秒以内を目安に
今大会でPGAツアー通算3勝目を挙げたフォックス選手ですが、初勝利と2勝目はいずれもプレーオフの末につかみ取ったものです。メジャー初優勝がかかった3メートルのバーディーパットを沈め、さらにプレーオフも勝ち抜いてきた勝負強さには、プレーの速さも影響しているのかもしれません。
プレッシャーがかかる場面でミスが増えてしまう人は、フォックス選手のようにプレーのペースを速くしてみるのも一つの方法です。ただし、単に急いでプレーすればいいというわけではありません。まずは、自分なりのルーティンを確立することが大切です。
例えば、「ボールの後方でターゲットを見ながら2回素振りをする。3歩でアドレス位置に入る。軽く足踏みをしながらターゲットを確認し、すぐに始動する」といった具合です。このように一連の動きをオートマチック化しておけば、プレッシャーがかかった場面でも体が固まりにくくなります。
素振りの回数や歩数、ターゲットを見る回数などは、自分に合った方法で構いません。ただし、ルーティンの中に「足踏み」を取り入れることはオススメです。プレッシャーがかかると、重心は上がりやすくなるため、足踏みをすることで重心が下がり、体がスムーズに動きやすくなるのです。
自分のルーティンが確立したら、ストップウォッチで時間を計測してみましょう。
チェックしたいのは、アドレス位置でスタンスを決めるために足を動かした瞬間から、始動するまでの秒数。フォックス選手は6~7秒程度でしたが、一般のアマチュアゴルファーであれば、まずは15秒以内を目安にするといいでしょう。20秒以上かかってしまう人は、足踏みなどでできるだけ体を動かし、じっと静止している時間を減らすことを心掛けてみてください。
プレッシャーがかかると、どうしても「ミスしたらどうしよう」「池に入れたくない」といった余計な考えが頭をよぎります。アドレスしてから動かずにいる時間が長くなるほど、こうした考えが膨らみやすくなるものです。
ルーティンを確立すること。そして、静止する時間をできるだけ短くして始動すること。これはパッティングだけでなく、ショットにも共通するプレッシャー回避法です。
「お豆腐メンタル」を自覚している人は、フォックス選手のルーティンを参考に、自分なりの始動タイミングを見つけてみてはいかがでしょうか。
【解説】吉田 洋一郎(よしだ・ひろいちろう)
1978年生まれ、北海道出身。世界のゴルフスイング理論に精通するゴルフスイングコンサルタント。デビッド・レッドベターから世界一流のレッスンメソッドを直接学ぶ。毎年数回、米国、欧州へ渡り、ゴルフに関する心技体の最新理論の情報収集と研究活動を行っている。欧米の一流インストラクター約100名に直接学び、世界中のスイング理論を研究している。海外ティーチングの講習会、セミナーなどで得た資格は20以上にのぼる。
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