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- 「終わったグリーンで練習可」のルールにレジェンドプロが「知らなかった!」 プロゴルファーほど“初耳”な理由とは?
全米オープンの競技中断中、中継で紹介された「ホールアウト直後のグリーンで練習できる」というルールに、メジャー王者のジム・フューリックも驚いた。レジェンドプロでも初耳なのには理由があった。
USGAの選手権では終了したばかりのホールのグリーンで練習できる
全米オープンの初日。舞台のシネコックヒルズは早朝から霧が立ち込め、競技は開始から30分後の7時過ぎに一時中断となりました。この中断は規則上の「通常の中断」(規則5.7b(2))で、ホールをプレー中の選手は即座に中断するか、そのホールを終了(ホールアウト)するかの選択が可能でした。
結局、中断は2時間ほど続いたので、TV中継局のUSAネットワーク(NBCスポーツグループ)は全米ゴルフ協会(USGA)のルール担当シニアマネジャーのジェイ・ロバーツ氏を招き、中断の間に選手ができることや今後の見通しなどの解説を語ってもらいました。
するとそのなかで、メイン解説者で2003年全米オープンチャンピオンのジム・フューリックが「まったく知らなかった」と驚く規則が紹介されたのです。

その規則は、もう一人の解説者、トム・アボットがロバーツ氏に「この中断中、選手はホールアウトしたばかりのグリーンで練習することができますか?」と尋ねたことから言及されました。
「可能です。プレーヤーはプレーを終えたばかりのホールのグリーンで練習することが許可されています」とロバーツ氏。それによれば、次のホールのプレーを始めていなければ、前のホールのグリーンでパッティングやチッピングの練習をすることができるというのです。
これにフューリックは「驚きの指摘です。まったく知りませんでした」とびっくりすると、アボットが続けて「USGAの選手権では、(中断中でなくても)プレーの進行を遅らせない限り、前のグリーンで練習することが認められているよ」と説明。重ねてフューリックを驚かせたのですが、「ジム、君だけじゃなく、多くの選手が知らないと思うよ」と語ったのです。
これらの練習はジェネラルルールではOKもローカルルールで禁止
ホールアウトしたグリーンでパッティングやチッピングの練習というのは、おそらくほとんどのゴルファーはしたことも、見たこともないでしょう。
しかし、これはジェネラルルールでは、一定の条件のもと認められています。
規則5.2bには「プレーヤーは次の練習をすることができる」として、「終了したばかりのホールのパッティンググリーンやその近くでの練習」とあります。
また、規則5.5b「ホール終了後の練習ストロークの制限」では、ホールとホールの間で練習ストロークを行うことは基本的に禁止なのですが、例外規定があり、「終了したばかりのホールのグリーンや練習グリーン」および「次のホールのティーイングエリア」とその周辺では「パッティングやチッピングの練習をすることができる」となっています。ただし、「このような練習ストロークをバンカーからしてはならず、プレーを不当に遅らせてはならない」と規定されています。
ところが、ベテランプレーヤーのジム・フューリックが知らなかったように、PGAツアーをはじめ、ほとんどの競技団体(日本ゴルフ協会も含まれる)では、こうした練習をローカルルールで禁止しています。
「ローカルルールひな型 I-2」を採用したもので、その規則文は次のように書かれています。
「規則5.5bは次のように修正される:2つのホールのプレーの間、プレーヤーは次のことをしてはならない。
・終了したばかりのパッティンググリーンやその近くで練習ストロークを行うこと。
・終了したばかりのパッティンググリーンの表面をこすったり、球を転がすことによってパッティンググリーン面をテストすること」
また、国内ゴルフ場の多くも一般ゴルファーに対してローカルルールでこの練習を禁止しています。手元の某ゴルフ場のスコアカードには、「終了したばかりのパッティンググリーンやその近くでのパッティングまたはチッピングの練習を禁止する」といったローカルルールが書かれています。
プロも一般アマも「ホールアウト後のグリーンで練習することはできない」と思い込むのは無理からぬことなのです。
しかし、USGAの選手権はジェネラルルールどおりの競技運営で、規則5.2bならびに5.5bの「例外」で認められる練習は可能だったのです。知りませんでした。
文・小関洋一
出版社、編集プロダクションを経て83年からフリーランスライターに。テレビ誌・トレンド誌などで主にスポーツに関する記事を執筆。テレビ、ラジオのスポーツ番組の構成も手掛ける。その後はゴルフ誌やネットメディアで内外の最新情報やゴルフ場レポート、ルール解説を執筆。JGAやKGA競技のオフィシャルライターも務める。東京ゴルフ倶楽部や日本ゴルフ協会の年史制作に携わっており、ゴルフ史に関する執筆機会も多い。
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