松山は当然 優勝候補の一人
マスターズチャンピオンとなった松山英樹の次のメジャーへの挑戦は、全米プロゴルフ選手権となります。

4月のマスターズで日本人として初めて優勝した松山は、これに続くメジャーの今大会でも、当然、優勝候補の一人とされています。そのため、初日の組み合わせも、全米プロのディフェンディングチャンピオンのコリン・モリカワ(米)、全米オープン優勝のブライソン・デシャンボー(米)が一緒になっています。2つ目のメジャータイトルに向けて、否が応でも気合が入ることになりますね。
マスターズで優勝する前に松山が最もメジャータイトルに手が届きかけたのが、実はこの全米プロでした。悪天候で最終日が36ホールとなった2016年に4位タイに入っています。次の2017年は米ツアー4勝目を飾った直後のことで、前の年のリベンジの意味もあり注目を集めていました。予想通りに単独首位で最終日の前半を終えたのですが、残念ながら後半スコアを落として5位タイに終わっています。この時、涙を流して悔しがった姿は、記憶に新しいものです。
今年の舞台はアメリカ東海岸のサウスカロライナ州。全部で90ホールある広大なゴルフリゾートのオーシャンコースです。「すべてのホールから大西洋が見える」といううたい文句通り、白い砂が美しい海岸に沿ったコースは、まぶしいほど美しく見えます。けれども、海が近いということは、ひとたび風が吹けばコンディションが難しくなるということでもあります。風次第では、同じ距離でも使うクラブがまったく違うといわれるほどの強風が吹く可能性もあるのです。
これまでのメジャーで一番長い全長7876ヤード・パー72のセッティングと、細かい傾斜のある難しいグリーンで、世界のトッププレーヤーたちの手腕が問われることになります。
コロナ禍で一時は危機的状況にあったアメリカですが、ワクチン接種が順調に進み、今大会は「1日1万人」と制限付きながら観客を入れて行われます。メジャートーナメントの観客動員数は、日本のゴルフツアーとはケタ違いです。2012年に同じコースで行われた全米プロの観客数は1日約3万人だったので、1万人は少ないですが、無観客だった昨年を考えると希望が見えてきます。
日本からは、松山の他に星野陸也、金谷拓実の好調な若手2人が参戦するのも楽しみです。