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- 五輪ゴルフを陰から支えた「リザーブキャディー」とは?
稲見萌寧選手が銀メダルを獲得し話題となった東京五輪のゴルフ競技。真夏の酷暑の中での試合でにわかに注目を集めたのが、「リザーブキャディー」という存在でした。過酷な状況のなか、不測の状況に備え続けた彼らの本音を取材しました。
女子の試合で発生した緊急事態 リザーブキャディーの本音

有事に備え、常に対応できるように待機するのが仕事のリザーブキャディー。男子の日程が終わり、女子の開幕を翌日に控えた8月3日から、緊急事態が立て続けに発生します。
金メダルの有力候補と見られていた笹生優花選手のキャディーを務めるライオネル・マテチェック氏が熱中症でダウン。リザーブキャディーにもすぐに連絡が入りましたが、同じフィリピンチームのコーチが代役としてバッグを担ぐことになりました。笹生選手にとってメジャー初優勝となった全米女子オープンの激闘を支えてくれた、頼れる「優勝請負人」の離脱は、本人にとっても大きな誤算でした。
さらに翌日の大会初日、笹生と同じ組で回る米国のレキシー・トンプソン選手のキャディーであるジャック・ファルグム氏もラウンド中に熱中症で動けなくなり、急きょキャディーを変更することに。こちらもチーム内のスタッフで対応することになりました。結局リザーブキャディーの出番はなかったものの、その後もいつでも代役を務められるように、しばらくフォローする形になっていたそうです。
しかし女子の最終日、畑岡奈紗選手のキャディーを務めるグレッグ・ジョンストン氏が腰痛で離脱したため、男子大会で星野陸也選手のキャディーを務めた薬丸龍一氏が代役を務めたのはご存じのとおり。結局、残り2人のリザーブキャディーは出番のないまま、今回の仕事を終えることになりました。
そのうちの1人に、ゴルフ競技終了後、話を聞くことができました。霞ヶ関カンツリー俱楽部での15日間は、関係者が詰めるテントで、ひたすら待つことが仕事だったとか。
「ほとんど外には出ず、待機する形でした。冷房も効いていて、テレビもあって、快適でしたけど、楽しみがなくて。お弁当も毎日同じようなものだったので、カレーやソーセージなんかを持っていって、アレンジすることに楽しみを見つけていました」
コロナ禍での開催とあって、宿泊先の川越市内のホテルでも出歩くことは控えていたそうです。「毎日PCR検査も受けていましたが、やはり感染はしたくないですから」と、待ち続けた15日間を振り返ってくれました。
さらに出番がなかったことへの感想を求めると、意外な答えが返ってきました。「もちろん、オリンピックでキャディーをすることにはあこがれもありますよ。でも本音を言えば、やりたくなかったです」
日本の最も暑い時期に、最も暑い場所ともいわれる川越で行われることで、選手や関係者の熱中症が心配された東京五輪のゴルフ競技。それだけに、熱中症で倒れることへの恐怖から出た言葉かと思いきや、本音はまったく別の所にありました。
「みんな国を背負って試合に出ているわけですよ。そんな中でいきなりキャディーをさせられても、正直その国を背負えないです。だからこそ、自分の思い入れがある選手のキャディーをしたい。もちろん、行けと言われればやるつもりでしたが」
不測の状況に備え続けた彼らの本音が、リザーブキャディーという仕事の難しさを教えてくれました。
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