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- P・ミケルソンが「NYのアイスクリーム」について熱く語ったワケは?【舩越園子の砂場Talk】
メジャー6勝、米ツアー45勝を誇るゴルフ界のレジェンド、フィル・ミケルソンが、ニューヨークでのアイスクリーム販売について怒っているという。その裏にあるミケルソンの真意と、世界中の人々から愛され続ける理由を紹介します。
レジェンドが怒った「NYでのアイスクリーム販売」の真意
「それは、NYC(ニューヨーク・シティ)でアイスクリームの販売を禁止するようなものだ!」
メジャー6勝、米ツアー45勝を誇る米国のフィル・ミケルソンが、そんな怒りの声を上げている。
ゴルフを始めたばかりの方々や米ゴルフ界のことを「あまり知らない」という方々は、「どうしてプロゴルファーがニューヨークのアイスクリームの販売の話に怒っているのか?」と、首を傾げるかもしれない。
だが、これはミケルソン特有のユニークな話法の1つであり、彼が本当に怒っているのは、アイスクリーム販売禁止の話ではなく、ドライバーの長さ規制の話なのだ。
米ゴルフ界のルールや規則をつかさどるUSGA(全米ゴルフ協会)は、ドライバーの長さの規制を現行の48インチから46インチへ変更しようと現在検討中だ。
しかし、今年の全米プロを47.5インチのドライバーで戦って史上最年長メジャー優勝を成し遂げたミケルソンは、この規制に猛反対している。
そして、USGAが行なおうとしている変更が、まったく的外れであることを強調するために、アイスクリームの話を例えとして用いたのだ。
「たとえば、ニューヨークで犯罪発生率が上昇しているとしよう。そのとき、たまたまニューヨークでアイスクリームの売り上げが上昇しているとしよう。本来、まったく関係も関連もないというのに、たまたま同時期に上昇しているからと言って、アイスクリームの販売を禁止すれば、犯罪が減るかのごとく意味合いを読み違える。それと同じように、USGAはデータをミスリードしている。ドライバーの長さは48インチではダメだと、一体どのデータが示しているのか?46インチまでならOKだと、どのデータが示しているのか?」
そんなミケルソンの力説を聞いていると、ドライバーの長さの規制に興味が無かった人々でも「なるほど」「面白いね」と関心を抱くようになる。
そんな特殊な話法は、ミケルソンが身に付けている特別な才能と言っていいと思う。
世界中の人々から愛され続けるフィル・ミケルソン
そもそもミケルソンは、1991年に大学生のアマチュアにして米ツアー初優勝を挙げて以来、今日に至るまで、長年、米国のみならず世界中の人々から愛され続けている。
大観衆の拍手や歓声には、親指を立ててサムアップしながら笑顔で応える。ファンサービスを誰よりも重んじることでも知られており、30分でも1時間でもサインをし続けるミケルソンは米国の国民的スターだが、その一方で、思い立ったら即発言し、即行動する彼は、さまざまな「騒動」も起こしてきた。
「メジャー優勝は時間の問題だ」と期待されながら、なかなかメジャーに勝てず、「メジャー・タイトル無きグッドプレーヤー」という屈辱的な称号を授けられていた時代には、「いつになったらメジャーに勝てる?」と問われ続けることに嫌気がさし、取材拒否をしていた時期があった。
「ドロー用とフェード用、2本のドライバーをバッグに入れて戦う」と宣言し、ゴルフ界全体を仰天させたこともあった。
そうやって世間を騒がせても、ミケルソンは次々に勝利を重ね、ちゃんと結果を出してきた。だからこそ、彼の独特の話法は大きな影響力を発揮し、いつも話題になる。
ミケルソンが優勝できていない唯一のメジャー大会が全米オープンで、その全米オープンを主宰するUSGAとはここ数年、何かとバトルを展開してきた。
全米オープン開催コースのセッティングを「攻略不能。アンフェアだ」と主張し、2017年大会では、長女のハイスクール卒業式出席を優先して大会を欠場。18年大会では、グリーン上でまだ動いているボールをパターで打ち返し、物議を醸した。
それらに比べたら、今回の「アイスクリーム発言」は格段に穏やかな抗議だし、何よりアイスクリームを引き合いに出してくるところが、クスッと笑えるではないか。
そこが一番のミケルソンらしさ。彼が愛されキャラであり続けているワケは、どんなに小難しい状況でも、人々が親近感を抱くような愛らしさを失わないからではないだろうか。
そんな「ミケちゃん」が、私は大好きだ。
文/舩越園子(ゴルフジャーナリスト)
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