「打席が少ない」「道具がない」など　ゴルフの左打ちはやっぱりハンディになる!?

　左打ちが不利とされるのにはいくつかの要因があります。他のスポーツではみられないゴルフ特有の問題とは一体どのようなものでしょうか？

　まず、ゴルフクラブの問題があげられます。左打ち用のクラブは選択肢が少ないのが現状です。需要が少ないため、左打ち用のクラブをラインアップしていないメーカーもあります。左打ち用のクラブはあまり売れないこともあり、ゴルフ量販店によっては、店頭に在庫を置いていないケースも多く、試打などができないこともあります。

　中古クラブでも同様のことが言えます。

　これからクラブを揃える初心者ゴルファーは、費用を抑えるために中古クラブショップを活用するかもしれませんが、ラインアップが少ないため自分にあったクラブを見つけることに苦労する可能性が高くなりがちです。

　ゴルフでは自分に合ったクラブを使うことも、スコアメークでは重要。従って、多くの種類からクラブを選べないことは、不利であると言わざるを得ません。

　さらに、練習環境でも不利な面があります。練習場に左打ち用の打席が少ないことです。

　一般的な練習場では、両打ちに対応した広い打席が1～2打席しかないことがほとんどです。週末など練習場が混雑しているタイミングでは、右打ちの人に比べて待ち時間が長くなる可能性もあります。

　次に、独学でゴルフを学ぼうという方に左打ちは不利になることが多いです。

　書籍や動画など、ゴルフのスイングを学べる教材は数多くありますが、そのほとんどが右打ちゴルファーを対象にしています。お手本となるスイングの写真や動画が右打ちであるため、左打ちの人は直感的にイメージすることが難しくなります。

　ほかにも、左打ちはコースレイアウト面でも不利になることがあります。

　アマチュアゴルファーは多くが「スライサー」だと言われています。つまり、球筋が右に曲がる人が多いということです。一概には言えませんが、日本のゴルフ場では「スライサーに配慮したレイアウト」となっている傾向があります。そのため、コースの右側は傾斜地になっていたり、広くとられているのでスライスしてもOBになりにくいが、左側は狭いのでそちらに曲げると即OBという場合が結構あります。つまり、左打ちのスライスはOBになる可能性が高いこともあるということです。

　このように、ゴルフでの左打ちは多少のハンディを負うことは避けられないと言えるでしょう。これからゴルフを始める左利きの方は、思い切って右打ちとして始めるのも一つの選択かもしれません。

　上述で、ゴルフで左打ちは大きなハンディがあると解説しました。ゴルフにおいて「左利きはデメリットしかないのか」と思われるかもしれませんが、必ずしもそうとは言い切れない部分もあります。なぜなら、ジョーダン・スピースのように左利きの右打ちで活躍しているプロゴルファーが数多く存在しているからです。

　左利きの人が右打ちする最大のメリットは、ゴルフクラブ種類や練習環境ではなくスイングそのものです。

「左腕主導のスイング」がやりやすい、ということが左利きで右打ちのゴルファーが有利な理由として挙げられます。右打ちのゴルフスイングでは、左腕が常にリードしていく形となります。右利きのゴルファーは右腕を使いすぎてしまう傾向があるため、この「左腕主導のスイング」が難しくなってしまいがちです。

　利き腕である右腕を使いすぎてしまうと、どうしてもスイング軌道がブレたり腕だけに頼ったスイングの原因になってしまいます。

　しかし、左利きの人が右打ちにすることは、スイング中に右手の余計な動きをあまり心配しなくてよく、バランスの良いスイングを作りやすいと言われています。

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　ゴルフの左打ちはかなりハンディがあるといえます。クラブや練習環境の問題もあり、努力ではどうにもならない要素が多い点は理解しておくべきでしょう。一方で、左利きで右打ちのプロゴルファーは多く存在しており、左利きだという事自体がマイナスに働くことはない、といえるのではないでしょうか。