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- 亀代順哉がAbemaTVツアー最終戦でプロ初V! 極度のプレッシャーの中でナイスショットを打つには?【石井 忍のここスゴ!】
多くのツアープロのコーチとして活躍している石井 忍氏が、“ここはスゴイ”と思った選手やプレーを独自の視点で分析します。今回注目したのは、AbemaTVツアーの最終戦「ディライトワークスJGTOファイナル」でプロ初勝利を挙げた亀代順哉だ。
ドライビングディスタンスは300ヤード越えの4位
■亀代順哉(かめしろ・じゅんや)/1995年生まれ、徳島県出身。高校1年から青木翔コーチに師事し、大阪学院大時代の2016年に日本アマを制覇。同年はツアーでも活躍し、開幕戦の東建ホームメイトカップ6位などの成績を残す。同年にプロ転向し、17、18年はアジアンツアーにも参戦。持ち前の飛距離を武器に今季のAbemaTVツアーで初勝利を飾った
AbemaTVツアーの最終戦「ディライトワークスJGTOファイナル」(茨城県・取手国際ゴルフ倶楽部・東コース)で解説を務めさせていただきました。今回は、この試合で通算16アンダーをマークし、初優勝を飾った亀代順哉選手に注目したいと思います。
亀代選手は、大学時代に日本アマで優勝した実績の持ち主。プロ転向以降はアジアンツアーでもプレーし、今季はレギュラーツアーにも数試合出場しているプレーヤーです。
彼の武器は、なんといってもドライバーの飛距離です。2020-21シーズンのレギュラーツアー公式記録を見てみると、ドライビングディスタンスは302.66ヤードで堂々の4位にランクインしています。ただ、その一方、フェアウェイキープ率は50.49パーセントで81位。飛ぶ選手にとってドライバーの正確性は課題のひとつですが、彼も例外ではないようです。(10月25日時点のデータ)
そんな亀代選手は、「ディライトワークスJGTOファイナル」最終日でも、スタートホールや11番ホールでティーショットを左に曲げていました。どちらのホールもパーでしのぎましたが、ドライバーが安定せず、フェアウェイキープが難しい中でのラウンドでした。さて、17番ホールで長いバーディーパットを沈め、亀代選手は2位に1打差のトップに立ちます。
初優勝がかかった最終ホール(パー4)は、左サイドがOBというシチュエーション。チーピンを警戒してティーショットを打ってきた亀代選手にとっては、かなりのプレッシャーだったはず。しかも、初日、2日目でボギーを叩いたホールでもあるため、相性が良いとは言えません。
この状況の中、どんなショットを打つのか注目していると、亀代選手はゆっくりと目を閉じた後にルーティンに入り、ティーショットを打ちました。結果は、会心の当たりで300ヤードのビッグドライブ。フェアウェイのど真ん中をとらえたのです。このホールをパーとし、亀代選手は初勝利を手にしました。
18番ホールのティーイングエリアでどんな心境だったのか、何を考えていたのか――。プレーを終えた亀代選手に聞いてみました。彼は、「とにかく自分を信じて振り切ろうと思いました。今日一番振ったティーショットでした」とコメントしてくれました。
重圧がかかる場面ではクラブを短く握って振り切る
アベレージゴルファーに置き換えるなら、「ベストスコアがかかった最終ホール」や「100切りがかかった最後のティーショット」などと似ているのではないでしょうか。
そんなシチュエーションで、皆さんは何を考えていますか? 究極にプレッシャーを感じる場面では、スイングの細かいことを考えず、クラブを短く握って振り切ることに集中する! 亀代選手のようにシンプルに考えた方が、良い結果が訪れるかもしれませんね。
■石井 忍(いしい・しのぶ)/1974年生まれ、千葉県出身。日本大学ゴルフ部を経て1998年プロ転向。その後、コーチとして手腕を発揮し、多くの男女ツアープロを指導。「エースゴルフクラブ」を主宰し、アマチュアにもレッスンを行う。
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