アイアンはスチールでウェッジがカーボンの理由は? 黄金世代の“ギアオタク”植竹希望に学ぶ

「KKT杯バンテリンレディス」でツアー初優勝。続く先週の「フジサンケイレディスクラシック」でも6位タイと好調を維持している植竹希望。実は初優勝の1週間前に行った大胆なシャフト交換が功を奏したようなのです。

大胆なシャフト交換で優勝、6位タイと絶好調

 4月4週の「KKT杯バンテリンレディス」でツアー初優勝を飾った植竹希望。2時間、6ホールにおよぶプレーオフを制しての優勝でした。続く先週の「フジサンケイレディスクラシック」でも6位タイと好調を維持しています。実は初優勝の1週間前には大胆なシャフト交換を行っていたそうです。

ドライバーは60グラム台のSと、最近では男子プロ並みとなったシャフトを使う植竹希望 写真:Getty Images

 植竹は女子選手には珍しくギアオタクであり、クラブへのこだわりが強い選手です。本人も優勝した翌週の記者会見でもこう語っていました。

「もともとゴルフクラブが好きなのもありますし、オタク気質なところもあります。小さい頃に通っていた練習場で工房のおじさんに『クラブが分かっていないと、スイングなんて語れないぞ』に言われて、それ以来クラブとかシャフトとか色々と打つようになりました」

 オフシーズンにもいろいろなクラブやシャフトを試すそうですが、今年はシーズンに入ってからも大胆なシャフト変更をしています。3月から始まった新シーズン、植竹の調子は上々でした。2試合目の「明治安田生命レディス ヨコハマタイヤゴルフトーナメント」では2位タイ、4試合目の「アクサレディスゴルフトーナメント in MIYAZAKI」でも5位タイに入り、予選落ちは開幕戦「ダイキンオーキッドレディス」の1試合のみです。

 アイアンの調子も良くてパーオン率もトップ3に入っていました。しかし、4月2週の「富士フイルム・スタジオアリス女子オープン」から突然、ユーティリティー、アイアン、ウェッジのシャフトをすべて換えました。前週まで「N.S.PRO950GH neo」を使っていたのですが、その試合から計10本のクラブを「KBS C-TAPER95-S」に変更したのです。その理由について、ヤマハゴルフのツアー担当・片岡裕次氏はこう説明します。

「今シーズンも決してアイアンの調子が悪いわけではありませんでしたが、植竹選手はクラブへのこだわりが強くて、向上心がすごい。おそらく『neo』の方がやさしさもあったと思うのですが、あえてハードに打てる『KBS』に戻して、しっかり打つ感覚が欲しかったのだと思います」

 アイアンに対して他にどういうこだわりがあるのでしょうか。

「一番は打感ですね。今、『RMXツアーモデル』を使っていますが、軟鉄鍛造の打感は距離感が出しやすいそうです。このアイアンは、見た目はすごくシャープですが、意外とやさしいので、本人は気に入っています」

ウェッジのスピン不足をカーボンシャフトで補う

 ドライバーのシャフトもやや重めですが、その狙いは?

「植竹選手は60グラム台の『ディアマナZF』を使っています。最近は男子プロでも50グラム、60グラム台のシャフトを使っているので、女子で60グラム台だとすごく重いと思われるかもしれませんが、そんなことはありません。男子プロのパワーだと軽いシャフトでヘッドスピードを上げたほうが飛距離を出せます。でも、女子はシャフトを少し重くして、クラブ総重量を重くしたほうがボールに伝えるエネルギーが大きくなるので飛距離が伸びる。だから、女子でも60グラムのシャフトを使っている選手は結構いますよ」

 植竹のシャフト変更はこれだけに留まりません。優勝した翌週にはウェッジをカーボンシャフトに変更しています。その理由について植竹は「角溝規制(2010年)のときにちょっとだけウェッジをカーボンシャフトにするのが流行ったと思うのですが、その理由はシャフトを柔らかくすることでフェースに球が乗ってスピンが入りやすくなるということでした。今の私は、フェースに球が乗っていない。だからカーボンシャフトにして、クラブで矯正するのもありかなと思いました」と説明しました。

 ちなみに植竹が使い始めたウェッジのカーボンシャフトは三菱ケミカルの「OTツアー90(S)」。植竹が使うウェッジはヘッドも珍しいメーカーのものです。記者会見でそのウェッジについて質問され、こう明かしています。

「昔は共栄ゴルフのウェッジを使っていたのですが、今使っているのはフソウドリームのウェッジです。3、4年前から使っています。オーダーも自由にリクエストできて融通も利くので、そこを頼りにしています。今週はバウンスを8度から6度にしました」

 若い女子プロで、ここまで理論的にクラブについて語れる選手はなかなかいません。長いシーズンのなかで疲れが出てきたり、調子が悪くなったときは自分で適切なクラブを選択して、調子を取り戻すこともできるでしょう。クラブの知識を武器にする植竹の快進撃はまだまだ続きそうです。

植竹希望の最新セッティング

ドライバー/ヤマハRMX 120(ロフト/9.5度 シャフト/ディアマナZF60-S)
フェアウェイウッド/ヤマハRMX FW(3W/15度、7W/17度 シャフト/ディアマナZF60-S)
ユーティリティ/ヤマハRMX VD(4U/22度 5U/24度 シャフト/KBS C-TAPER95-R)
アイアン/ヤマハRMX ツアーモデル(番手/5I-PW シャフト/KBS C-TAPER95-R)
ウェッジ/フソウドリーム BUCHI(52度、58度 シャフト/OTツアー90-R)
パター/オデッセイ トゥーロン マディソン

【インタビュー動画】植竹希望、初優勝時の喜びの肉声

【写真】植竹希望が10人目!“黄金世代”の優勝経験者たちを見る

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