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- なぜゴルフクラブにはS、M、Lがないの? 長さがほとんど同じな理由
洋服なら体型に合わせてS、M、Lとサイズ違いが用意されていますが、ゴルフクラブの場合は基本的に1モデルにつき長さは1種類だけ。なぜゴルフクラブには身長や体格に合わせた長さ違いがないのでしょうか?
気にすべきは身長よりも腕の長さ
洋服なら体型に合わせてS、M、Lとサイズ違いが用意されていますが、ゴルフクラブにはそういった概念はありません。ドライバーの場合、身長190センチの人も170センチの人も45.5インチ前後のドライバーを使っていることが多いですが、本当にそれで問題ないのでしょうか? 20年以上のフィッティング経験を持つ人気クラフトマン・関浩太郎氏に話を聞きました。
「結論から言うと、ゴルフクラブの長さは身長とはまったく関係ありません。アドレスしたときの姿勢を想像してほしいのですが、ゴルフクラブの長さで大切なのは手首からボールまでの距離です。フィッティングでは直立した姿勢で指の先から地面までの距離を計測して、その人に理想的なクラブの長さを提案します。一般的に身長が高い人は腕も長く、身長が低い人は腕も短い。だから身長190センチの人でも170センチの人でも指先から地面までの距離を計測するとそう変わらないケースが多い。だから、どのメーカーのクラブも長さは基本的に1種類で販売しているのです」
実際、身長193センチのダスティン・ジョンソンでもドライバーの長さは45.75インチ。日本の成人男性の平均身長は170センチちょっとですが、約20センチの身長差があっても、ほとんど同じ長さのドライバーを使っています。
ただし、関氏は多少の長さ調整は必要になると教えてくれました。
「腕の長さには多少の個人差があります。身長に比べて腕が長い人はちょっと短めのクラブが合うこともありますし、腕が短い人には標準か少し長めを提案することもあります。それでも腕の長さによるクラブ長の調整は0.25インチから0.5インチの範囲。それよりも影響が大きいのはスイングタイプです」
より適正なクラブ長に関係あるのはスイング
長さに影響するスイングタイプの違いとはどういった観点によるもので、適正な長さはどうやって見極めればよいのでしょうか?
「46インチ前後の長いシャフトは、トップが低くてフラットな軌道、いわゆるヨコ振りタイプと相性が良い。ヨコ振りになると、ダウンスイングでは低い位置からシャフトを寝かせて打つので、シャフトの長さを生かしながらヘッドスピードを上げることができます。60歳を超えたベテランゴルファーには、フラットな軌道で長尺ドライバーを上手に使って飛距離を稼いでいる方が多いです」
逆にトップが高くてタテ振りに近い軌道で打つ人は、45インチ前後のドライバーのほうが打ちやすいと言います。
「シャフトが長くなるほどダウンスイングでシャフトが寝て下りやすいので、それを嫌う人はツアープロでも44.75インチのドライバーを使っていたりします」
もし、長さが合わないドライバーを使っていると、どうなるのでしょうか?
「適正よりも長いドライバーを使っていると、ヘッドが戻りきらずに、フェースが開いて当たってしまうので右方向へのプッシュアウトやスライスのミスが増えてしまいます。逆に短いドライバーを使っていると、つかまりすぎてチーピンやヒッカケのミスが出やすくなります」
クラブの長さは、身長ではなく手の長さやスイングタイプとの相性が大切になるそうです。特に右方向へのスライスに悩んでいる人は、クラブをちょっと短くしてみることもアリでしょう!
人気ドライバーの標準クラブ長
ステルスシリーズ 45.75インチ
ローグST MAX シリーズ 45.5インチ
ローグST MAX FAST 45.75インチ
G425シリーズ 45.75インチ
ゼクシオ12 45.75インチ
ゼクシオ エックス 45.5インチ
タイトリスト TSi2/TSi3 45.5インチ
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