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- フレックスや調子って何!? 自分に合ったシャフトの選び方を知りたい!
クラブにこだわりがあるゴルファーもそうでない人も、悩むのが“シャフト”。硬さや重さ、調子などシャフトのスペック表記にはどんな意味があるのか? プロアマ問わず8万人にアドバイス経験を持つ筒康博コーチに聞いてみました。
フレックス「L」はレディースじゃなくてリンバー!?
ゴルフクラブはヘッド、シャフト、グリップ、と主に3つにパーツから構成されています。今回はギアにこだわりがある人もそうでない人も悩みが多い“シャフト”について。
約100年前まではヒッコリーなどの木材から、軽くて丈夫なスチールシャフトになった事で一気に現代ギアは大きく変貌を遂げました。
またスチールシャフトには「ステップ」と呼ばれる段差が作られ、これによって強度やしなりを設計できるようになり、現在のようにシャフトの硬さ「フレックス」を表記できるようになりました。
シャフトフレックスは、普通の硬さを「R(レギュラー=一般的)」と呼び、次に硬いものを「S(スティッフ=硬い)」更に硬いものを「X(エキストラスティッフ=すごく硬い)」と呼びます。
つまり、フレックスは硬さを単に形容しただけの表記と理解して下さい。では普通より柔らかい場合は?「R」より柔らかいと「A(アマチュア向け)」、更に柔らかいものは「L(リンバー=柔らかい、柔軟な)」と呼びます。「Lはレディース(女性)」と思っている人がショップ店員ですら多いですが、「L」にだけ性別をつけたりしていません。ただ実際には、フェミニンなデザインの「L」シャフトが多いので誤解を生みやすいです。
ここで皆さんの疑問「フレックスの基準は?」にお答えします。現在おおよその目安はあるものの、各社独自の基準によって振り分けられています。
例えば「自分はRだ」と思っていても、新しいクラブやシャフトでも同じで良いかどうか? は一概に決めつける事ができません。硬さの振り分け目安と使われているのが、シャフトの振幅「振動数」表記です(ただし、長さやヘッドの重さなどを同じにする事が条件)。
「フレックス基準を統一して欲しい!」と僕も思います。まずは、一般的な硬さである「R」から徐々に硬いシャフトを打ってみる事が一番の近道。また、試打やフィッティングに足を運んで悩みや疑問をスタッフにぶつけて欲しいです。
一番しなる場所「キックポイント(調子)」って何!?
シャフトは先端に行くほど細くなり、グリップ側に行くほど太く(テーパー形状)なります。
基本的には太さに差がある事でしなりが生まれますが、現代シャフトはスチールもカーボンも肉厚を自由に設計できるため、実際にはモデルによってしなり場所やしなり方に微妙な違いがあります。
そのため、シャフトには「キックポイント(調子)」と呼ばれる表記があります。その名の通り、基本的にはシャフトを両端から押した時の一番しなる「場所」を指します。
ちなみに「キックポイント(調子)」は、シャフト中間部のたった数センチ幅の中にあります。よく「先端が柔らかいから先調子だね」などの会話がありますが、少し誤解があります。
しなるポイント「キックポイント(調子)」とクラブを振った時の個々のしなり具合は異なるのです。
体感しているけど説明できない!? シャフトのしなり具合
クラブを振った時の個々のしなり具合は、「EI(剛性分布)グラフ」表記がありますがHPなどで曲がったグラフ状のものを見た事がありませんか?
「EI(剛性分布)グラフ」は、部分ごとに一定の曲がりを作るのに「どの位の力をかけたか?」をグラフ化したもの。「先が走る気がする」や「切り返しで手元が硬い気がする」など、皆さんが体感しているものの「説明できない、伝えられない」シャフトのしなり具合になります。
皆さんの多くが「このしなりは○○調子!?」などと言っているのは、シャフトの「EI(剛性分布)グラフ」について感じている事なのです。
しかしマニアックなスペックなので、各社独自の計測表記グラフを見ただけでは分かりづらいのが現実ではないでしょうか?
効果が分かりやすい!? シャフトの「重量」
シャフト選びで意外と重要な表記が「重量」です。重さはどんな機械で測っても違いが出づらくゴルファーにとっても基本的な反応は同じ傾向になります。
またクラブの総重量にも全体のセッティングにも通じるので、長いクラブほど軽いシャフトに、短いクラブになるにつれて重いシャフトを装着しているかチェックして欲しいです。
特にフェアウェイウッドやユーティリティー、ウェッジなど単品購入するクラブではクラブの総重量やシャフトの重量の流れ(フロー)を乱すスペックになりがちです。
メンズクラブの場合、ドライバーシャフトで50グラム前後、アイアンシャフトで90グラム前後が主流。もし今使っているクラブが重いと感じているなら、軽いシャフトに替える事でスピードアップ効果が狙えます。
また、ヘッドを重くしても軽く感じてしまいタイミングが合わないなら、シャフトを重くする事で振り心地が変わります。
現在はパターシャフトにもこの流れが拡大しています。キャロウェイ「オデッセイ」パターには、素材と重量配分を変えた専用シャフト「ストロークラボ」シャフトが装着され好評です。
また、お気に入りのヘッドにパター専用シャフトを装着し、距離感や方向性が大幅にアップする人も増えています。
結局「客観性」と「主観」 どっちを重視して選べばいい?
シャフトには「トルク(ねじれ)」表記もありますが、シャフトのしなり設計を快適にするスパイスと考えて良いでしょう。トルクだけを感じる人はかなり少数派ですし「トルクが多いから曲がる」なんて事もありません。
現在はショップでもメーカーでもフィッティングが盛んです。「何が良いのか?」の前に、まずは現状を客観的に分析してもらい悩みをシャフトで改善できるのかを相談してはいかがでしょうか。
自分の感性にピンと来るものに出会えるまでは、セカンド・サードオピニオンも賛成です。「なぜか結果と振り心地が良い」主観のシャフトには、必ず客観性のあるデータが裏付けあるはずです。
【解説】筒 康博(つつ・やすひろ)
伝説のプロコーチ・後藤修に師事。世界中の新旧スイング方法を学び、プロアマ問わず8万人以上にアドバイスを経験。スイング解析やクラブ計測にも精通。ゴルフメディアに多数露出するほか、「インドアゴルフレンジKz亀戸」ヘッドコーチ、WEBマガジン「FITTING」編集長を務める。
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