飛距離特化型 プロドラコン公式球「スリクソンX3」はなぜそんなに飛ぶのか?

4月に発売されたダンロップのゴルフボール「スリクソン X3」。2022年のJPDA(日本プロドラコン協会)のプロドラコンツアー公式球に採用されている、まさに“飛距離特化型”のボールです。

「どこまで飛ばせるのか」という開発陣の挑戦心から始まった

 ゴルフをプレーする上で最大の楽しみは何でしょうか? 良いスコアで回ることはもちろんですが、中には「とにかく飛ばし命!」という人もいるのではないでしょうか。

カラーはホワイトとイエローの2種類

 そんなゴルファーに一度は試してほしいボールが「スリクソン X3」です。2022年のJPDA(日本プロドラコン協会)のプロドラコンツアー公式球に採用されている、まさに“飛距離特化型”のボールです。

 このボールは17年発売の「スリクソンX」が発売されてから3代目のモデルとなります。とにかく飛ばしたいという人がそれだけ多いということでしょうが、こうした思い切ったコンセプトのボールが生まれたのはどういう経緯だったのでしょうか?

「最初は『スリクソン Z STAR XV』に比べてどこまで飛ばせるのか、という開発陣の挑戦心から始まりました」と明かすのは、ダンロップでボール開発を担当する児島大二郎氏。

 そこから材料、ディンプル、構造といった要素をすべて飛距離最優先で突き詰めて形にしたのが初代「スリクソンX」なのだそうです。これをテストマーケティングしたところ大変好評で、17年秋、正式に発売されました。

 しかし、とにかく飛距離に振り切ったボールのため、どうしても初代には課題もあったようです。

「秋に発売したボールなのですが、その年の冬になるともう打感が硬くなってしまって……」

 硬いボールのほうが飛距離が出るため、ある程度は仕方がないことなのですが、2代目の「スリクソンX2」は打感の改善に主眼を置いて開発されました。

本来「高初速」と「低スピン」はトレードオフの関係

 そして今年登場した「スリクソンX3」ですが、何が一番変わったのでしょう?

「より柔らかく、より飛ばせるようになりました」と、力強く宣言する児島氏。

「またまた~、メーカーの人は毎回飛ぶようになったって言うんだよね」と、眉にツバする人もいるかもしれません。正直、記者もそうでした。しかし、今回「X3」に導入されたテクノロジーは説得力がすごいんです。

 そもそも、ゴルフボールの飛びを決定づけるのは「高初速」「低スピン」「高打ち出し」ですが、「スリクソンX」シリーズは、このうちの「高初速」に重点を置いて開発されてきました。初速を上げるには硬いほうが有利なので、どうしても硬いボールになっていました。

 しかし、ただ硬くすれば飛距離が伸びるというものでもないのが厄介なところ。ボールが硬くなりヘッドスピードが遅い人がつぶせなくなると、余計なスピンが増えてしまうそうなんです。「低スピン」という条件を満たさなくなってしまうわけですね。

 基本的にはこの2つはトレードオフの関係なので、「こちらを立てればあちらが立たず」になってしまうのは致し方ない、というのが常識です。

 では、その常識をどう覆したか? 児島氏はこう説明します。

「『Z STAR XV』で採用していた高反発添加剤をコアに2倍量使用したんです。これによりコアを硬くすることなく、さらなる初速アップを実現しました」

 さらに、「X2」ではコアの硬さが均一だったものを、中心を柔らかく外側に行くほど硬い構造に変更。硬さのグラデーションをつけることで効率よくボールがつぶれ、低スピンの弾道も両立することができたと言います。

 カバーを柔らかくすることでショートゲームでの打感やスピン量も改善しているという「スリクソンX3」。「飛ばし命!」の人でなくても、楽に飛距離が出せればもっとスコアも良くなるのに、といった悩みを持つ人にもオススメのボールです。

この記事の画像一覧へ(4枚)

画像ギャラリー

「スリクソン X3」専用設計の飛び特化型「リバウンドフレーム」構造は、ボールスピードを最大化する「軟(コア)、剛(ミッド)、軟(カバー)」の3層構造
アライメント機能を備えたサイドマークは、ターゲットに向かって真っすぐ打つイメージを持たせる横ラインに加え、シンプルな縦ラインを追加したことで、目標に対してよりスクエアにセットアップしやすい
ジャパンゴルフフェア2022のJPDAブースでも「スリクソン X3」の飛びをアピール
カラーはホワイトとイエローの2種類

最新記事