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- 今季はマキロイが達成! 全メジャートップ10入りのスゴさと過去の達成者
今季最後のメジャー「全英オープン」はキャメロン・スミスの大逆転で幕を閉じました。しかし、最後まで大会を盛り上げたのは8年ぶりのメジャー優勝がかかっていたローリー・マキロイでした。残念ながら3位に終わったマキロイですが、今季はメジャーすべてでトップ10入りするなど、完全復活が見えてきています。
第2のピークを迎えつつあるマキロイ
セントアンドリュースオールドコースで開催された第150回全英オープン最終日は安定したプレーで4番から単独首位に立っていたローリー・マキロイを、インで6バーディーの30という爆発的なスコアを叩き出したキャメロン・スミスが逆転。初のメジャー制覇を成し遂げた。
マキロイは最後まで見事なショットを放ち続けたが、パッティングが決まらず最終的には3位。8年ぶりのメジャー5勝目を逃した。
とはいえ、今年のメジャー戦線でマキロイほど安定して上位に入った選手はいない。4月のマスターズでは最終日に64をマークして3打差2位フィニッシュ。5月の全米プロでは初日65で首位発進して最終的には8位。6月の全米オープンでも終始優勝をうかがえる位置でプレーを続けて5位タイに入っている。
そして今回の全英オープンで3位。つまり、今年はメジャー4試合すべてでトップ10に入ったということ。マキロイは今年で33歳になったが、メジャー年間全4戦でトップ10は自身のキャリアで初めての経験となった。
マキロイは世界ランキング1位に何度も立ち、米ツアーのプレーヤー・オブ・ザ・イヤーに3度も輝くなど世界トップクラスの実績を誇る選手である。そのマキロイをして初めてというメジャー年間全4戦のトップ10は、かなりの難易度であることが分かる。では、過去にどれくらいの選手が達成しているのだろうか。
マスターズが創設されてメジャーが年間4試合となったのが1934年。以降、この快挙を達成したのはマキロイで19人目である。第二次世界大戦や新型コロナウイルス感染拡大の影響で4試合行われなかった年もあるが、90年弱の間で19人しかいないというのは、かなり難易度が高いといえるのではないだろうか。
1人で複数回達成している選手もいるから、回数でいうと28回となる。最も多いのはメジャー最多の18勝を挙げているジャック・ニクラウスで5回もやってのけている。1973年からは3年連続で全戦トップ10。優勝数はもちろん素晴らしいが、これだけ毎試合上位で戦える安定感はすごいことだ。
歴代2位はニクラウスと何度も優勝争いを演じたトム・ワトソンで3回だ。中でも特筆したいのが1977年である。1位が2回、6位、7位という成績なのだが、マスターズと全英オープンでは共にニクラウスを2位に従えての優勝で、大きなインパクトを残した。
2回達成者は3人おり、アーノルド・パーマー、ゲーリー・プレーヤー、タイガー・ウッズという面々である。ウッズは2000年と2005年に経験。2000年はマスターズ5位のあと、全米オープン、全英オープン、全米プロと3連勝。今回と同じセントアンドリュース開催だった全英オープンでは生涯グランドスラムを達成している。2005年はマスターズ優勝、全米オープン2位、全英オープン優勝、全米プロ4位という成績だった。
複数回達成している5人はゴルフ界のレジェンド中のレジェンドといえる選手ばかりである。それくらいの存在でなければできないことなのだ。
近年の達成選手は全員20代
最近の選手ではリッキー・ファウラー(2014年)、ジョーダン・スピース(2015年)、ブルックス・ケプカ(2019年)、ジョン・ラーム(2021年)が達成している。この4人に共通しているのが最初のピーク期にやっているということ。年齢で表すとファウラーが25歳、スピースが22歳、ケプカが29歳、ラームが26歳となる。若さと勢いが快挙を後押ししていたことは容易に想像できる。
対してマキロイは33歳。最初のピーク期といえるのは2011~15年あたりだ。その期間にメジャーで4勝を挙げているが予選落ちや下位に低迷することも目立っていた。はまった時は圧巻のプレーをするものの波が激しいタイプだったのだ。
若さと勢いの時期を過ぎた今、マキロイのプレーは円熟期に入っている感がある。今季の米ツアーは4勝とブレーク中のスコッティ・シェフラーがフェデックスポイントランキング1位を独走中だが、平均ストロークではマキロイがシェフラーらを抑えて1位。このデータからも現在のマキロイの充実度が伝わってくる。
今年のメジャーは終わったが、来年あたり久しぶりのメジャー制覇を成し遂げる可能性は十分あるのではないだろうか。
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