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- 「チッパー」が異例のヒット中! 他の番手で代用するならどれ?
最近、ゴルフショップでチッパーが人気です。しかし、ベテランゴルファーには抵抗がある人が多いのも事実。チッパーと似た使い方ができる番手はないのでしょうか?
実はラフからだとチッパーより5番、6番がやさしい
今、ゴルフショップではピンの「ChipR(チッパー)」が品切れになるくらい売れています。欲しくても買えなかった人も多いと思いますが、ツアープロの市原建彦に話を聞くと、実はグリーン周りでチッパーと同じような使い方ができて、チッパーより便利なクラブがあるそうです。
アマチュアには時々チッパーを使っている人もいますが、ツアープロでチッパーを使っている人は聞いたことがありません。当たり前じゃないかと言われそうですが、「素人くさいから」とかではなく、使わないには使わないなりの明確な理由があり、市原はこう語ります。
「一般的なチッパーには弱点があって、ラフに弱い。ラフからアプローチするとき、チッパーだと芝の抵抗が大きくなりすぎて距離感が出ないし、芝に引っかかるとダフってしまいます。だから試合では使いにくい。でも、ツアープロもグリーン周りだからと言ってサンドウェッジ一辺倒なわけではありません。むしろ、選択肢の最上位はコロがしで寄せること。だから、別のクラブをチッパー代わりに使っています」
具体的にどのクラブがチッパー代わりになるのでしょうか?
「ラフからだと5番、6番アイアンです。ミドルアイアンだとソールも広すぎないし、適度にロフトが立っているので、パター感覚で打てばチッパーと同じように少しだけボールが浮いてピッチアンドランが簡単に打てます。傾斜地やベアグラウンドでもダフリにくいので、実はチッパーよりも簡単にアプローチが打てます」
花道からはユーティリティーがパターよりやさしい
ラフ以外の状況からは?
「花道やカラーからだとロフト22度前後のユーティリティーが使いやすいと思います。よく長い距離をパターで転がそうとする人がいますが、パターよりもユーティリティーの方がフェースの反発性能が高くて、小さい振り幅で打てるので距離感が安定します」
アイアンやユーティリティーをチッパー代わりに使うとき、打ち方ではどんなところに気をつければいいのでしょうか?
「チッパーと同様、パターと同じような感覚で打つことが大切です。スタンス幅はショットではなくパッティングのときと同じにして、クラブもギリギリまで短く持ちます。その上でボールはセンターより少し右側にセットしてください。フルショットでボールを上げたいときは左側にセットしますが、転がしたいときはセンターよりボール1個分くらい右側にしたほうが低く打ち出す軌道になりやすいです。グリッププレッシャーや振り幅のスピードもパッティングと同じようにして打てばOKです」
アマチュアだとグリーン周りはどこからでもサンドウェッジを使う人が多いですが……。
「勘違いしている人が多いのですが、バンカー以外のアプローチにおいて、サンドウェッジは決して簡単なクラブではありません。短い距離だと、ロフトが寝ているのでサンドウェッジを選択する人が多いですが、サンドウェッジはロフトが寝ている分、上下方向のミートポイントがすごく狭い。そもそも、58度前後のサンドウェッジは名前の通り、バンカー(サンド)から打つのに最適なクラブで、芝から打つときに最もやさしいクラブではありません。グリーン周りからサンドウェッジを使ってダフったり、ザックリしてもったいないミスをしているのは技術の問題ではなく、クラブ選択のミスです」
チッパー購入を考えている人は、その前に一度ミドルアイアンやユーティリティをチッパー代わりに使ってみると、チッパーの代用クラブになってくれるかもしれません。
市原 建彦(いちはら・たつひこ)
1978年生まれ、神奈川県出身。高校3年の1996年に世界ジュニアを制するなど活躍し、翌年プロ入り。チャレンジツアーで2勝をマークして、2006年にレギュラーツアー「アサヒ緑健 よみうりトーナメント」で優勝。
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