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- ドライバー不調時の最終手段!? カチャカチャの“ウエート外し”メリットとデメリット
ネジをゆるめてスライドさせるなど、ウエートの位置を変えることで性能をコントロールできるドライバーが増えています。せっかく「可変式ウエート」を搭載したドライバーを所有しているなら、ぜひ自分に合った調整をして使いたいものです。
重心位置が変わって振り心地が変わる
コースでどうしてもドライバーがうまく打てない、曲がってしまうという悩みを抱えるゴルファーはとても多いでしょう。そんな時に大きな助けとなり得るのが、最新ドライバーの多くに搭載されている「可変式ウエート」です。
可変式ウエートとは、ドライバーのヘッドの中で好きな位置にウエートを配置できる機能を指しています。その構造はさまざまで、テーラーメイド「ステルス プラス」やヤマハ「RMX VD」、タイトリスト「TSi3」のようにレールの中でウエートをスライドさせるタイプもあれば、「ピン「G425 MAX」やブリヂストンゴルフ「B2」のように複数のポートから好きな位置を選んでウエートを固定できるタイプもあります。
これらのドライバーは、ウエートの位置を変えることで、つかまりやすさや球の上がりやすさといったヘッドの特性を調整することができます。
たとえば、ウエートをヘッドのトゥ側に移動させると、その分、重心もトゥ寄りに移動します。シャフトを基準に考えると、重心が初期設定よりも遠くなる、つまり重心距離が長くなります。重心距離が長くなれば、スイング中のフェース開閉がゆるやかになりますので、もし左に引っかけるミスが多い場合は、ウエートをトゥ側に動かすことで改善される可能性があるでしょう。逆に、スライスなど、右へのミスが多い場合は、ウエートをヒール側に動かすと良いでしょう。
また、テーラーメイド「ステルス プラス」のようにフェースからヘッド後方にかけてウエートを動かせる場合は、球の高さやスピン量を調整することができます。フェース近くにウエートがあるほど重心が浅くなり、低くて強い球が打てますし、ヘッド後方なら高い球が打ちやすくなります。スピン量を適正にできずに飛距離をロスしているゴルファーなら、この調整で飛びが変わる可能性が大いにあります。
このように自分のスイングやクセに合わせて、ヘッドの特性を調整できるのが可変式ウエートのメリットです。しかし、考えておく必要があるのは、ヘッドの特性が変わることで振り心地も大きく変わることです。物理的には重心距離が長くなってフェースが返りにくいといった調整を加えたとしても、ゴルファーが振り心地に違和感を覚えることで、咄嗟にフェースを強く返してしまい、かえって引っかけを助長する……といったケースも少なからずあるからです。
可変式ウエートでヘッドに調整を加える場合は、少しずつ位置を変えながら、振り心地や球質をチェックするのがおすすめです。
ウエートを外すことで操作性が増す!?
位置を変えることでヘッド性能を調整できる「可変式ウエート」ですが、プロの中にはウエートそのものを外すという選択をする人もいます。
例えば、今季の日本女子ツアーで5勝を挙げている西郷真央は、ミズノの「ST-X220」ドライバーのヘッド後方にあるウエートを外して使用していますし、男子でも宮里優作がブリヂストンゴルフの「B1ドライバー」のウエートを外しています。過去には石川遼や成田美寿々もウエートを外す調整を行っていました。
ウエートを外すことで、ヘッドの特性や振り心地はかなり極端に変化します。
まず、ウエートの重さ分、ヘッド重量が軽くなりますので、クラブバランスがかなり軽くなります。通常、ドライバーのバランスはD2〜D3ほどに調整されることが多いですが、ウエートを外すと確実にCバランスまで下がります。もしスイングしていて、ヘッドが重く感じて振りにくいという場合には、試してみる価値はあるでしょう。ただし、バランスが軽くなる分、シャフトがしなりにくくなる、つまり硬く感じやすくもなるので注意が必要です。
さらに、ウエートはヘッドの重心位置や慣性モーメントを決める上で非常に大きな役割を担っていますので、基本性能そのものが変わる可能性があります。もともとミスに強くオートマチックにボールを飛ばせるタイプのヘッドだったのに、ウエートを外すことでその特性が失われるかもしれないわけです。ただしこれも、人によってはメリットになり得ます。実際、宮里プロは、あえてドライバーの慣性モーメントを下げることでアイアンに近い感覚で振れるようになったと話しています。
モデルによって装着されているウエートの重さが違いますので一概には言えませんが、ウエートを外す調整は変化が非常に大きい分、万人受けするものではないと言えそうです。一方で、人によってはドライバーショットが劇的に変わる可能性も秘めています。戻すのは容易ですので、一度試してみる価値はあるでしょう。
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