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- これからは“太グリップ”が標準ってホント!? 安易な交換によるリスクと失敗しない方法とは?
一時期ゴルファーを賑わした「太グリップは“スタンダード”になる」という話。選択肢の一つではあるが、スイングを壊すゴルファーも生み出したそうです。そこで、太いグリップのリスクなどをインドアゴルフレンジKz亀戸店・筒康博ヘッドコーチに詳しく解説してもらいました。
“スタンダード”グリップが標準なのは「当たり前」
グリップには太さを表す「サイズ」がある事をご存知でしょうか? 世界的シェアのゴルフプライド社の場合は、グリップの内径「60」が“スタンダード”と定めています。
樹脂グリップの大手イオミック社の場合も同様に、「口径M60」はグリップエンドから5センチ部分の外径が21.8ミリになっていて、これを「1.8」と表記し“スタンダード”サイズとしています。ラバーグリップが登場し現在に至るまで、他社製品も“スタンダード”の基本サイズに違いはありません。

その中で少し前にトレンドになったのが、“スタンダード”よりも太めのミッドサイズグリップです。ドライバーヘッドの高MOI(慣性モーメント)化や重量化、手首を使い過ぎるゴルファーへの好相性などといった複合的なトレンドと、コロナによる工場の生産能力ダウンが重なってミッドサイズグリップが品薄になりました。
ごく一部のレッスン系YouTuber が突然「ミッドサイズがスタンダードになる」と言い出したこともあり、影響を受けた一般ゴルファーもいたそうです。

しかし実際は、スタンダードの太さより太め(ミッドサイズ)にメリットを感じるゴルファーもいる、という事実があるだけです。その証拠に、世界的フィッティングメーカーであるピンも、“スタンダード”の太さに変更などありません。
グリップ交換時には「太さ」と「重さ」のチェックが必須
確かに、太グリップには様々なメリットが存在しています。僕自身、“スタンダード”サイズより太めが好みですが、あくまで“スタンダード”を使ってみて徐々に微調整した上で辿り着いた結果です。
ゴルフクラブのグリップは超重要!ゴルファーと唯一の接点であるグリップのすべて
自分には良かったからといって、誰にでも「太グリップがいい」なんて乱暴な発言はしません。ピンのフィッティングでは、グリップの太さを決めるために手のひらと指の長さを測定、推奨サイズを提案してくれます。

世界的人気を長年誇るクラブメーカーですら、ゴルファーと密にコミュニケーションしながら慎重にグリップ太さを決めているのです。
にも関わらず、最初から装着されていた軽量(40グラム)グリップから50グラムを超える太グリップに交換し、「振り切れない」「当たらない」「飛ばない」と絶不調になったゴルファーから相談を受けることがあります。
現在は様々な太さや重さのグリップがあります。軽いグリップから“スタンダード” より重くて太いグリップにするリスクを何も教えてもらえず、「これがオススメです」と言われ交換してしまったそうです。こんな悲劇が最近よくありますが、当然ながらグリップメーカーが望んでいることではありません。
人気クラブのグリップ「そのまま交換」なら直営ショップへ
特に軽量カテゴリーの人気クラブのグリップを交換する場合は注意が必要です。
例えばダンロップ「ゼクシオ12」のグリップはメンズの場合、ドライバーで31グラム(FWは32グラム)、ハイブリッドは43グラム、アイアンは47グラムとHPに記載があります。見た目は同じに見えても、それぞれの性能を出すためのグリップ重量が異なるのです。

ウッドでは1グラムの違いが大きなデメリットになるとは思えません。しかし、ハイブリッドとアイアンのグリップ重量が同じでは、クラブとしてのスペックが変わり過ぎてしまいます。
ゴルフクラブのグリップは超重要!ゴルファーと唯一の接点であるグリップのすべて
例えば、今のクラブに大きな不満がなく「もう少し太くしてみようかな」程度の興味でグリップを交換するなら、メーカー直営ショップでグリップ交換をしてもらうか、現在のグリップの重さと太さを確認してくれるゴルフショップに行くべきではないでしょうか?
【解説】筒 康博(つつ・やすひろ)
伝説のプロコーチ・後藤修に師事。世界中の新旧スイング方法を学び、プロアマ問わず8万人以上にアドバイスを経験。スイング解析やクラブ計測にも精通。ゴルフメディアに多数露出するほか、「インドアゴルフレンジKz亀戸」ヘッドコーチ、WEBマガジン「FITTING」編集長を務める。
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