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- BTSのJINは入隊したがアスリートは? “兵役問題”に振り回された韓国ゴルファーたち
韓国のボーイズグループ「BTS」の最年長メンバー・JIN(ジン)が12月13日、陸軍に入隊した。兵役免除を求める声もあったが、最終的には“義務”を果たすことを選択。韓国ゴルフ界では兵役はどうなっているのか?
過去にはゴルフにも軍隊チームが存在
ここで疑問に思うのは、サッカーに軍隊チームがあって、ゴルフにないのはなぜなのかということだろう。しかし、実は過去にゴルフにも軍隊チームはあった。
1993年から5年間、軍隊チーム「尚武ゴルフ団」が存在した。
ここに所属したプロゴルファーは国内ツアーに参戦しながら義務を果たすことができたのだが、98年に解散。韓国政府の与党が打ち出した「経費削減」の一環と言われている。
その後、2015年から1年間だけ軍隊チームが復活。日本ツアー1勝のI・H・ホ(本名:ホ・インフェ)が服務しながら韓国ツアーに参戦する機会を得、同年の韓国ツアー開幕戦で優勝。17年には日本ツアー復帰を果たしているが、服務しながらも実戦の場があったことが大きかったはずだ。
日本で長らくプレーしているI・J・ジャンも兵役についているが「その後の人生においても大きな財産になる」と語っていた。ただ、軍隊に行かないほうが、その後の競技人生が豊かになることくらい、ベテラン選手たちもよく分かっている。
だからこそ、16年のリオ五輪からゴルフが正式種目に加えられた当時、韓国ゴルフ界の重鎮でもあるY・E・ヤン(ヤン・ヨンウン)とK・J・チョイ(チェ・キョンジュ)が「兵役の解決が課題」と声をあげていた。
Y・E・ヤンは「韓国はそこまで大きな国ではないが、ゴルフに対する情熱がある国。五輪で成績を出すためには兵役の問題を解決しなければならない」と語り、K・J・チョイも「軍に入隊しても継続してゴルフができるようにする必要がある」と話している。
ただ、これもすべて「朝鮮民主主義人民共和国」と「大韓民国」が世界で唯一の分断国家であるという現実がそもそもの問題。韓国の男子アスリートたちは、休戦から70年がたとうとしている今もこうして兵役問題と向き合っている。
選手に聞けば、おそらく「(兵役問題は)慣れてしまった」と言うのだろう。それでも前述したペ・サンムンのような悲惨な例がなくなるのが最善だ。しかし、韓国社会の論点にあがるまでに時間がかかるのは明白。
プロゴルファーの兵役問題が世間の関心を集めるには、BTSが米ビルボード1位になったように、ソン・フンミンがプレミアリーグ得点王になったように、韓国から“マスターズ優勝者”を輩出する必要があるのかもしれない。
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