プロや上級者はアプローチを最も重視する
皆さんはボール選びにこだわっていますか? 大事なことは分かっているけど、どんな観点で選べばいいのかが分からない、という人も多いかもしれません。大蔵ゴルフスタジオ(東京都世田谷区)代表の市川雄一郎氏が、プロゴルファーや上級者がボールを選ぶ際に必ずやっているチェック方法を解説します。

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ゴルファーの中には、どのボールを使用してもアプローチの結果にはあまり変化がないと感じる方もいるかと思います。しかし、これは誤った考えです。事実として、ボールの種類によりアプローチの結果は変わるのです。ショートゲームは総スコアにおいて非常に影響が大きいため、プロゴルファーや上級者はアプローチを重視してボールを選んでいます。ボール選びをアプローチ重視で行うことを皆さんにも推奨します。
例えば、30ヤードをキャリーで打って、弾道や地面に落下後どのくらい転がるかなどをチェックしてみましょう。まず、同じような強さで打っても出球の高さがボールによって異なります。また、地面に落ちてから1クッションか2クッション目でスピンが入りブレーキがかかった後に転がりますが、このスピンのかかり具合や転がり具合もボールによって異なります。自分のイメージした距離と結果が一致するボールを選ぶことが重要です。
なお、どのような性能のボールが良いかについては、プレーヤーの好みで選ぶべきもの。プレーヤーによって、どのボールが「良い」と感じるかは異なります。一人一人のプレースタイルや戦略によって、キャリーとランのバランスの好みも変わるでしょう。重要なのは「自分の意図する動きを最も再現してくれるボール」を選ぶことです。
なお、注意点として、同じように打ってもスピン量にバラツキがあるなど、一貫性のないボールは避けるべきです。
イメージした距離やスピンのかかり具合が結果とどれだけ一致するか
最近は本グリーンでアプローチの練習ができる施設も増えています。今までアプローチでボールの性能が自分に合っているかどうかのチェックをされたことがない方は、時間をつくって自分のイメージに合ったボールを見つけてみてください。見つかったら基本的にはしばらくの間使い続けてください。頻繁に変えることはオススメできません。
逆に使用するボールが決まっている方も、1年に1度くらいは使用中のボールと何種類かの新製品ボールのアプローチでの打ち比べを行ってください。使用ボールのテストは、シーズンインのタイミング(2月か3月)に行うと良いと思います。アプローチ練習場で自分のイメージした距離やスピンのかかり具合が実際の結果とどれだけ一致するのかを確かめることが重要。新製品の中で使用しているボールより自分のイメージに合っているボールが見つかる可能性があります。
【解説】市川雄一郎

GDOにて多くのゴルフメーカー、パーツメーカー、プロゴルファーを取材し、ゴルファーへ最新の情報を発信する仕事にかかわる。すべてのゴルファーに合うクラブを作りたい。その思いで2011年に大蔵ゴルフスタジオ町田をオープン。2016年大蔵ゴルフスタジオ世田谷をオープン。さらに2020年には大蔵ゴルフスタジオハワイをオープンしている。大蔵ゴルフスタジオ公式HP/www.ogs-p.jp/