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- 真っすぐのつもりが3度以上ズレてた!? 「ARGOLF」のフィッティングで分かった“間違いだらけ”のパッティング
パターに悩みを抱えて大手メーカーのパターフィッティングに行く人やパターレッスンを受ける人が増えてきているようです。でも、それらを一緒に行える場所があればより効率良く上達できるのではないでしょうか? そこで、ARGOLFが提供する「パッティングナレッジ」なるものを受けてみました。
一石二鳥!? パターフィッティングとレッスンの融合
2010年にフランスで誕生した「AR GOLF(アールゴルフ)」が、日本で本格的に活動をスタートさせたのは2021年7月、東京・恵比寿に「AR GOLF パッティングスタジオ」ができてからです。「AR GOLF」は、フランスが誇る航空産業の最高峰の技術を応用した、ユニークな設計が特徴の新進気鋭のクラブメーカー。世界最大のゴルフ見本市である米国のPGAショーでも話題になったことがあります。
今回、筆者(ゴルフライター野中真一)は「ARGOLF」のパターフィッティングプラン(90分-税込み1万9800円)を受けるためにマイパターを持って、「ARGOLF」を訪れました。すると、それは一般的なパターフィッティングとはまるで違う、レッスン要素を含んだ独自のスタイルでした。
担当してくれたのは日本体育大学ゴルフ部で主将を務めた経験を持つ、公認インストラクターの増沢涼子さんです。問診を済ませると、まずは利き目の確認が行われます。両手の親指と人さし指で三角形を作り、その間から片方の目を閉じて壁にあるマークを見るテストでした。その結果、筆者の利き目は右目でした。
―利き目のテストをした理由は?
「あくまで事前確認の段階ですが、右利きで利き目が右目の場合は、フェースが少し前に出ているヘッドの方が相性が良いかもしれないという推測ができます。右利きの人は利き目が右のケースが多いのですが、左目が利き目だと少しフェース面の見え方とか、構えやすいパターの形状が違ってくる人もいます」(増沢さん)
次に今、使っているパターの長さや重さを計測した後、パター診断の最新ソフト「SAMパットラボ」でヘッド軌道、打点位置、スイングのテンポなど複数の項目をチェックしてもらいました。
計測データを見た増沢さんは、「スイングテンポや再現性は悪くありませんが、ストローク軌道は少しループしていて、打点がややトゥ側になっています。今回は最適なパターを選ぶことがゴールですが、その前にパターの正しい構え方、アドレスについても解説しましょう」と続けます。
ほとんどのゴルファーはボールにあるラインの合わせ方から間違っている?
ここから「ARGOLF」の独自メソッドがはじまりました。まずはアドレスとアライメントのチェック。最初はラインが入ったボールを、正面、右、左にある目標に向けて正確にセットできるかどうかのテスト。これが意外と難しく、苦戦しました。
―ラウンド中はボールに描かれたアライメントの線をカップ方向に向けてセットしていたつもりだったのですが、実は合っていなかったんですかね?
「実はそうなんです。ボールにあるラインを正確にカップに向けたつもりでも、レーザーで測定すると3度以上もズレている人が多いです」(増沢さん)
次にフェース面の向きをチェック。フェース面も正面、右、左にある目標に向けて構えると、正面だけは1度前後のズレでおさまりましたが、左右の目標に関しては5度近くズレていました。
「ほとんどのゴルファーは、カップに向けてスクエアにボールやフェースをセットできていません。それが、パッティングに悩んでしまう一番の原因です。もちろん、人間には無意識の補正作用があって、フェースを右に向けていると、ストローク軌道は左に振ろうとします。でも、それが変な癖につながってしまい、どんどんストロークが狂ってしまう。だからこそ正しいアドレス、アライメントを身につけておくことが大切です」と、増沢さんが鏡面になっている練習器具を用意してくれました。
「まず、鏡を見ながら、左目の下にボールが来るようにセットしてください。そして、鏡の中にあるラインと肩のラインを平行になるように構えてください」(増沢さん)
言われた通りに構えると、今までにないしっくり感があります。肩や腕も自然とリラックスできます。そして、次は問題のストローク。最初は約2メートル先にあるボールを目標にして、ボールを手で投げるところからスタートします。その動きについて増沢さんは、こう解説します。
「目標物に対してボールを投げるときは体ごと正面を向いて、右腕を振り子のようにして下から投げますよね。それが、距離感を出すための自然な動きです。でも、ゴルフのパッティングは体も横向きで、右手をあまり使わないように打っている。振り子というよりも、手首だけで距離感を合わせようとしています。それでは、人間が本来持っている感性を使えないパッティングになってしまいます」
利き手を使うだけでパターは安定する
そして増沢さんが教えてくれたのは、体をボールに向けたまま、右手だけでパッティングをする方法。パターのグリップ部分を右ヒジにそえたアームロックに近い打ち方です。
「ボールは見ないで、カップだけを見て10球くらい打ってください」(増沢さん)
最初はなかなか目標に当たりません。でも、慣れてくると右手を使う感覚が出てきます。今までのパッティングでは感じたことがないフィーリング。すると、徐々にボールが目標に当たるようになりました。
「キャッチボールをするときもボウリングをするときも、自分のボールではなくて目標を見て投げますよね。それが正しい距離感を生みます。また、自分の利き手である右手を使うだけでこれだけパターが安定する。左手は添えているくらいの役割で十分です」(増沢さん)
右手をペンシルグリップにして、左手を離して握る。すると、今度は最初から右手の感覚が使えるので、1球目から目標に当たるようになりました。フィッティングというよりも、レッスンを受けている感覚です。
「もちろん、ゴールとしては自分に合ったパターを選んでもらうことなのですが、そもそも正しい構え方で正しいストロークをできていないと、その人本来のポテンシャルが発揮できません。まずは右手の使い方や正しいアドレスなど、パターの正しいナレッジを理解してもらい、その上でベストなパターを選んでもらうのが当社のスタイルです」(増沢さん)
教えてもらったアドレスとストロークで実践
もう1つ、増沢さんが教えてくれたのは極端にパターを短く持って打つメニューです。
「これはクラブの重心と言われる釣り合い点を持って打つ練習メニューです。釣り合い点を持つと最も操作しやすくなるので、道具を使いこなす感覚が養われます」
続いて増沢さんが出してきたのが5タイプの木板です。四角形、三角形、半円型などがありますが、これはパターの形状を再現した木板で、この中から最も目標に対して正しく構えられる形状をチェックしていきます。その結果、私は角型や半円型の大きめのタイプの方がフェース面を正しくセットできていることがわかりました。
そして最後はいよいよ「BIG TILT(ビッグティルト)」というパターマシンを使ったメソッド。「BIG TILT」はフランスのウェルパット社が開発したパタートレーニングマシンで、なんと最大5%の傾斜をつけることができるのが特徴で、価格は約500万円とのことです。
早速、増沢さんに教えてもらったアドレス、ストロークを「BIG TILT」で実践すると、面白いように3メートル前後の距離のパットがポコポコと入ってくれました。
「レッスンを受ける前と比べて、ボールの転がりが明らかにスムーズになっていますし、アライメントもとれています。うまくなったというよりも、これが本来の感性を生かしたパッティングです。本番ではもちろんボールを見て打って良いのですが、必ず最初に、カップを見たところから視線をボールに戻して打ってください。それだけで距離感が合うようになります。当社はレッスンもやっていますが、実は皆さん3回くらいでレッスンを終えられます。それは難しいことを教えているわけではないので、3回通えば十分に満足できるくらいパッティングが良くなるからです」と増沢さんは説明します。
ちなみに私がフィッティングで選んでもらったヘッドは最大級の慣性モーメントが特徴の「モルドレッド」。「ARGOLF」のパターは全てが精度の高い削り出し製法で、打感の良さも想像以上。柔らかい中にも、心地良い芯がある唯一無二の打感でした。
あらためて考えてみるとパターフィッティングとパターのレッスンを別々でやる方が非効率。「パッティングナレッジ」には、お忍びで有名プロゴルファーやトップアマも通っているそうです。パター選びやパッティングにお悩みの人は一度体験してみてはいかがでしょうか。
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