「メタルウッド」ドライバーの変遷と功罪
最近ゴルフを始めた人は「ドライバーは金属製なのに、なぜ『ウッド』なの?」と感じるかもしれません。その昔、名前のとおりパーシモン(柿の木)素材を中心に「木製」だったため、現在も「ウッド」という呼び名が使われているのです。
その後、テーラーメイドから「ピッツバーグパーシモン」と呼ばれる「オリジナルワン・メタルウッド」ドライバーが登場します。体積はパーシモンドライバーと同サイズ(180〜200cc程度)で、アドレス時の投影面積は現在のフェアウェイウッドぐらいでした。

当時、リアルタイムでテーラーメイドのメタルウッド「オリジナルワン」や「ツアープリファード」を購入しましたが、あまりのカッコよさと弾きのよさに衝撃を受けたのを今でも鮮明に覚えています。
ギアの歴史の中で、実はドライバーは長年「ミニサイズ」でした。1990年代に入ってメタルヘッドの素材が、ステンレスから比重の軽いチタンヘッドに変わり、2000年代から一気に「大型化」します。
テーラーメイドの「R360Ti」という、その名のとおり360ccに大型化したドライバーを目にした時は「デカッ!」とビックリしました。

そして、現在のR&Aルールで規制される460ccになったドライバーヘッドは、ベテランゴルファーにとって20年ちょっと前の話でしかないのです。
ドライバーは、いつの時代も「飛距離」と「寛容性」をテーマに進化してきました。反面、大型ヘッドゆえの「操作性」が、他の番手と大きく異なる感覚に陥ってしまうゴルファーを生み出すことにもなっています。
小さいのに「大きい」操作性と直進性を実現
近年の大型ヘッドのドライバーは「飛距離」や「寛容性」、「直進性」を追求した結果、他の番手とヘッドの大きさが違い過ぎて、何となく苦手にしているゴルファーも一定数存在します。
高いティーアップから打つドライバーは、地面から直接打つ他の番手とは異なる位置にボールがあることに加え、「飛ばしたい」けど「曲げたくない」というゴルファーの欲と見栄が邪魔しやすいクラブでもあります。

現在大人気のテーラーメイド「バーナーミニドライバー」(307cc)は、過去のモデルで得た知見によりテクノロジーが進化。小型化による操作性だけでなく、「寛容性」や「直進性」も両立させた「昔はなかった」ドライバーになっています。大型ヘッドドライバーに違和感を覚えていたゴルファーに大人気なのも納得です。
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また、ベテランゴルファーには懐かしいと感じさせる、過去作をオマージュしたカラーリングやデザインも人気に拍車をかけていると思います。
1990年代に大ヒットした名器「チタンバブル」や「ファイアーソール」は、僕も当時購入しましたが、渋くてカッコいい画期的なドライバーでした。
カスタムブランド「RODDIO」にも人気「コンパクト」ドライバーが存在
実はカスタムブランド「RODDIO(ロッディオ)」から発売されている「コンパクトドライバー」も、長年人気のあるロングセラーモデル。
「神のムチ」が名前の由来になっているカスタムブランド「RODDIO」は、ダイワのロッド(釣り竿)テクノロジーをゴルフシャフトに採用しているメーカーです。

「コンパクトドライバー」ヘッドパーツ(385cc)は、「ミッドバック」と「ディープバック」という2種類のデザインから選べて、ソールやネジ、ウエートやソケットまでこだわり抜いたカスタムドライバーになっています。
主流の460ccヘッドのドライバーの中にも「浅重心」や「短重心」、「ドローバイアス」などゴルファーの操作性を重視したモデルも多数ラインアップされています。
しかし、見た目では確認できない重心設計よりも、「サイズそのもの」の方が使用イメージを出しやすいと感じるゴルファーも存在します。
何の不満がないゴルファーにとっては「曲げたくないならフェアウェイウッドで打てばいいじゃん」と思うかも知れませんが、飛距離と安定性の欲を満たすドライバー選びはゴルファーにとって「ロマン」なのです。