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- ドライバーのヘッドは重い方が飛ぶ!? 「重いヘッド」の恩恵を受けられるゴルファーはどんな人?
売れているテーラーメイドやピンなどの海外ブランドは、国内ブランドと比較してヘッド重量が重めに設定されています。では、ドライバーのヘッドは重い方が飛ぶのでしょうか? ゴルフフィールズユニオンゴルフ店店長の小倉勇人さんに聞いてみました。
4グラム重いヘッドのほうが平均4~5ヤード飛んだ!
ピンやテーラーメイドなどのいわゆる「外ブラ」のドライバーは、国内ブランドのものよりもヘッドが重めだといいますし、グローブライド「オノフKURO」のように「重いヘッドで飛ばす」というアピールをするクラブもあります。
重めのヘッドが飛ぶというのは本当なのでしょうか。ゴルフフィールズユニオンゴルフ店店長の小倉勇人さんに聞いてみました。
一般的にドライバーのヘッド重量は200グラム前後です。一部軽量をうたっているモデルやレディース・シニア向けのモデルでは180~190グラム台前半のものもありますが、一般男性向けでは軽いものでも190グラム台後半から、ピンやコブラなどで205グラムくらいの間が一般的です。
ヘッドが重いほうが飛ぶというのは本当なのでしょうか?
「ヘッドの基本性能やシャフト・グリップなどを含めた総重量、そして長さが同じだと仮定した場合、ヘッドが重いほうが飛ぶというのは確かにあります。実は先日、自分のクラブで実験をしてみたのですが4グラムのヘッド重量差だと、平均で4~5ヤードの飛距離差が出ましたし、最大では10ヤードぐらい重いヘッドのほうが飛びました」(小倉店長)
たった4グラムでこれほどの差があるというのは驚きです。
理屈としては、金づちや斧のようなものをイメージしてもらえばわかりやすいでしょう。同じような道具でも、物体をヒットする先端側に重量があったほうが大きな衝突エネルギーを得られます。従って飛ばしには有利なのです。野球のバットも、先端側のほうが太く重くなっています。
「ただし、ヘッド重量を飛距離に生かすためには、ただ先端が重ければいいというわけではありません。『軽いものと同じように振れれば』という条件が付きます」
「ヘッド側が重いと振り心地も重くなるので、結果としてヘッドスピードが落ちたり上手にヒットできなくなったのでは逆効果になる場合もあるんです」(小倉店長)
たしかに、ヘッドが重すぎると振り遅れやすいし振りにくさもあります。
つまり、ヘッドが重いほうが飛ばせるのは、ヘッドスピードが落ちず、同じように振れる範囲内でのことというわけなのです。
「ヘッドが重い」ことを売りにしているクラブも、それを振りにくいと感じてしまう場合は効果が期待できない可能性もあるというわけです。
ヘッドを重くするだけでは逆効果になる危険もある
また、ヘッドだけを重くするというのは、クラブの加工としては難しい作業でもあります。
小倉店長も、実験の際に同じ総重量や長さでヘッド重量だけを変えるために、シャフトを換えたり鉛を貼ったりという加工をして実験をしたそうです。
「たとえばヘッドに鉛を貼るなどして、シャフトも長さも同じままヘッドだけを重くすると、クラブの総重量が重くなってしまうので、ヘッドスピードも落ちやすいですし振り心地が大きく変わってしまいます」
「シャフトへの負荷も大きくなるので、しなり方も変わります。それらを相殺するためにはシャフトを短くするのが簡単ですが、そうすると遠心力が減って、飛距離面ではマイナスになり、ヘッドを重くした効果を消してしまうこともあります」(小倉店長)
軽量ドライバーというのはこの逆の効果を狙ったもので、ヘッド重量は軽くなるかわりに、シャープに振り抜けてヘッドスピードを上げやすく、クラブを長くしやすいメリットがあります。
その意味では、単純に「ヘッドが重いほうが飛ぶクラブだ」というわけではなく、ヘッドの質量で飛ばすか、スピードで飛ばすかという判断のなかで、前者の効果を狙ったものがヘッドの重いクラブだといえるでしょう。
「重いヘッドのメリットを生かしやすいのは、手先でビュンと振らずにしっかり体を使ってスイングできる人。腕主体でスイングする手打ちタイプ人は、軽いものを速く振るほうが効果を得やすい傾向はあると思います。自分にとってはどちらが効果を得やすいかを見極めることが大事だと思います」(小倉店長)
ヘッドの重さとスイングスピード。自分のスイングタイプにはどちらを優先した方が飛ばせるのか、ということを見極めてクラブ選びをすることが大切なようです。
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