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- ぶっちゃけ中古クラブは何年前のモデルまで使える? 5年前のドライバーや10年前のアイアンは選択肢に入る?
中古クラブショップでは何年も前のモデルも販売しています。今回は購入を検討する際に何年前のモデルまで選択肢に入れるべきか、人気クラブフィッターの石井建嗣(いしい・たけし)さんに聞きました。
必ずしも最新モデルが優れているというわけではない
ゴルフクラブの進化は著しく毎年新しいモデルが発売されていますが、必ずしも最新モデルが優れているというわけではありません。ただ、画像のようなあまりにも古いクラブでは話になりません。今回は「中古クラブ購入の際、何年前のモデルまで選択肢に入れるべきか」というご質問にお答えしようと思います。
まず、この質問に答えるにはウッドとアイアンを分けて考えないといけません。進化のスピードが激しいのはウッド、とくにドライバーです。結論からいうとドライバーのヘッドは5年以内のモデルを使うべきだと考えています。
ドライバーの「反発係数」の上限がルールで定められてから、「初速」という要素を飛躍的に伸ばすのは難しくなりました。そんな中で各メーカーは、どうやって「より飛んで曲がらないヘッド」を作るかという課題に直面しました。
少しでも優れた製品を作るために、たどり着いた現時点での最適解は約200gのヘッドのどこに重量を配置するかという考えです。
打ち出し、スピン、寛容性などにおいて最大限のパフォーマンスを引き出すために、低重心で、なおかつロースピン、さらに芯の広いヘッドを作るという条件をクリアし始めたのがまさに5年前ごろからなのです。
同時にシャフト開発においても、そういったヘッドをより生かす設計になっております。そもそも5年以上前はヘッド重量も200gを切る製品が主流でした。また今ほど慣性モーメントが大きくないヘッドが多かったです。それがここ数年で重量は200g以上が普通になり、同時に高慣性モーメントのヘッドが次々と登場しました。
そうなってくると、こういった最新ヘッドに合うシャフト開発が求められます。具体的にはヘッドの重さによる当たり負けをしない、さらに高慣性モーメントヘッドによくある振り遅れをカバーしてくれるシャフトがトレンドになります。
こう考えると、ヘッドだけでなくシャフトも含めたクラブとしては、ここ5年で大きく進化したといえます。こういった点からもやはり5年以内のドライバーを使うべきだと私は感じています。
アイアンはドライバーほど進化が速くない
一方で、アイアンはドライバーほどの進化が見られません。むしろ、ストロングロフトブームが一段落し、また以前のロフトに戻る流れが出来つつあります。もちろん素材や溝、重心設計の進化で、10年以上前のアイアンよりは同ロフトでも飛んで止まるという機能になっているのは間違いありません。それでもドライバーほど極端な進化はなく、むしろ冒頭で話した名器と言われるモデルはアイアンに多く見受けられます。アイアンに関していえば10年以内のモデルで自分が本当に信頼している製品なら最新モデルと大差ないと言えるでしょう。
ただ、アイアンの場合はむしろシャフトの進化が著しいです。特にカーボンアイアンシャフトの成長はすばらしく、女子プロの多くの選手がスチールからカーボンへ移行しております。スチール、カーボンどちらも良い点はありますが、衝撃吸収能力は圧倒的にカーボンが優れています。
女子プロの多くが体に優しいからという理由で移行していますが、この理由はアマチュアゴルファーにも共通すると思います。特に手首、肘、肩、首辺りに痛みを感じているゴルファーは最新のカーボンアイアンシャフトを試してもらいたいです。
まとめになりますが、ウッド系は5年以内のモデル、アイアンは10年以内のモデルを使う事をお勧めします。ただ人によってはそれ以上前のモデルが合う可能性もゼロではありません。自分のスイングの特徴を知り、それを補ってくれるクラブを見つける事が上達への一番の近道です。必ずしも最新モデルが最良というわけではないという事を頭に入れておいてください。
【解説】石井 建嗣(いしい・たけし)
香川県丸亀市で「ゴルフショップイシイ」を営むクラブフィッター。フィッター界の第一人者である浅谷理氏に師事し、クラブ&パターフィッター、TPIインストラクター、ゴルフラボ公認エンジニアの資格を持つ。ゴルフはHDCP「9.9」の腕前だが、自身のプレーより他人のクラブを“診る”ことに喜びを感じる職人肌。出演するYouTubeチャンネル「ズバババGOLF」では軽快なトークで人気を集める。
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