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赤マナの後継? ツアーADは先系? ベンタスはハード系? スピーダーNX新モデル? <24年発売シャフト総括&25年動向予想>
2024年は4大シャフトメーカーの「三菱ケミカル」、「フジクラ」、「グラファイトデザイン」、「USTマミヤ」から、例年にも増して多くのドライバーシャフトが発売されました。今回はことし発売された各メーカーの代表的なドライバーシャフトを総括&来年以降の動向予想を、人気フィッターの石井建嗣(いしい・たけし)さんにしてもらいました。
来年は順番的に赤マナの後継が発売される年
2024年は4大シャフトメーカーの「三菱ケミカル」、「フジクラ」、「グラファイトデザイン」、「USTマミヤ」から、例年にも増して多くのドライバーシャフトが発売されました。今回は、ことし発売された各メーカーの代表的なドライバーシャフトを総括すると共に、来年以降の動向も予想してみようと思います。
まず「三菱ケミカル」ですが、1月に「ディアマナWB」を、3月に「テンセイプロレッド1K」を、そして9月に「ディアマナBB」を発売しております。年間に3本ものドライバーシャフトを発売したのは同社でも珍しい年といえます。この中でもディアマナBBは、私のフィッティングでもかなりマッチするゴルファーが多いシャフトです。クセの無い青マナの流れでカタログの調子は中元ながら、ほぼ中調子のシャフトといえます。先端剛性の強化によって、近年流行りの高慣性モーメントヘッドに対しても芯付近でインパクトできるように設計されています。歴代の良い所を残したまま、現代のトレンドヘッドに合うようにアップデートされた、まさに現代版青マナといえるでしょう。
また、これはこのシャフトに限ったことではありませんが、重量が変わってもフレックスが同じなら振動数がほぼ変わらないという設計は、材料開発から成型までを一貫して管理できる同社だからこそ成しえる技です。来年は順番的に赤マナの後継が発売される年ですが、同時にテンセイの最新版も発売されると思われるので、つかまりを求めるゴルファーは赤マナの後継、引っ掛けを嫌うゴルファーはテンセイの最新版を狙うべきでしょう。
ある意味、一番読みにくい「グラファイトデザイン」
続いて「グラファイトデザイン」ですが、9月に最新モデルの「ツアーAD GC」を発売しています。このシャフトは同社のシャフトマップ上の最も真ん中付近に位置する新時代のニュートラルシャフトとして発売されました。グラファイトデザインのツアーADシリーズはカタログから過去モデルが消えないことが有名で、特に「ツアーAD DI」は発売から10年以上たった今でも根強い人気があります。今作のGCは昨今のトレンドヘッドに対応しただけでなく、ゴルファーのスイングの変化やフィジカルの進化に対応されるべく新たなテクノロジーを導入したシャフトとして登場しています。DIやPTのような息の長いシャフトになるのは間違いないでしょう。
ちなみに以前は中調子のシャフトが多かった同社のシャフトですが、近年は手元や先など少し尖ったシャフトを販売しています。2世代前のCQが先中調子、前作のVFが中元調子、今作のGCが中調子という順番から考えると、来年はまた先系シャフトが登場するのかなと予測していますが、先ほども話した通りこの流れはここ数年の話です。ある意味、一番読みにくいのがグラファイトデザインのシャフトといえます。
「ベンタス」&「スピーダーNX」がともに好調のフジクラ
次に「フジクラ」ですが、こちらも今年はドライバーシャフトが豊作の年となっています。4月に「24ベンタスブルー」、9月に「スピーダーNX バイオレット」、11月に「24ベンタスブラック」と「レッド」を発売しております。ベンタスシリーズが3機種全て出たこともあり、1年間で4種類のシャフトが発売されました。24シリーズのベンタスは、全ての色でこれまでのベンタスのハードなイメージをやや払拭してきたシャフトとなっています。ある意味で今年は憧れのベンタスを打てる仕様に仕上げています。とはいえ、NXシリーズよりはハードな設定であることに変わりはないのでそこは注意が必要です。
またスピーダーNXバイオレットは、カーボン繊維の巻き方を変える事でヘッドスピードの向上に成功しました。女子プロに大人気だった初代スピーダーNXのDNAを受け継いだ、現状最強スピーダーといっても過言ではありません。来年はさすがに今年ほどドライバーシャフトが発売されるとは考えにくいですが、それでもNXシリーズとベンタスシリーズが最低でも1機種ずつ登場するはずです。NXは今年が初代の後継だったのでNXグリーンの後継が、ベンタスは一周回ったのでまたブルーの後継が出るのかなと思います。ベンタスは今年が少しマイルドになったので、来年モデルはまたハードなモデルになると予想しています。
12月に最新モデル「アッタスRXサンライズレッド」が発売
最後に「USTマミヤ」ですが、11月に「リンクホワイトEX」を発売しています。国内発売のリンクシリーズ第二弾は元調子のアスリート向けシャフトに仕上がっています。前作の「リンク ブルーEX」よりも手元の剛性を下げ、代わりに先端部の剛性をかなり高くしています。これによりかつてない強弾道と低スピンを実現出来るシャフトに仕上がっています。同社はアッタスシリーズとリンクシリーズの2機種で展開していますが、ここ数年はリンクシリーズをメインに発売しています。
ちなみにアッタスシリーズは、2022年の12月に発売された「ジ・アッタスV2」からしばらく発売されていませんでしたが、12月にアッタスシリーズの最新モデル「アッタスRXサンライズレッド」が発売されることが決定しております。この記事を書いている段階では、まだ私も現物を見ていないのですが、とにかく捕まる先調子ということだけは分かっています。先調子ということはアッタスキングの後継扱いになるかと思いますが、これはまだ詳細が分からないので詳しくは話せません。12月に最新のアッタスが発売されるということで、来年のアッタスはお休みで、リンクの別モデルが出るのかなという予測になります。リンクはブルーが中元調子、ホワイトが元調子なので、来年は中から先系のシャフトになると読んでいます。同社はドライバーシャフトの発売時期が変則になったことから来年の動向予想が難しくなりました。
振り返ってみると、今年はドライバーシャフトだけでもかなりの本数が発売されました。来年の予想が当たるかどうかは分かりませんが、それを考えるのもまた楽しみの一つです。同時にこれだけシャフト本数が増えると、本当に自分に合うモノが分からなくなります。シャフト選びに迷ったらぜひフィッティングを受けることをお勧めします。
【解説】石井 建嗣(いしい・たけし)
香川県丸亀市で「ゴルフショップイシイ」を営むクラブフィッター。フィッター界の第一人者である浅谷理氏に師事し、クラブ&パターフィッター、TPIインストラクター、ゴルフラボ公認エンジニアの資格を持つ。ゴルフはHDCP「9.9」の腕前だが、自身のプレーより他人のクラブを“診る”ことに喜びを感じる職人肌。出演するYouTubeチャンネル「ズバババGOLF」では軽快なトークで人気を集める。
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