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- 「硬いのに曲がらない!」 王者シャフトが進化 26 VENTUS TR BLUEを徹底検証
フジクラの最新シャフト「26 VENTUS TR BLUE」を試打検証。硬質なフィーリングながら高い方向安定性を発揮し、最新ヘッドとの相性も向上。初代モデルとの違いや進化した「VeloCore Plus」の実力を解説します。
振り心地と弾道が一致しない不思議なシャフト
今回紹介するのは、今年1月に藤倉コンポジット株式会社(以下、フジクラ)から発売された「26 VENTUS TR BLUE」(以下、26ベンタスTRブルー)です。

そもそも、なぜ「26」という発売年がシャフト名に入っているのかというと、前身モデルとなる初代「VENTUS TR BLUE」(以下、初代ベンタスTRブルー)が存在するからです。
本記事では26ベンタスTRブルーの特徴はもちろん、初代モデルとの違いも含めて詳しく解説します。(文・クラブフィッター・石井建嗣)

まずは、実際に測定した5S(50グラム台S)の振動数と、3球の弾道・計測値について触れます。測定条件は長さ45.5インチ、ヘッドはピン「G440 MAX」で重量202グラム(スリーブ込み)のドライバーです。
振動数は260CPMでした。
VENTUSシリーズは本連載で初めて取り上げるため、まずはフジクラのシャフトラインアップについて簡単に整理しておきましょう。
フジクラのドライバー用シャフトは、大きく「SPEEDER(スピーダー)」シリーズと「VENTUS(ベンタス)」シリーズに分けられます。
スピーダーは、いわゆる“はじき系”シャフトの代表格で、飛距離性能を重視したブランドです。過去に本企画で紹介した「SPEEDER NX GOLD」の振動数は254CPMでした。
一方のベンタスは米国発の逆輸入ブランドで、飛距離よりも安定性を重視した設計が特徴です。振動数だけを見ても分かるように、どちらかといえばハードヒッター向けのシリーズといえます。
さらにベンタスシリーズは、「VENTUS」と「VENTUS TR」の2系統に分類されます。分かりやすく言えば、TRのほうがよりしっかりした設計です。
スピーダーも含めて硬さのイメージを並べると、
スピーダー → ベンタス → ベンタスTR
という順番になります。
つまり今回紹介する26ベンタスTRブルーは、フジクラ製品の中でもかなり剛性感の高いモデルというわけです。
硬く感じるのに、驚くほど曲がらない

実際に試打した第一印象は、やはり「硬い」でした。
振動数は260CPMと、普段私が使用しているシャフトと大きな差はありません。しかし、数値以上に剛性感を強く感じます。
個人的な感想ですが、決して嫌な感触ではないものの、特別気持ち良い振り心地とも感じませんでした。例えるなら棒状のものを振っているような感覚で、強いて言えば手元がわずかに動く程度です。
実際、試打した3球ともフェースセンターよりやや下めにヒットしていました。
余談ですが、人は「硬い」と感じるクラブを振ると、トップ気味に当たりやすくなる傾向があります。
ところが面白いことに、弾道は過去最高レベルに安定しました。
これは正直、自分でも驚きました。前述のように打点がやや下だった影響もあり、打ち出し角は普段より低めでしたが、スピン量は予想以上に抑えられていました。
本来、打点が下がると縦のギア効果によってスピン量は増える傾向があります。それにもかかわらず、スピン量は非常に安定していました。
私自身の技量がもう少し高ければ、このシャフトの性能をさらに引き出せたのではないかと感じています。
また、弾道を見る限り、決してつかまらないシャフトではありません。しかし、引っかけやチーピンといった極端な左ミスは出にくい印象です。
ひとつ注意したいのは重量です。
今回試打した5Sは実重量61グラムで、感覚的には6Sに近い重量帯です。普段使っているシャフトよりも10グラム程度軽いスペックを含めて試打することをおすすめします。
結局、初代VENTUS TR BLUEと何が違うのか?
ここからは、多くのゴルファーが気になる初代モデルとの違いについて解説します。
そもそも「TR」は「Tour Rated(ツアーレイテッド)」の略で、ツアープレーヤーから高い評価を受けたツアー規格モデルを意味しています。
ベンタスシリーズはもともと米国市場向けに開発された逆輸入シャフトですが、初代ベンタスTRブルーは、そのベースとなる「VENTUS BLUE(ベンタスブルー)」の剛性分布を最適化し、ねじれを抑制したモデルとして誕生しました。
PGAツアープレーヤーからのフィードバックを反映し、中間部の剛性を高めることでスイング中のねじれを抑え、打点のバラつきや方向性のブレを軽減する設計が採用されています。
簡単に言えば、ベンタスブルーを全体的にしっかりさせたモデルです。
「VeloCore Plus」で最新ヘッドに対応

そして、その初代モデルを進化させたのが26ベンタスTRブルーです。
最大の変更点は、独自のカーボン積層技術「VeloCore Plus」の搭載です。
初代にも「VeloCore」は採用されていましたが、「Plus」ではその性能がさらに進化しています。
特に先端部の剛性向上は顕著で、私自身、これは近年のドライバーヘッドの進化に対応したものだと感じています。
初代ベンタスTRブルーが発売されたのは2022年。それから4年の間に、ドライバーヘッドは大型化・高MOI化がさらに進みました。
ヘッド性能が変化すれば、それに合わせて最適なシャフト設計も変わります。
VeloCore Plusの採用によって、最新ヘッドの性能をより引き出せる仕様になったと考えるのが自然でしょう。
とはいえ、初代モデルが多くのPGAツアープレーヤーに支持され、数々の実績を残してきた事実もあります。そのため、フジクラとしても初代のフィーリングを大きく変えることはできなかったはずです。
26ベンタスTRブルーは、初代の完成度の高さを継承しながら、現代の高MOIヘッドに対応するためにブラッシュアップされたモデルです。
絶対的な方向安定性を求めるハードヒッターにとって、有力な選択肢のひとつといえるでしょう。
【解説】石井 建嗣(いしい・たけし)
香川県丸亀市で「ゴルフショップイシイ」を営むクラブフィッター。フィッター界の第一人者である浅谷理氏に師事し、クラブ&パターフィッター、TPIインストラクター、ゴルフラボ公認エンジニアの資格を持つ。ゴルフはHDCP「9.9」の腕前だが、自身のプレーより他人のクラブを“診る”ことに喜びを感じる職人肌。出演するYouTubeチャンネル「ズバババGOLF」では軽快なトークで人気を集める。
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