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- 三菱ケミカルの真骨頂“超手元調子” 「TENSEI PRO BLACK 1K CORE」を試打
三菱ケミカルの人気シリーズ「TENSEI PRO 1K」に、新たに「TENSEI PRO BLACK 1K CORE」が加わりました。超手元調子と低スピン性能を特徴とする最新モデルを試打し、どのようなゴルファーに合うのかを検証します。
過去最少クラスのスピン量で捕まらないのに飛ぶ
三菱ケミカル(以下、ミツビシ)の人気シャフト「TENSEI PRO 1K」シリーズに、新たなモデル「TENSEI PRO BLACK 1K CORE」(以下、テンセイブラック)が加わりました。これまでのホワイト、オレンジ、ブルー、レッドに続く第5の選択肢で、シリーズの中でも特に低スピン性能と左へのミスを抑える性能に特化したモデルです。
今回はテンセイブラックの特徴を、実測データと打感を交えながら検証していきます。(文・クラブフィッター・石井建嗣)

試打したのは5S(50グラム台・Sフレックス)。測定条件は長さ45.5インチ、ヘッドはピン「G440 MAX」で重量202グラム(スリーブ込み)のドライバーです。

振動数は261cpm。最近は260台のシャフトを紹介することが多かったため、特別高い数値に感じないかもしれませんが、一般的な5Sの振動数は255cpm前後です。そのため、このシャフトも比較的しっかりした硬さに分類されます。
以前紹介した「Diamana BB」でも触れましたが、ミツビシのシャフトは重量帯が変わっても同じフレックス表記であれば、ほぼ同じ振動数になるよう設計されています。同社のシャフトを選ぶ際は、この特徴を理解しておく必要があります。

実際に打ってみると、とにかく捕まりません。普段はフェード系の弾道ですが、意識的にボールを捕まえにいっても右へ打ち出されました。
そして何より驚いたのがスピン量です。普段は3000rpm前後のハイスピン傾向ですが、今回は平均2300rpm台、1球目は1800rpm台を記録しました。
通常は右へ打ち出すと飛距離をロスしやすいものですが、スピン量が減少したことで、1球目は大きく右へ飛び出しながらも250ヤードを超える飛距離になりました。
振り感はどちらかといえば好印象でした。メーカーも元調子(HIGH)と位置付けていますが、とにかく手元が軟らかく、切り返しで十分な間を作ることができます。良い意味でヘッドが遅れてくる感覚があります。
ただ、その後の挙動が非常に特徴的です。中間部から先端部の剛性は非常に高く、私のようなフェードヒッターには決してやさしいシャフトではありません。結果として、すべて右へ抜ける弾道になりました。
プレーヤーとしては扱いが難しいと感じましたが、フィッターの視点では非常に面白いシャフトだと感じました。
このシャフトが合うゴルファー像は、基本的にドローヒッター、さらに言えばフッカーです。
ただし、一般的なフッカーはスピン量が少ない傾向にあります。そのため、左へのミスは減らせても、スピン量が減り過ぎてドロップするような弾道になってしまう可能性があります。
このシャフトの真価を発揮できるのは、スピン量が適正値より多いフッカーでしょう。少数派ではありますが、そうしたゴルファーであれば、低スピン化による飛距離アップと方向性の安定を同時に得られる可能性があります。
ダイナミックゴールドとの相性抜群

このシャフトは、「スチールシャフトの代名詞」ともいえるロングセラーアイアンシャフト「Dynamic Gold」との相性の良さも特徴です。
Dynamic Goldも元調子で、中間部から先端部にかけてしっかりした設計になっています。カーボンとスチールという違いはありますが、振り感の方向性はテンセイブラックと共通しています。
近年は従来モデルより軽量なシリーズも展開されており、ドライバーとの重量フローを整えやすくなっています。
ドライバーとアイアンの振り感を近づけることができれば、ショットの再現性向上にもつながるでしょう。
今回試打したテンセイブラック5Sとの組み合わせであれば、「Dynamic Gold 105 S200」が有力な選択肢のひとつになります。
対応ヘッドスピードは45m/s前後。スピン量が多めで左へのミスに悩むゴルファーは、一度試してみる価値のある組み合わせといえそうです。
【解説】石井 建嗣(いしい・たけし)
香川県丸亀市で「ゴルフショップイシイ」を営むクラブフィッター。フィッター界の第一人者である浅谷理氏に師事し、クラブ&パターフィッター、TPIインストラクター、ゴルフラボ公認エンジニアの資格を持つ。ゴルフはHDCP「9.9」の腕前だが、自身のプレーより他人のクラブを“診る”ことに喜びを感じる職人肌。出演するYouTubeチャンネル「ズバババGOLF」では軽快なトークで人気を集める。
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