インパクトが安定してアイアンの飛距離の階段ができる2つのドリル

「同じ7番アイアンでもショットごとに飛距離が違う」という人に、アイアンの飛距離の階段が作れてショットの再現性が高くなるオススメのドリルを紹介します。

ティーアップしたボールを真っすぐライナーで飛ばせたらOK

「ショートアイアンはちゃんと打てるのに、ロングアイアンになると飛距離が出ない」

 アイアンの飛距離の階段が作れないという悩みを抱えたアマチュアゴルファーは多いですよね。

 長い番手がうまく打てない一因は、インパクト時のロフト角が安定していないことにあります。

ボールの赤道に刃を当てるイメージでインパクト。真っすぐライナー性の弾道が出れば、インパクト時のロフトが安定している証拠

 今回は、ロングアイアンに苦手意識がある方、スイングの再現性が低く打点がバラつく方にオススメの「サンドウェッジ・ティーアップドリル」を紹介します。

 2センチ程度の高さにティーアップし、ヘッドを浮かせて構えてください。そして、サンドウェッジのリーディングエッジをボールの赤道付近に当てるイメージでスイング。

 ティーに当てず、ボールだけをクリーンに飛ばせればOKです。うまく打てると、真っすぐライナー性の弾道になります。ロングアイアンが苦手な人は、ティーごと打ってテンプラ気味の弾道になったり、極端なトップになって球がまったく上がらないはずです。

 ボールだけクリーンに打ち抜くコツは、ヘッドをレベル(平行)ブローに動かすこと。インパクトゾーンが長くなれば、ヘッド軌道やロフト角を安定させることができます。

 極端なダウンブローやアッパーブローでは、インパクトが点になってしまうため、打点が不安定になってロフトの管理が難しくなるのです。

“手元の上昇”がカギ! レベルブローでヘッドの動きを安定させる

 レベルブローでヘッドを動かすにはどうすればいいのでしょうか。ポイントは、「手元を上昇させながらインパクトする」というイメージを持つことです。

 なぜ、手元が上昇するとヘッドがレベルブローで動くのか。その理屈を理解するために、ドリルをもうひとつ紹介します。「ヘッド引きずりドリル」です。

ヘッドをずるずると引きずって動かすと、手元はインパクトに向けて上昇する。レベルブローでヘッドを動かすには、手元を引き上げる必要がある

 ボールを両足の真ん中にセットし、ヘッドを右足の外側に接地させて構えてください。この体勢から、ヘッドを浮かせず、ずるずる引きずってボールにコツンと当ててみましょう。

 インパクトに向かって手元が上昇しているのが分かるはずです。つまり、インパクトに向かって手元を引き上げることで、ヘッドはレベル軌道で動くわけです。
 
 インパクトに向かって手元は上がるのが正解。この意識を持つだけで体がスムーズに動き、ヘッドの動きやロフト角を管理しやすくなります。

「前傾姿勢をキープしなければいけない」「ダウンブローで打ち込まないといけない」というイメージでショットが安定しない人は、手元を上昇させる意識で「サンドウェッジ ティーアップドリル」を試してみてください。

 ライナー性の弾道が打てるようになるはずです。安定してライナーが打てれば、ロングアイアンの苦手意識もなくなるでしょう。

取材協力・グリーンゴルフ(茨城県牛久市)

工藤広治(くどう・こうじ)
1973年生まれ、茨城県出身。土浦工業高校卒業後、2007年にPGA入会。現在は、トラックマンを活用したレッスンで初心者からプロゴルファーまで幅広く上達をサポート。主に茨城県のゴルフ場でラウンドレッスンを行う。工藤ゴルフスクール代表。

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右足の外にヘッドを置き、ずるずると引きずってボールを打ってみよう。手元を引き上げてインパクトすることでヘッドがレベル軌道で動くことが分かる
右足の外にヘッドを置き、ずるずると引きずってボールを打ってみよう。手元を引き上げてインパクトすることでヘッドがレベル軌道で動くことが分かる
右足の外にヘッドを置き、ずるずると引きずってボールを打ってみよう。手元を引き上げてインパクトすることでヘッドがレベル軌道で動くことが分かる
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アーリーリリースや打ち込む意識が強いと、インパクト時のロフトの管理が難しくなってしまう
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